カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
メン・フェイ演じるフォン・サイヨが何度も挫折を繰り返しながら、一人前の青年拳士として成長を遂げる姿を描いた、和製ドラゴン倉田保昭共演のカンフーアクション!!
作品紹介
1974年4月27日公開
テレビ放映題 復讐のドラゴン/ 少林寺秘伝房 燃える九九拳
今回ご紹介する作品は、メン・フェイが当たり役のフォン・サイヨを演じたシリーズ第一弾です。
それでは、まずはあらすじから、
街の暴れん坊フォン・サイヨは、今日も友人たちと悪党退治を行っていたが、その最中に誤ってそのうちの一人を死なせてしまう。
その人物は、街の有力者タイガーの息子で、知らせを聞いたタイガーは、息子が弟子入りしていた道場の館長ジャガーに、息子の仇討を依頼する。
早速フォン家を訪れたジャガー一派だったが、サイヨは留守だったため、家族を襲い、サイヨの父の命を奪ってしまうのだった。
そして、復讐を誓ったサイヨは、姉と共に少林拳の修行を開始する!?
(醉八仙拳)(詳しくはこちら)、(妖術大変化)(詳しくはこちら)等のメン・フェイが、少林英雄・方世玉(フォン・サイヨ、ファン・スーイー)を演じた人気シリーズの第一弾です。
本作の大ヒットにより、その後シリーズ化され、(ドラゴン少林拳)、(少林寺必殺舞扇拳)(詳しくはこちら)と、
3部作が製作され、さらにその後、メン・フェイ演じるフォン・サイヨがハン・カーロ(ホン・シークワン)とルク・アーチョイと3人トリオで活躍する
(少林ブラザース)というスピンオフ的な作品も製作される等、人気ぶりを発揮しています。
監督は、メン・フェイ版フォン・サイヨ3部作全ても監督し、(女帝軍団アマゾネスウォリアーズ)(詳しくはこちら)、
リュー・チャーフィー主演の(少林醉八拳)(詳しくはこちら)等のオウ・ヤンチュンで、ダイナミックな活劇を演出しています。
で、そんな活劇派の主人公の成長物語を彩るのは、何度も挑み、その度に大ダメージを喰らわされる強敵役で、
本作と同時期に製作られた(小拳王)でもメン・フェイと共演している和製ドラゴン・倉田保昭で、本作のヒットを機に、
3作目の(少林寺必殺舞扇拳)でも、再び激闘を演じています。
ヒロイン役は、デビッド・チャン夫人であり、チョウ・ユンファ主演の(女人心)や、リッキー・ホイ出演の(八彩林亞珍)等に出演しているマギー・リーで、
主人公を助ける役柄で、可憐な魅力を発揮しています。
で、主人公を厳しく優しく指導する母親的なお姉さん役で、1950年代から活躍している(牛郎織女)等のパイ・ホンが迫真の演技を披露し、
復讐一直線のまっすぐすぎる主人公を導いていきます。
さらに、和製ドラゴンの弟分的な役柄で、ジャッキー・チェン主演の(飛龍神拳)やアラン・タム主演の(魔界天使)(詳しくはこちら)、(マネーチェイス)(詳しくはこちら)等、
長きに渡って香港映画界で活躍しているウォン・チンが、意外にカンフーアクションを披露しています。
さらに絡み役として(醉拳)等のリー・チウチュンや、(ミラクルファイター)(詳しくはこちら)等のブランディ・ユエンや、ユエンシンイー、ユエン・チュンヤン、
(南拳北腿門金狐)(詳しくはこちら)等のウォン・チェン、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)等のフォン・ハックオン、
(南北醉拳)(詳しくはこちら)等のヤム・サイクン、そして本作に武術指導としても参加している(Mr.ノーボディー)(詳しくはこちら)等の
ラウ・カーウィン等、後に有名になっていくカンフー映画スターが大挙して参加している作品となっています。
そんな素晴らしいスタッフ・キャストが集結した本作の物語は、正義感は強いが一直線過ぎて手に負えないところもある、まだまだ子供なフォン・サイヨが、
自身たちの飼っているコオロギを対決させ、ムシキング決定戦を開催している所から始まります。
で、お互い白熱したムシファイター達は、熱くなってそのまま乱闘に突入してしまいます。
勿論、たとえコオロギが原因でも、ズルい奴の喧嘩は買うに決まっている若き少林英雄フォン・サイヨは、そこでも腕っぷしの強さを発揮し、
物語開始早々に、一戦交えた果てに、、、、、
、、、、、、、
その対戦相手のムシファイター、リトルタイガーの、、
命を奪ってしまいます。
始まってタイトルが表示された後で既に、コオロギを理由にした喧嘩で相手の命を奪う、という物凄い始まりで物語はスタートしますが、
