【レア作品!香港・台湾映画】霊幻少女 帰って来たテンテン(靈幻少女HELLO DRACULA 5)95分

投稿者: | 2024年4月16日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

幽幻道士シリーズの完結編ながらも、前後編の前編だけ製作して製作会社が倒産し、未完のまま終わってしまった残念なテンテン登場作品最終作!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、(幽幻道士)シリーズながらも、未完のまま終わってしまったテンテンの行方が気になる最終作です。

それでは、まずはあらすじから、

お爺ちゃんとトンボ、まるちゃんと修行の日々を過ごしているテンテンは、ある日中元節に姿を現した女ゴースト蘭姫を鬼王から救ってやり、

霊界へと帰還させるために禁じられていた九陰移転大法を使用する。

しかし、技が完全ではなかったため、魔界の扉が開き、お爺ちゃんのかつての兄弟弟子の宿敵、クマラを呼び寄せてしまうのだった!?

監督は、本作監督後に三級片(女同性戀謀殺案)を監督しているワン・チェンで、前半と後半で雰囲気の異なる世界観を演出しています。

主演のテンテン役は、勿論(幽幻道士キョンシーズ)シリーズで大ブレイクしたリュウ・ツーイー(シャドウ・リュウ)で、

成長した姿で、お馴染みの役柄を演じています。

リュウ・ツーイー
リュウ・ツーイー(シャドウ・リュウ)

で、シリーズからの続投の同門のトンボ役で、(幽幻道士3)、(幽幻道士4)でトンボ役を演じていたチェン・トンチュンが登場し、

ズッコケ気味のシーンが多いですが、華麗なアクションを披露しています。

チェン・トンチュン
チェン・トンチュン

ただ、このチェン・トンチュンが演じている役名は、日本で発売された日本語吹替版ではトンボと訳されていますが、

台湾版ではアチュンというそれまで演じてきた役名とは別名(恐らくジャッキー・チェンの役名がジャッキーと付けられることが多い様に本人の名前から付けられた役名だと思われます)で呼ばれていて、

なんとなくキャラクター的にもそれまでのトンボとは違ったキャラクターに見えますので、本来は別キャラクターを演じていると思われます。

それを、日本独自で(新・桃太郎3)(詳しくはこちら)で桃太郎ではない役柄を桃太郎と訳していたようにトンボと名付けたのだと思われます。

要するにこれまでのシリーズの続編というより、同じような設定の別世界の物語となっています。

霊幻道士)シリーズや、(五福星)と(大福星)以降のシリーズのような感じでしょうか。

ですので、もしかすると前後編というよりも、本作をきっかけに仕切り直した新シリーズが何作も製作されていく予定があったのかもしれません。

で、チェン・トンチュンと同様にシリーズ続投でキンお爺ちゃん役を演じているのは、(新・桃太郎)(詳しくはこちら)や

新・アリババ)(詳しくはこちら)等のキン・トーで、安定の道士役で、若手を導いていきます。

キン・トー
キン・トー

で、今回から初登場のいじわる女子まるちゃん役で、ガ・ブンニーが登場し、意外に物語のポイントになるような意地悪を仕出かします。

ガ・ブンニー

で、宿敵となるお爺ちゃんの兄弟弟子クマラ役で、(妖魔伝)(詳しくはこちら)や(ニンジャキッズ)(詳しくはこちら)等の

リー・ホイシンが登場し、非道でキレのあるアクションを披露しています。

リー・ホイシン
リー・ホイシン

で、主人公達に救われる女ゴースト役で、ホー・ジュユンが登場し、可憐な魅力で、かつての恋人を求めてさまよう切ない役柄を演じています。

ホー・ジュユン
ホー・ジュユン

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、行方不明の父が恋しいテンテンが、夢の中で父の後を追い、

