カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
(地獄から来た女ドラゴン)のジュディ・リー主演による、革命のリーダーとなる将軍を脱出させるために、命を捧げた女芸人の激闘物語!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、女ドラゴン、ジュディ・リーの痛快カンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
民国4年、京劇役者の小玉(ジュディ・リー)は、舞台後のある会食で、革命家と目される将軍、蔡(ピーター・ヤン)と出会う。
帝国警察からは、蔡の監視任務を依頼されるが、蔡と親しくなるうちに、その革命のために全てを捧げようとする尊い精神に共感し、
自らも命を賭して、革命に協力する覚悟を決めるのだった!?
(地獄から来た女ドラゴン)や、(カンフーコップ)(詳しくはこちら)等の、美しき女ドラゴン、ジュディ・リー主演のカンフーアクション作品です。
第11回の台湾アカデミーゴールデンホース賞も受賞している作品です。
内容的には前年に公開されて、アジア全域で大ヒットしたブルース・リー主演の(ドラゴン怒りの鉄拳)を、そのまま女性版に置き換えたような物語で、
(怒りの鉄拳)が日本軍に対して戦いを挑んでいたのに対して、本作では、革命軍のリーダーとなる将軍を北京から雲南に脱出させるために帝国軍と命がけで戦う主人公、
という通常は男性アクションスターが演じるような役柄をジュディ・リー一人が颯爽と演じ、体格の良い軍人をバッタバッタとなぎ倒していきます。
という事で、基本的には(カンフーコップ)等と同じく、ジュディ無双の世界観ですので、ほとんどラストシーンまでピンチになることすらなく、
どのキャラクターに対してもマウントを取っていきます。
やはり、この痛快系のキャラクターが非常に爽快感があり、且つ(怒りの鉄拳)に酷似した背景がありますので、本家の衝撃的なクライマックスへと突き進む匂いが、ぷんぷんします。
ただ、やはりジュディ・リーの痛快キャラクターと常に笑顔(余裕系の)な存在感が、パートナーとなるピーター・ヤンの革命を果たすべく重責を背負った重いキャラクターと対を成すかのように、
非常に光り輝き(儚さも感じますが)、暗くなるはずの物語を、明るく照らしています。
ジュディ・リー出演作は、残念ながらそのほとんどが日本未公開のままですが、
ヒロインとしてそこにいるだけ、という役柄がほとんどありませんので、ジュディ・リー自身のイメージが、
既にこの痛快女ドラゴンのイメージが定着していたのだと思われます。
役柄的には、一応京劇の舞台に立つ役者、という事で、革命家や警察、役人等の元々に戦う目的のある役柄ではないのですが、
とにかく、ジュディ・リーが関わるとちょっとでも、舐めてかかったり、バカにするような態度を取ると鉄拳制裁が炸裂しますので、
普通の見栄えの良い京劇役者が、革命家や軍関係の役人と食事の席で同席しただけで、速攻で重要人物へと格上げされていきます。
ただ、ご飯食べていただけなんですが、、、。
なんとなく、揉め事をジュディ自身が起こしていっているようにも、見えなくもないですが、その鉄拳制裁の相手が、
重要人物がらみだと、ちいさなトラブルで済まずに、国の先行きを左右するような大事件へと発展していきます。
で、あろうことか、帝国軍側(簡単に言うと敵側)に、その腕を買われて、革命家と思われる将軍(本来の物語の主人公)を監視する、という役目を請け負う事になります。
しかし、そんな役目を帯びてはいても、将軍には人の本質を見抜く力があり、ジュディは、己の信じる正義のために行動する芯の強い人物だと見抜きます。
で、将軍が、自身の重要な秘密を打ち明けるに至り、ジュディは、全中国人のために、その革命を成功へと導くであろうその将軍を、自身の命を賭して雲南に脱出させる覚悟を決めます。
で、ついにその当日、自身の芸事の師匠にその旨を打ち明けます。
で、頼りないタイプの師匠(武術の師匠ではなく芸事の師匠なので、武術の達人ではありません)が、ジュディの心意気に感動し、自身も協力を申し出ます。
このクライマックスの師匠が頼りない外見に反して非常に熱く、ジュディを後押しします。
ジュディ『師匠、申し訳ありません。これからは、もう師匠のお世話をすることができません。』
師匠『私には難しい事は分からない。でも、芸事を通じて、物の善悪に関してだけは分かるようになったつもりだ。』
師匠『将軍がこれからの中国に必要な人だという事は私にも分かる。』
師匠『小玉、今日のステージは難しいぞ。頑張るんだよ。』
師匠の言葉を胸に、ジュディは将軍を脱出させるための最後の難関に向かい、(怒りの鉄拳)にも通ずるような名ラストシーンへと突入していきます。
このラストシーンが非常にアクション的にも、物語的にも熱い展開となっています。
アクション的には、一人対複数のアクションで、まずは、その辺に墜ちていた眺めの棒を手に取っての大立ち回りから始まり、
中盤は、それまで何度となく登場していた二本の長めのステッキのような武器を取り出して、ブルンブルンと振り回しながら起用に敵に攻撃を加えていく、
という、恐らくブルース・リーで言うところのヌンチャクのような派手さを伴う武器を使用したアクションへと続き、
そしてラストは、いよいよ素手でのアクションへと入っていきます。
このアクションも非常に素晴らしく、現在主流になっているような激しいカット割りとワイヤーで吊られまくりで、キャストはほとんど何もしない、
というようなアクションではなく、ジュディ自身が複雑で困難な殺陣を連続でこなしていきます。
カットを割らずに結構な長回しで撮影されているので、一つ一つのアクションもの動きも、それに見合った動きが必要となりますが、
本作のラストで魅せる連続回し蹴りの痛快さは凄まじく、女性アクションスターで、ここまでしっかりアクションをこなせる人も少ないのではないでしょうか。
物凄く痛快です。
で、なんとか先に将軍を先に脱出させたものの、ジュディは激闘の中、敵のリーダーによって、犠牲になった仲間の死を知ることになります。
ここへ来て、ジュディは怒りは頂点に達し、敵意がストレートに敵兵に向けられます。
銃を構えた無数の兵士を従えた帝国軍将軍、雷がジュディに言います。
雷将軍『反逆者小玉!投降しろ!そこに跪け!売国奴!』
ジュデイ『、、、、、、、、。』
『、、、、、、、、。』
雷将軍『そこに跪くんだ!!』
ジュディ『、、、、、、、。』
雷将軍『そこへ、、、、。』
ジュデイ『跪くのは、、、、』
ジュディ『お前の方だぁぁぁぁぁぁ!』
という事で、ジュディ・リーの痛快ぶりが満載のカンフーアクション作品となっていますので、機会がありましたら是非ご鑑賞ください。
作品情報
1973年製作 香港・台湾製作 カンフーアクション
監督・製作 ピーター・ヤン 製作総指揮 フィリップ・コー
出演 ジュディ・リー、ピーター・ヤン、フィリップ・コー
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