当然ながら、リトルタイガーの父親タイガーは、フォン・サイヨに報復してくる事になります。
で、そのリトルタイガーが所属していたカンフー道場の館長である和製ドラゴン倉田保昭演じるジャガーとその弟分バッファロー(動物ばっかりですね、、)に、
息子の仇討ちを依頼し、ジャガーの方も弟子の命を奪われた、という事で対面もあるので、道場を上げてフォン・サイヨとその一派を根絶やしにしようと襲ってくることになります。
で、報復に来られた時には、たまたまフォン・サイヨも他の場所で悪党を懲らしめている最中でしたので、
代わりに父親や姉、フォン家に仕える人々が襲われてしまい、お姉さんと数名の人以外全滅させられてしまいます。
で、その後、街で悪党を倒してスッキリしてきたフォン・サイヨが帰宅してみると、父親は殺害され、お姉さんも傷を負っている、という状況を目にする事になります。
100%フォン・サイヨの撒いた種ですが、それよりもフォン・サイヨの復讐心の凄さの方が際立っていますので、
そこは、溢れる復讐心をお姉さんがなんとか抑え込み、今のサイヨの武術の腕では未熟過ぎて太刀打ちできないので、
1年間修業して、少林拳の腕を上げてから戦いを挑む、という完全にサイヨ目線の復讐物語へと突入していきます。
で、冷静な姉は、野地合いでは例え戦いに勝利しても殺人犯として逮捕されてしまうので、観客のいる前で、公開試合を行い、正々堂々と決着をつけるように諭していきます。
で、メインの展開である修行シーンへと突入、、、、、、
した途端に、やっぱり復讐したいサイヨは、お姉さんに黙ってジャガーの下へ向かい、コテンパンに叩きのめされてしまいます。
なんとか、お姉さんと、街で以前助けてあげた、マギー・リー演じるスーチェンが、町民をゾロゾロと率いて止めに入る、
という機転をきかせてくれたおかげで、なんとか命は取り留めますが、全身の骨が折れる程の凄まじいい大ダメージを受けてしまいますので、
そこから暫くリハビリが続き、再び修行の日々が始まります。
で、さらに厳しい修行を重ねている最中に、お姉さんから止められていた街に繰り出してしまい、そこで案の定、ジャガー道場の門弟たち(ラウ・カーウィンが目立っています)が、
暴れて人々を傷つけている、というサイヨが絶対に見過ごせないような出来事に遭遇し、またしても、、、、
という感じで、英題の(PRODIGAL BOXER放蕩拳士)という感じのユン・ピョウ主演の傑作(ユン・ピョウinドラ息子カンフー)(原題 THE PRODIGAL SON詳しくはこちら)のような、
お金持ちの未熟者が何度も何度も挫折を繰り返しながら、少しづつ、努力と忍耐を覚え、武術の訓練に向き合う事で、
街の暴れん坊ではなく、人々の尊敬を集める一人前の青年拳士、少林英雄フォン・サイヨが誕生する姿が描かれていきます。
物語的にはシンプルな内容ですが、1972年製作という古い年代に製作された作品ながらも、武術指導のラウ・カーウィンが率いるカンフーアクションは流石の迫力で、
まだまだデビューして間もないメン・フェイの若さほとばしる演技と、躍動感のあるアクション、そして何より、
あまりに強大な強敵、和製ドラゴン倉田保昭の助演も伴って、迫力のアクションドラマが展開されていきます。
ですので、シンプルながらも、未熟者が成長していく過程はしっかりと描かれていますので、グッとくるような物語内容となっています。
という事で、シンプルで楽しみ易いドラマと後のカンフー映画を背負っていくカンフースター達が創り出した名アクションシーンの数々等、
見所満載の作品となっていますので、カンフー映画好き、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
ただ、、、、やはり、、、
フォン・サイヨ、成長したのは良いのですが、冒頭で、
コオロギが原因の喧嘩で他人の命を奪ってしまっている事に、本人自身が気づいてもいないような、、、
作品情報
1972年製作 台湾・香港製作 カンフーアクション
監督 オウ・ヤンチュン 武術指導 ラウ・カーウィン
出演 メン・フェイ(リー・フォアマン)、倉田保昭、ウォン・チン、マギー・リー、パイ・ホン、チュン・チョイポ、フォン・ハックオン、ユエン・シンイー、ユエン・チュンヤン、ラウ・カーウィン、ブランディ・ユエン、ヤム・サイクン
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