悪霊に襲われ撃退し、狂暴なキョンシーに襲われ絶体絶命の危機に陥った所で目を覚ますシーンから始まります。

で、起きて早々同居している同門の弟子(という関係ですが、なんとなくお爺ちゃんからの扱い等から察するに、本国版では姉弟子のような、、、)まるちゃんと、

丁々発止を繰り広げ、同じく同門の弟子である一応トンボ(以下トンボ)と共に、お爺ちゃんの所で、ご先祖様へのお祈りを済ませます。

で、トンボはお爺ちゃんに掃除を命じられ、ぶつくさ言いながら始めますが、その最中に隠してあった箱を開けてしまって悪戯好きの霊を復活させてしまいます。

で、そのせいで骨壺などを沢山壊してしまう、というトンデモなく罰当たりな結果を招いてしまい、かたずけを命じられますが、

途中しゃしゃり出てきたまるちゃんが、率先してかたずけをこなしているようにお爺ちゃんに思わせる、という姑息な手段に出られたので、

仕返しのために法術を使ってまるちゃんの身体を動かして、お客さんを驚かす、というどっちもどっちな悪戯合戦を繰り広げます。

で、またお爺ちゃんに怒られた後に、行くなと止められていた中元節のお祭りを見に街に繰り出します。

このお祭りは、人間のお祭りではなく、霊界からその時期だけ戻ってきた霊が、お供え物にむしゃぶりつく、

という(この作品では)普通の人間は関わりたくないお祭りというか、ワイルドな立食パーティ、といった感じですが、何故かテンテンとトンボは、

その争いながら、お供え物を手で掻き込む様を見てニコニコしている、という、どう捉えて良いのか分からない楽しみ方で、娯楽を満喫しています。

で、食事中の犬に触れると唸り声をあげるように、調子に乗ったトンボに霊たちが攻撃すると、逆キレしたトンボは、

まさかの火をつけた爆竹を霊に放り投げる、という度が過ぎた悪戯で、霊たちにダメージを与えてしまいます。

で、そんなトンボの悪行を見たテンテンは、懲らしめが必要、という事で、法術でトンボの動きを封印して爆竹に火をつけて体に絡ませる、

というこちらも、度が過ぎた懲らしめでトンボにダメージを与えます。

で、痛い目を見て反省したトンボは、素直になり、霊たちが霊界に帰還する手助けをしますが、その時、

ホー・ジュユン演じる女ゴーストだけは、愛する人と再会するために霊界に戻らずにこの世に留まってしまいます。

で、事情を聞いてみると、愛する人の事を未だに想っているのに、鬼王という悪霊に無理やり結婚させられそうになっている、

という事で、我らがテンテンが、立ち上がります。

が、鬼王は流石に強敵過ぎて、まだまだ未熟なテンテンには歯が立たないところで、お爺ちゃんが颯爽と登場し、鬼王を撃退します。

ですが、それでも女ゴーストは帰りたくない、と言い出すので、お爺ちゃんが冥途送りにしようとしますが、

それは可哀そうという事で、テンテンが霊界に送る事になります。

普通に他の霊と一緒に霊界に帰るのと、お爺ちゃんに送られるのと、テンテンの未熟な技で送られるのと、

結果は同じ様な気がしますが、とりあえず毎回テンテン主導で物語は進みますので、複数の選択肢がある時は理由に関係なくテンテン一択になります。

で、九陰移転大法という大技を、お爺ちゃんには使ってはいけないと言われていたのに、やっぱり使い、

さらに、まるちゃんの意地悪も炸裂し、大問題が発生してしまいます。

まずは、女ゴーストは、どこかに送られたけれども、どこに送られたのかテンテンも分からない、という無責任さで(苦しんでいたので、ただその場から消滅してしまったようにも見えます、、)、

その術を使用した空間が、どこかに隔離されたようになってしまい、その場から離れられなくなってしまいます。

で、そんな状況の中、お爺ちゃんのかつての兄弟弟子で宿敵でもあるクマラが登場し、主要メンバーをかなり残酷な目に合わせていく、、、、、

、、、というのが大体の大筋で、本作は前後編の予定のはずが、前編だけを製作した段階で製作会社が倒産してしまう、

という不測の事態によって、残念ながら後編が存在しませんので、色んなエピソードが放置されたまま終了してしまいます。

で、その前後編の前振りとも言える本作で言えば前半は、取り留めのないギャグ中心の日常悪戯編で、後半は物語の確信部分に触れていく、本当の本筋の前振り、という感じなのですが、

前半のそれぞれのエピソードが、ほとんど本筋に活かされていないので、テレビシリーズのちょっとしたエピソードの寄せ集めのような印象があり、

本筋に入り始める女ゴーストのエピソードでさえ、最終的に女ゴーストは、どこか知らないところに飛ばされ、

その原因となった大技とは無関係に宿敵が姿を現す、という後半にかけても、それぞれのエピソードが微妙にシンクロしない、というなかなかに荒々しい物語展開となっています。

で、クライマックスでは急激にシリアス過ぎる展開を迎えますので、さっきまで下品な下ネタで笑いを誘っていたキャラクターが、、、

という目をそむけたくなるシーンの連続となっています。

ここまで極端な展開になると、恐らく後編ではスッキリと、過去の出来事としてテンテン単独主演の冒険物語になるか、

アベンジャーズ)のように時間に関する禁じ手を使う展開(法術は何でもありなので、あり得そうです)等で、

前後編通して鑑賞して初めてスッキリするような、盛り上がる後編だったと思われますが、前振りだけで終わってしまっているのが非常に残念です。

テンテンの運命やいかに!?

結局な所、多くの問題は、テンテンがお爺ちゃんの言いつけを聞かずに発生しているパターンが多いので、

恐らく後編が存在していたら、そんなテンテンの成長物語が描かれていたのでないでしょうか。

という事で、残念ながら未完の物語ではありますが、成長したテンテンが大活躍するアクションは満載の作品となっていますので、

キョンシー映画好き(キョンシーの登場は一瞬ですが、、)の方や、香港・台湾映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1992年製作 台湾製作 キョンシーアクション

監督 ワン・チェン

出演 リュー・ツーイー(シャドウ・リュウ)、チェン・トンチュン、キン・トー、ガ・ブンニー、リー・ホイシン、ホー・ジュユン

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