おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
(スターウォーズ)のマーク・ハミル、(エイリアン2)のビル・パクストン主演、(トロン)のスティーヴン・リズバーガー監督による、文明が崩壊後の大風吹き荒れる地球を舞台に繰り広げられるSFアクション!!
作品紹介
1989年3月4日公開
今回ご紹介する作品は、熟練のSF映画のスタッフ・キャストが結集したアクション作品です。
それでは、あずはあらすじから、
大気の変化によって、大風に乗って飛行機で飛ぶことだけが交通手段となった未来の地球、殺人犯の賞金首バイロンを捕らえた警察官タスカーは、
護送中に訪れた街で、マットという名のコソ泥にバイロンを連れ去られてしまう。
賞金の横取りを狙ったマットだったが、タスカーの執拗な追跡に追い詰められてしまうのだった!?
(スターウォーズ)のマーク・ハミルが出演したSFアクション作品です。
監督は、本格的なCGを劇映画に初導入した歴史的傑作(トロン)の監督として知られるスティーヴン・リズバーガーで、
そのSFマインド溢れる世界観は、本作でも発揮されています。
製作は(スターウォーズ)や(アメリカングラフィティ)等初期のジョージ・ルーカス作品を製作していたゲイリー・カーツで、
(オズ)や(ダーククリスタル)等、SF作品も多く手掛けています。
脚本は、後に(ドラゴンハート)等を担当する事になるチャールズ・エドワード・ポーグで、文明崩壊後の地球を舞台に、
大風に乗って飛行機を操る主人公達の物語、という、どこか(ドラゴンハート)にも通じるような独特な世界観を創り出しています。
で、実質的な主演は、(エイリアン2)や(ニアダーク月夜の出来事)、(プレデター2)、(モノリス)(ツイスター)等、
SFジャンルを含めた多くの娯楽駅作品に出演し続けたビル・パクストンで、主役、脇役どちらでもこなす芸達者ぶりが本作でも堪能できます。
で、そんなビルを追う側として(スターウォーズ)主演後も、(ガイバー)や(EXエグザイル)(詳しくはこちら)、(光る眼)等、
SF系の作品への出演の多かったマーク・ハミルで、本作では(スターウォーズ)シリーズとは打って変わって、
目的のためなら、他人の命も気にしない冷酷な警察官を渋めに好演しています。
で、そんなマーク・ハミルが追っている賞金首で、不思議な力を持つ男を演じているのが、(キッチントト)や(サバイビングピカソ)、(フェアリーテイル)等の
ドラマ系作品で有名なボブ・ペックで、作品のキーマンとしてかなりの存在感を残しています。
そんなSF系作品の熟練スタッフとキャストが集結した本作の物語の舞台は、文明崩壊後の地球で、
大気の変動によって、大風が吹き荒れる中、少数の生き残りの人間達は、各地でまた新たな文明を築き始めている、という(マッドマックス2)のような世界観で始まります。
で、その時代の警察官であるマーク・ハミル(以外が作中に登場しないので実際にはどんな規模の組織なのか良く分かりませんが、、、)が、
殺人容疑のかかっているボブ・ペックを捕らえ、ある街に辿り着くところから本題に入って行きます。
そこは、色んな人々で賑わっていて、飲食店などもありますが、食事のメニューは、リスやウサギ、という、やはり今とは違う食文化で、時代の違いを感じさせます。
ただ、邦題タイトルが(風の惑星)という事で、(スタートレック)等の人類が完全に宇宙へと生活の場所を移した時代の物語を想像しますが、
あくまで地球内だけの物語ですので、荒くれ酒場は登場しても、宇宙人等は一切登場しない世界観となっています。
なんとなく、マーク・ハミルとビル・パクストンがいると、異形のエイリアンが登場しそうですが、そうはならないところが、本作の特徴となっています。
ですので、飛行機は何度となく登場し、風に乗って飛びますが、宇宙へ飛んでいく事はありません。
監督や製作者、出演者から宇宙が舞台のSF作品を想像しがちですが、脚本家が本作の物語を創造した時代は、(マッドマックス)シリーズが大ヒットを記録している時期で、
そういう世界観を目指して本作の物語を執筆したそうですので、SFはSFでも文明崩壊後の近未来の地球をイメージして創造された作品となっています。
で、逮捕され連行されているミステリアスなボブ・ペックも、やたらと病気を治したり、故障した機械を治したり、
