カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
(帰ってきたドラゴン)のブルース・リャンと和製ドラゴン倉田保昭がローマを舞台に再び激突する!ついでに可愛いマン・ホイが宙を舞う、バトルカンフーアクション!!
作品情報
1974年8月17日公開
今回ご紹介するのは、(帰ってきたドラゴン)のブルース・リャンと和製ドラゴン倉田保昭が再び激突sするカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
世界中で暗躍する麻薬組織によって麻薬捜査官たちの連続殺人が続いていた。
そんな時、偶然暗殺現場に居合わせた一人の映画スターによって中国地方の暗殺者が逆に返り討ちにあう、という事態が発生する。
面目を潰された闇組織は、この映画スターへの報復として、偽の映画製作をでっちあげて、暗殺目的でローマに呼び寄せるのだった。
(帰ってきたドラゴン)で伝説のマラソンバトルを演じたブルース・リャンと和製ドラゴン倉田保昭が再び激突するカンフーアクション作品です。
主演の二人以外にもブルース・リャンの弟役で、まだまだかわいい感じのマン・ホイも登場しますので、(帰ってきたドラゴン)のメインキャスト3人が揃った第二弾となっています。
監督も(帰ってきたドラゴン)でも監督を担当していたウー・スー・ユエンという事でスタッフとメインキャストが完全に再結集した作品となっています。
ウー・スーユエンと言えば、傑作カンフーシリーズ(南拳北腿)や、ホー・チョンドー主演の(ブルース・リー物語)(詳しくはこちら)、
ブルース・リーの未公開フィルムの寄せ集めながらも新規撮影のカンフーシーンの熱い(死亡の塔)(詳しくはこちら)、
製作者としては、真田広之とコナン・リーが主演した日本と香港合作(龍の忍者)や、ジャッキー・チェン主演の(ドランクモンキー酔拳)と(スネーキーモンキー蛇拳)、
(激突!キング・オブ・カンフー)(詳しくはこちら)、ジェット・リー主演の(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)シリーズの前半3部作等、
数々の傑作カンフー作品を製作し続けている、もはや香港映画界、カンフー映画界の伝説、と言っても過言ではないぐらいの存在となっています。
そんなウー・スーユエンが、前作の大ヒットにより、今度は大々的なローマロケを慣行し、数々の名所をたっぷりと見せながらカンフーバトルを展開する、
という国際感漂うカンフー映画として完成させたのが本作になります。
あの激闘のリターンマッチをローマで!という事で、それだけで期待が高まりますが、これがなかなに突っ込みどころが多めの作品となっています。
全体的に刺客と戦うアクションシーンと観光シーンが交互に繰り返される構成で物語が進んで行くのですが、
まずは事件の発端となる世界中の麻薬捜査官が麻薬組織に殺害されていくシーンから始まります。
そのちょっとした暗殺シーンの繰り返しの何回目かで、その暗殺現場にたまたま居た映画スターで主役のブルース・リャンが、
暗殺者を逆に撃退するシーンが挿入されます。
麻薬組織撲滅を目指す、捜査官側の人物ではなく、ただの一般人(映画スターではありますが)です。
その一般人がたまたま歩いていたら、麻薬捜査官が麻薬組織に襲われている現場に出くわしたので、助けに入り、
危険なカースタントをこなした挙句に麻薬組織を撃退し、その後麻薬組織と本格的に激闘を繰り広げていく、
という、なかなか他の作品では見ないような登場の仕方を披露する主人公となっています。
恐らく(勝手な邪推ですが)、ローマでロケをするにあたって観光シーンを多数挿入したいので、一般人設定でないと成立しない、
という事なのかもしれませんが、逆に兄が殺されていて、自身も組織に命を狙われているのに、呑気に観光しまくる方が違和感があるのですが、どうでしょうか。
ローマの観光協会とタイアップが進んでいたのでしょうか。
で、映画スター(現地入りすると、空港で報道陣に囲まれる程の)ですので、破格のギャラでキャスティング(闇組織の手回し)されたローマロケの映画に出演することになります。
勿論、闇組織製作作品という事を知らないブルースですが、到着早々に巻き添えとなって兄を闇組織に殺されてしまい、
自身が狙われている事実をやっと把握します。
通常なら映画撮影どころではなく、兄の殺人事件の捜査の日々に突入する、展開が予測されますが、本作はそうはならずに、
もしもの時のために弟と一緒に保険に入りに行く、という予想外の展開を見せていきます。
で、そこで知り合った保険会社の社員である金髪女子とも仲良くなり、楽しい観光をこなしながら、映画の撮影もこなしていく、
という、初日に兄を闇組織に殺される、という悲劇を一切忘れて物語が進行していきます。
その後も撮影中に勝負を挑んできた悪者をやっつける、という本物のブルース・リーのエピソードなども盛り込んでいき、
仲良くなった保険会社社員の金髪女子の熱い保護によるロマンス要素も加わっていきます。
さらにその後、映画の共演者である女性とも良い関係になり、三角関係に悩む、という脱線ぶりを展開しつつ、
勿論、命を狙われている最中なので、刺客も登場し、、、、、
あっさりと全員連続回し蹴りで、撃破していきます。
圧倒的すぎて、全くピンチにならないので、観光と三角関係も進みます。
常に命を狙われ、そういえば兄も殺されているのに呑気なシーンが続きますが、後半になっていよいよ和製ドラゴンとの激突になります。
この辺の展開もやはり唐突ではありますが、やはり作品の見せ場ですので、力が入っています。
他の香港映画では見られないローマの景観をバックに、お待ちかねのマラソンファイトが始まります。
歴史のある(と思われる)建物を縦に横に飛び回り、打点の高い蹴り技が炸裂していきます。
まさに、これが見たかった、と誰もが思える名勝負で、前半までの唐突なシーンの連続だった呑気な展開が嘘のように緊迫感を盛り上げていきます。
その後何故か戦っている最中に謎の雪山にワープする、というカンフー映画ではあるあるの強引な場面転換がありますが、
この二人の激闘の前には、そんな不具合は些細な事のようさえ感じてしまいます。
という事で、通して鑑賞し終わると、基本的に後半以外は敵側にカンフーを使える武道家が存在しないので、
とにかく呑気なシーンの合間にブルースが蹴りを敵にくらわし続けているシーンがメインとなっていますが、
後半の激闘はやはり見逃せない名勝負となっていますので、
カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ラストの対決はやはり凄いですよ。
作品情報
1974年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 ウー・スーユエン
出演 ブルース・リャン、倉田保昭、マン・ホイ、シャーリー・コリガン
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