カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
(カンフーキッド)でお馴染みのトリオに、さらに3人のキッズが加わったハートウォーミングコメディアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、日本でも劇場公開し大ヒットした(カンフーキッド)と同系列のシリーズ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
各地で犯罪を犯して刑務所に入れられたヤン、ワン、ピン、タウ、シャオ、ポケットの6人の子供達は、そこに新しく入ってきた詐欺師の男ローパと出会い、
凶悪な囚人にからまれていたところを助けてやるのだった。
出所後、行動を共にすることになった6人の子供と大人一人は、職探しの時に知り合ったおばちゃんとも仲良くなり、家族として暮らすことになるが、
そこに刑務所で同房だった凶悪な脱獄囚が襲い掛かってくるのだった!?
お馴染みの腕っぷしの強い子供達が活躍する(カンフーキッド)(詳しくはこちら)(カンフーキッド続集)(詳しくはこちら)系列の人気シリーズ作品です。
日本でも劇場公開され大ヒットした(カンフーキッド)シリーズの一作ではありますが、製作年度は(カンフーキッド)の前年に製作された作品ですので、
どちらかというと(カンフーキッド)の原型となったようなキッズカンフー作品です。
監督は、翌年の(カンフーキッド)の監督も務めることになる、(悪漢列伝)(詳しくはこちら)や、ジャッキー・チェン主演の(炎の大捜査線)などのジュ・イェンピンで、
いつものように、本作でも、娯楽感の強いお祭り喜劇を演出しています。
で、主演は勿論、翌年の(カンフーキッド)やホウ・シャオシェン監督の(トントンの夏休み)等に出演しているイェン・セイコウや、
ジョン・ウー製作の(南京1937)や名作の続編風活劇(精武風雲)等に出演しているツオ・シャオフー、
ニッキー・ウー主演の(遊侠儿)等に出演しているチン・ソンロンという、その後大活躍するお馴染みのトリオに、
(ドラゴン醉太極拳)(詳しくはこちら)でユエン・シンイーの息子役を演じていたチャン・シュン等を加えた6名の子供達が、大人っぽいドラマで大活躍していきます。
で、子供達だけでは、流石に幼過ぎてドラマが進みませんので、中盤以降の物語を引っ張っていく詐欺師役で、
ジャッキー・チェン主演の(ドラゴン特攻隊)やジョン・ウー製作のゴーストコメディ(ゴーストバスティン)(詳しくはこちら)等のデビッド・タオが登場し、
最後までヒゲモジャスタイルですが、コミカルな演技で実質的な主人公として物語を引っ張っていきます。
で、職探し中に知り合い、その後仲良くなって、お母さんのような存在になっていく、言わばヒロイン役で、
1950年代からテレビや映画で活躍し、映画作品ではブリジット・リン主演の(中国女兵)や、エリック・ツァン主演の(大頭兵出撃)等に出演している、チャン・シャオインが出演し、
物語のズッコケ要素とドラマ要素、両方から盛り上げていきます。
という、にぎやかなスタッフ・キャストで製作された本作は、主演の6人が、それぞれ、色んな場所で悪さを働き別々に収監されて、同じ房で出会う所から始まります。
この辺の複数の個性的なキャラクターが刑務所で知り合って意気投合し、仲間として行動していく展開は、
(アマゾネスコマンドー)(詳しくはこちら)や、ジャッキー・チェン、サモ・ハン、アンディ・ラウ等が集う(炎の大捜査線)等
ジュ・イェンピン監督のお馴染みの展開ですが、その絶対に大人しかありえない刑務所もの展開を、元気なキッズが演じる、
というファンタジー的な部分が、本作の、言わば(カンフーキッド)シリーズ全体の魅力となっています。
ただ、シリーズが進むにつれて子供達も成長していきますので、大人並みの活躍をしてもおかしくないぐらいになっていきますので、
ファンタジー的な意味合いでは、原型となった本作が一番、ありえない展開で、逆に言うと、そういう魅力に満ちた作品となっています。
メインの物語としては、各地で悪さをはたらいて刑務所に入れられ、そこで出会った子供達が、皆で大人二人の恋のキューピッドになろうと奮闘する、というズッコケ大作戦が描かれていきます。
出所後は、細かいストーリー等は、ほとんど無く、この子供6人と大人2人が、ドタバタやっている日々が描かれていきますが、
このハートウォーミング展開が、非常に雰囲気が良く、子供達の自然体な好演も伴って、
ずっと物語自体は停滞し続けているのに、意外に飽きることなく、後半まで観続ける事ができる、
という娯楽優先の台湾映画らしい流れとなっていきます。
ただ、子供たちの活躍は魅力的なのですが、関係が前進しそうで、一向に進まない大人二人の恋愛事情の方は、
流石に引っ張りに引っ張り過ぎなので、クライマックスに待っている脱獄囚たちとのラストバトルにもう少し早めに行ってしまった方が楽しめたような気がするのですが、どうでしょうか。
アクション自体は、まだまだカンフーキャストでもあるイェン・セイコウとツオ・シャオフーの二人のアクションも発展途上中という感じで、
ソフトなアクションが多く、そのアクションの合間に他のキッズが暴れまわる、という流れがメインですが、
本作でも、大人のスタントマン達の活躍で、キッズのカワイイアクションに大人のリアクションで、壮絶に吹っ飛ぶ、
というお馴染みのアクションは健在ですので、アクションシーンもしっかりと楽しめるようになっています。
という事で、アクション性は後に続く(カンフーキッド)には及びませんが、6人の子供達の魅力とハートウォーミングな物語で
観終わった後に、ほっこりとできる未公開ながらも秀作となっていますので、(カンフーキッド)好きの方等や、
台湾系キッズムービー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1985年製作 台湾製作 コメディアクション
監督 ジュ・イェンピン 製作 シュー・フォン
出演 イェン・セイコウ、ツオ・シャオフー、チン・ソンロン、デビッド・ウー、チャン・シャオイン、ポール・チャン、チャン・シュン
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