と色んな力を発揮しますが、そういう力を持っている理由は実は、、、、という感じで、近未来SF的な要素が加えられていきます。
このミステリアス賞金首ボブ・ペックが、街でゴロついていたビル・パクストンに攫われて、そのまま賞金をせしめるために逃げ去される、
という所から本作のメイン展開に突入していきます。
ですので、メインとしては(スターウォーズ)のような大宇宙を舞台にバトルを展開するのではなく、あくまでこの逃げるコソ泥と賞金首のバディと、
それを追う警察官バディ二人の二組のバディのチェイスを描いた物語となっています。
で、この追う側のマーク・ハミルが、警察官という事で、悪を憎む善人だと思いきや、
実は、悪を倒すためなら、善人の命もどうでも良い、というダーティハリーのさらにもっと上を行くダーティ・ハミルぶりで、
中盤以降は、完全にただの悪人にしか見えなくなってしまいます。
で、逆に殺人犯の賞金首という登場の仕方から、物語が進むに連れて、そんなに悪人には見えないボブの方が、良いイメージを担っていく事になります。
中盤以降は、この悪人に見えないボブとビルの友情物語がメインとなっていきますので、クライマックスに繋がる重要な見せ場となっていきます。
ただ、この楽しかった二組のチェイス展開、中盤以降になると、急激に様子が変わっていきます。
逃げる側のチームは、途中で会った女性も含めて、文明崩壊前の状況を少し残す、ある場所へと辿り着くのですが、
そこに着くなり、ボブとその女性のラブロマンス展開と、その残された文明にすがるグループとのいざこざ等、
それまでの流れとは違ったテーマの物語へと突入してしまい、前半とはまるで違う物語へと様変わりしてしまいます。
ボブの正体も含めて、そこで描かれるテーマは重要だったのかもしれませんが、ボブが、フレッド・アステアのステップを踏んでみたり、
上機嫌で、皆でダンスを踊るシーン、ビルがお気に入りの女性とベッドインするシーン等が、割とゆったりと描かれますので、
どうしてもそれまでのチェイス展開との落差に大渋滞に巻き込まれている、ぐらいに時間の経過が遅く感じてしまいます。
もう、そうなってくると、その流れを変えてくれるのは、暫く姿を見なくなってりしまっているダーティ・ハミルのみで、
ビルとボブの幸せが絶頂期ぐらいで、いよいよ登場し、ダーテイぶりを発揮してくれます。
で、ついにダーティ・ハミルとボブ(ビルは怪我して動けません、、)の一騎打ち、という事で、突然クライマックスへと突入していきます。
かなり唐突で、しかも飛行機内にボブが乗り込んで行ってダーティと掴み合いの喧嘩バトルを繰り広げる、
というイマイチ盛り上がりに欠けるラストバトルではありますが、SFアクション作品のクライマックスとしては異質な内容とはなっていますので、貴重な展開の作品と言えるかもしれません。
通して鑑賞してみると、宇宙のどこかの惑星の物語かと思いきや実は地球だったり、飛行シーンは多いけれども結局追う側と追われる側が同時に映るチェイスバトルがなかったり、
戦闘シーンもほとんど存在しない、というより、争い事がほとんど起こらないので、よく考えてみるとアクション映画というよりロードムービーに近かったり、
と、恐らく多くの人が、思っていた内容と違う、と感じてしまう面も多々ある作品だとは思われますが、
エルマー・バーンスタインの勇壮なBGMに乗って飛行機が風に乗っているシーンや、
壮大な自然を背景にした多くのシーンは、新鮮に楽しめるシーンも多い作品となっていますので、近未来を舞台にした作品好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに、本作イギリスで劇場公開された際に評判があまりふるわなかったようで、アメリカでは劇場公開されずにVHSスルーになる、という不遇な作品となっているようです、、。
作品情報
1989年製作 イギリス製作 SFアクション
監督・脚本 スティーヴン・リズバーガー 製作 ゲイリー・カーツ 音楽 エルマー・バーンスタイン 特殊効果 ブライアン・ジョンソン
出演 マーク・ハミル、ビル・パクストン、ボブ・ぺック、ベン・キングズレー、キティ・オルドリッジ
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