カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
日本でも大ヒットし、その後シリーズ化もされたカンフー自慢の3人の子供たちが大人相手に大立ち回りを魅せる現代カンフーアクション!!
作品紹介
1987年2月14日公開
今回ご紹介するのは、公開当時大変話題になったカンフーキッズが活躍する現代カンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ロン・チン・ポンの3兄弟は田舎の山奥で厳しい祖父と4人で暮らしていたが、ある日、誤って祖父の大事にしていた鳥を逃がしてしまう。
叱られる事を恐れた3人は、そのまま家出し、祖母の棲む大都会へと旅立つのだった!?
街で偶然、闇組織の人間と知り合った3人は、意味も解らずに組織の一員として闇取引を任される事になるが、、、。
日本でも劇場公開当時大ヒットした台湾お得意のちびっこが大活躍するカンフーアクション作品です。
1987年といえば、まだ二本立て公開、というロードショー形式が残っていた時期で、本作も邦画の(スケバン刑事)の併映作品として公開されました。
(スケバン刑事)も大人気テレビシリーズの映画版という事で、かなり人気がありましたので、正直その人気のおかげ、というところも大きいとは思われますが、
一応、台湾で一番人気だった本作のシリーズ作が5本、日本でもビデオリリースされました(続集のみ劇場でも公開)ので、
やはり人気は高かったのではないでしょうか。(実際は未公開のシリーズ作が後2本あります)
という事で、当時日本でも台湾でも人気のちびっこカンフーが楽しめる本作ですが、主演の3人は長兄役には少年時代には本作のシリーズ作品等で活躍し、
大人になってからは、日本と台湾の合作で水野美紀主演の(現実の続き夢の終わり)や、テレビシリーズ(牛頭2)、そして三池崇士監督の(初恋)等で活躍しているイェン・セイコー。
大人になって割と気合の入った世界にも足を踏み入れてしまって、色々あったようですが、近年復活し、俳優として、書道家として活躍しているようです。
次男役は、子役時代には本作のシリーズ作品に出演し、大人になってからは香港・中国・台湾・日本との合作(南京1937)や、
ドニー・イェンが少しだけ出演していた(ヒートHEAT)等に出演している、ツオ・シャオフー。
大人になってからは、俳優としてよりも、製作側での活躍が目立っているようです。
そして、三男役には愛嬌のある役柄を好演していたチン・ソンロン。
本作のシリーズ作品等で活躍した後は、一般人として暮らしているようで、体型を数倍大きくしながら元気に暮らしているようです。
そして、おじいちゃん役にはジャッキー・チェンの(クレージーモンキー笑拳)や(ジャッキー・チェンの醒拳)(詳しくはこちら)等、
多くのカンフー映画の師匠役等で大活躍しているベテラン、チェン・ウェイローが脇を固めてアクションシーンを盛り上げています。
そんな本作の物語は至ってシンプルです。
人里離れた山奥で暮らす3人のカンフー自慢の子供たちが、一緒に暮らす祖父の小鳥を誤って逃がしてしまい、
助けを求めて祖母の暮らす大都会に旅に出る、というカルチャーギャップロードムービーで、その旅の過程で超絶カンフーアクションを披露していく、
という流れになっています。
物語や、カルチャーギャップな笑いの要素はさておき、やはり注目はキッズが繰り出す超絶アクションの数々で、
前半の祖父と暮らす大きめの家での建物の上下を上手く使った立体的なアクションの数々(日々の生活の一つ一つにカンフーの訓練要素を加える、というカンフー映画のお約束要素あり)や、
都会に出てからのデパートや街中で繰り広げられる超絶アクションの数々、
成り行きで強盗団の仲間になる事になってしまい、そのままトラブルに発展して披露するアクションの数々、
そして、祖母と合流後に、妹を強盗団に誘拐されてしまってからの、救出ラストバトル等、
全編超絶アクションの連続で、アクションに関しては、アクションシーンがそのまま、全て見所といっても過言ではないぐらいに名シーンの数々となっています。
ただ、おそらくアクションをメインで考えられている物語なので、カルチャーギャップ以外の要素がほとんど無く、
割と長い間ギャップ頼りな展開が多いので、中盤はギャップの連続の合間にアクションが入る、という流れで、
肝心のおばあちゃんクエストが全く進まずに、停滞したまま、たまたま歩いていたら耳慣れた小鳥のさえずりを耳にし、
そのままつられていくとゴール(おばあちゃんの家)にいきなり着いてしまう、という急激な展開ですので、色々ドタバタがありますが、
経験を積んで色んな苦難を乗り越えて目的に着く、というよりもやりたい放題楽しくやっていたら、なんとなくおばあちゃんに会えた、という印象の残る物語となっています。
もう少し、主演3人に色んなドラマがあれば、色々と盛り上がりそうですが、恐らくそうなるとアクションが極端に減ってしまうので、
アクションをメインで物語を作っていくとこうなった、という感じだと思われますので、少し単調ですが、これはこれで目的がしっかりしているので良いのではないでしょうか。
最近の中国作品のようにカンフー映画なのにカンフーシーンをほとんど描かないような作品に比べると、
本作のような潔い目的のはっきりした作品の方が数倍娯楽映画として楽しめるのではないでしょうか。
という事で、主演3人(実際凄いのは2人ですが)のアクションは、目を見張る、魅せるアクションの連続となっていますので、
カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
やっぱり本物のアクションは良いですね!
作品情報
1986年製作 台湾製作 カンフーアクション
監督 ジュ・イェンピン、チャン・メイチュン 製作 シー・フォン
出演 イェン・セイコー、ツオ・シャオフー、チン・ソンロン、チェン・ウェイロー
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