カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
少林寺を舞台に(18銅人)、(36房)に続く訓練房として、最も危険な(廿四溜馬)が登場するソニー・ユー主演のカンフーアクション作品!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、元武術チャンピオン、ソニー・ユーが活躍する少林寺系のカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
目障りな少林寺を弾圧するため、皇帝の弟は、策略を巡らし、少林寺と他流派との同士討ちを目論み、自らも兵士を率いて少林寺に攻め入るが、
殺人的な厳しさを誇る訓練房、(二十四溜馬)を突破した青年リュウが、その危機を救うべく危機に駆け付けるのだった!?
(中華道士)(詳しくはこちら)等のソニー・ユー主演のカンフーアクション作品です。
主演で、カンフーアクションシーンも結構ありますが、実際に物語の主役は少林寺の師範役のチャン・シウパンの方で、
交流のために他流派の寺を訪れるものの、少林寺打倒を目論む皇帝の弟の策略によって、チャン・シウパンがそれぞれの寺に訪れる前に挑戦状が送り付けられているので、
到着するなり、勝負を挑まれる、という逆道場破りの連続のような展開になっていきます。
で、少林寺で一番強いとされているチャン・シウパンの抹殺と、各流派の同士討ちを狙っていく、という流れになります。
そんな本筋とはほとんど無関係に、ソニー・ユーは少林寺の敷地内ではなさそうな場所(もしかしたら少林寺関連の家かもしれませんが)で、
馬の世話をしながらカンフーの修行を積んでいます。
そこには師匠や、ソニー・ユーの事が好きなヒロインのチャオ・ウィンシン、
そして(ミラクルカンフー阿修羅)等の壮絶なカンフーアクション作品にも主演しているシェン・ツンツェンとカン・チャオミンが、
なんとなく集まってきます。
それぞれの関係が深く説明されませんので、叔父さんだったり、師匠だったりと良く分かりませんが、なんとなく少林寺に危機が迫っている、
という事で、危険な(廿四溜馬)という修行房に挑戦することになります。
要するに(少林寺木人拳)や、(少林寺三十六房)、(少林寺への道)の18銅人房のように、馬のブロンズ像相手に、訓練を積んでいく、
という独特の修行方法です。
木人や18銅人は、人型をしているので、まだカンフーの修行としてはありえますが、馬、です。
しかも人が中に入る着ぐるみタイプではなく、完全に木馬のような感じですので、基本的には上にまたがる、以外のアクションはないはずですが、
そこをぐらぐら動かして、またがるとロデオ、離れると突進、という感じで、単純な動きを車のエンジン音などのBGM効果と、
ソニー・ユーの身体能力の高さで補っていきます。
要するに、ほぼソニー・ユー頼み、という感じで訓練に挑戦している間(結構長いです)ずっと一人で動き回っています。
一応、合間に(ミラクルカンフー阿修羅)コンビが、馬の装置のレバーを上下して操作しているという描写は入りますが、
別室での操作ですので、結局ソニー・ユーはずっと一人で訓練に励みます。
その間も本筋の物語は同時進行で進み、チャン・シウパンも交流の旅(結局道場破りの旅みたいになってしまっていますが)から戻って来きてみると、
挑戦を受けた(と本人達が思っているだけですが)各流派の師範たちが少林寺にやってきて、一触即発ムードになっていきます。
各流派と少林寺が総出で、激突展開か!?
という雰囲気ですが、散々誤解によるバトルが長く描かれた割には、凄く大人の対応で、思いのほか、話し合いであっさりと解決し、悪漢たちの企みは失敗に終わります。
かなりの肩透かし展開ですが、ここから主人公が徐々にソニー・ユーに移っていきます。
策略に失敗した皇帝の弟(それ以上の説明がないので良く分かりませんが、結構な身分の権力者)は、チベット密教の僧侶である弟、4人を呼び寄せます。
で、実力行使で、まずは少林寺以外の流派を壊滅させ、次に少林寺も壊滅させるべく、弟と本人、多数の兵と共に乗り込んでいきます。
兄が皇帝、弟が権力者、さらにその弟たちがチベット密教の殺人無双(僧)、という一家の家族構成も凄いですが、
それまで、まるで本筋に関係なかった訓練中のソニー・ユーの訓練房に兵士が勢いでなだれ込んできて、
強くなったソニー・ユーがそのままの勢いでバトルを展開し、あっという間に全員倒し(10人以上います)、
そのままのアドレナリンマックス状態で、乗っ取られ中の少林寺の本筋になだれ込んで、大バトルを展開、
ついにはラスボスであるパイ・インとのラストバトルにも持ち込んでいって、勿論結構あっさり目に倒してしまう、
という、ほとんど本筋と絡まなかった主人公が、雪崩れ込んできて強引に一番おいしいところをかっさらっていく、
というまるで、ソニー・ユーのアイドル映画のような展開のカンフーアクション作品となっています。
結構長い間、主人公のように物語を引っ張っていたチャン・シウパンも最終的にはどうなったのかも良く分からないぐらいに存在が薄くなってしまいます。
という事で、少々流れに違和感のある物語ですが、奇抜な訓練房を舞台に、元武術チャンピオンでもある本格派ソニー・ユーのアクションはたっぷり堪能できる作品となっていますので、
カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、今の時代ですと、色んな意味でちょっとDVD化は厳しそうですね、、、
作品情報
1983年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 フォン・ハオ
出演 ソニー・ユー、パイ・イン、チャン・シウパン、ウェイ・ピンアオ、チャオ・ウィンシン、フランク・シャム、ジャック・コン
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