おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
ジュリアン・サンズが300年の時を越えて、過去から現代にやってきた悪の魔術師ワーロックを演じた人気ファンタジックホラーアクションシリーズ第一弾!!
作品紹介
1990年5月11日公開
今回ご紹介する作品は、ジュリアン・サンズが悪の魔術師を演じる人気シリーズの第一弾です。
それでは、まずはあらすじから、
17世紀ボストン、悪魔と契約し、人々を惑わした罪で投獄されたワーロックが、今まさに処刑されようとしていた。
魔術師ハンター、レッドファーンも、様子を伺いに来ていたが、処刑寸前に、悪魔の力によって時空が歪み、
ワーロックはその渦に飲み込まれていき、レッドファーンも後に続く。
そして、300年後のロサンゼルスに降り立ったワーロックは、悪魔を復活させるために別々に3つに保管されている悪の聖典を求めて動き出す。
その直後に到着したレッドファーンは、ワーロックに呪いをかけられた女性カサンドラと共に、ワーロックの野望を阻止するために追跡を開始するのだった!?
先日亡くなられたジュリアン・サンズが魅力的な悪の魔術師を演じた人気シリーズの第一弾です。
監督は(13日の金曜日)の2作目と3作目や、(デイ・オブ・ザ・デッド)、(ハロウィンH20)等のホラーシリーズの名手スティーブ・マイナーで、
ホラーっぽさとテンポの良いアクション演出の融合で、ぐいぐいと作品世界を引っ張ってきます。
脚本は(グランドツアー)(詳しくはこちら)や(リディック)シリーズの監督としても知られるデビッド・トゥーヒーで、
娯楽派らしい小気味良いアクションの連続で、テンポの良い物語を描いています。
主演は勿論(眺めの良い部屋)、(アラクノフォビア)、(メダリオン)、(オーシャンズ13)等の名優ジュリアン・サンズで、
その美しく悪魔的な魅力を持ちながらも、どこか人間味もある独特なキャラクターを唯一無二の存在感で演じています。
そして、ジュリアン・サンズを追うのは、(愛と野望のナイル)や(ハドソンホーク)(ドラキュラ)等話題作、
近年でも(ある女流作家の罪と罰)、(ローガン)等多くの作品で活躍し続けているリチャード・E・グラントで、
若々しい魅力で、悪の魔術師との戦いを繰り広げていきます。
で、騒動に巻き込まれるヒロイン役で、(フットルース)のヒロイン役や、(コードネームはファルコン)、(ショートカッツ)等のロリ・シンガーで、
中盤まで老けメイクも披露し大活躍しています。
因みに(V)シリーズのマーク・シンガーはお兄さんで、監督のブライアン・シンガーは従兄弟です。
という、人気・実力兼ね備えたスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、17世紀のボストンで、悪魔と契約を交わして人々を惑わした邪悪な魔術師ワーロックが捕まり、
ついに処刑される前日、という状況から始まります。
しかし、当日ワーロックが処刑される寸前に、悪魔の助力によって、時空が歪みワーロックは、悪魔狩りの名手レッドファーンと共に飲み込まれてしまいます。
で、辿り着いた先が、300年後のロサンゼルスで、偶然その地に住んでいた男女の住人に救われる事になります。
で、ワーロックは時空を越えてやって来たお友達ではなく、世界を滅亡に導こうとする悪の魔術師ですので、
割と早い目に、助けてくれた男性を瞬殺し、女性カサンドラは若さを奪われる呪いをかけられてしまいます。
で、そんな緊迫した状況で、ワーロックと同じく300年前から悪魔狩りの名手レッドファーンが、ワーロックの後を追って現れます。
で、自身に呪いがかけられ、1日で20歳分歳を取ってしまう、という危機的な状況を理解したカサンドラは、
世界を破滅させるために必要な3つに分かれた聖典の二つまでを手にしてしまっているワーロックの野望を阻止するため、
最後の1つを奪われないようにワーロックを追う旅に出る、という流れで本題に入っていきます。
で、メインは物凄いパワーを持った別の時代からの悪の来訪者と、その存在を追って同じく別時代からやってきた正義の使者、
そしてその正義の使者を手助けする現代の女性という事で、どう見ても(ターミネーター)の影響が製作年度的にも非常大きい内容となっています。
ただ、(ターミネーター)でのシュワルツェネッガーの存在感とキャラクターが作品の大きな魅力となっていたように、
本作でも、それまでドラマ系作品などで、スマートな魅力が売りだったジュリアン・サンズの悪の魔術師役は非常に新鮮で、
整った清涼感のある外見と存在感の悪人、という本来のイメージを逆手に取ったような配役が、(ターミネーター)とはまた違った魅力を放つ、ダークヒーロー像を創り出しています。
本作の作品としての魅力は、そのまま、このジュリアン・サンズのキャラクターの魅力と言っても良いぐらいの存在感を放っています。
対するリチャード・E・グラントの、良い意味で現代とは少しズレたキャラクター像が、名演を伴って、異なる時代から突然現れた来訪者としての魅力を放っています。
本作に出演した時期は、まだ舞台俳優から映画作品出演への転換期だったようですが、その後、現在まで続く大活躍ぶりが、その実力の深さを物語っています。
また、スティーブ・マイナー監督とデビッド・トゥーヒーが創り出した、細かい説明を排除して、
とにかくテンポ良くチェイス展開を見せていく描き方は、非常に良い意味でのB級作品の王道を一直線に進んでいるようで、非常に見ごたえがあり、当時の製作者たちの勢いを感じる事ができます。
ただ、本作1988年に完成しアメリカ以外の各国で公開で来たようですが、製作元の二ューワールドピクチャーズの財政難によって肝心のアメリカでの配給のめどが立たずに、
3年後の1991年になってアメリカでもようやく公開された、というちょっと不遇な公開のされ方をしたようです。(日本公開は1990年なので、結果的に日本先行公開)
しかし、公開されると好評だったようで、1993年にはアンソニー・ヒコックスが監督し、ジュリアン・サンズ続投で、続編(ザ・ハルマゲドン/ワーロックリターンズ)が製作されましたが、
こちらは物語上の続きではなく、同じ主演のジュリアン・サンズが違う世界観のワーロック役を演じている、新しい物語となっています。
因みに1995年にスーパーファミコンソフトが(ウォーロック)のタイトルで発売されましたが、このゲームは1作目のゲーム化ではなく、
1993年に製作された続編の方を基にしていますので、ゲーム自体も1作目との関連はワーロックが主人公という事以外はほとんど関連性のない内容となっています。
その後1998年にはシリーズ三作目、(ワーロック/ジ・エンド・オブ・ミレニアム)も製作されましたが、
そちらはついにジュリアン・サンズも登場しなくなり、日本とアメリカ共にビデオスルーで、物語も直接的な続編ではなくなってしまいました。
因みに本作小説化や2009年には、コミックシリーズ化もされていて、キャラクター自身は凄く人気があったようで、
映画版でやむを得ずカットしたエピソード等も復活しているようですが、ジュリアン・サンズの肖像権は獲得できなかったようで、
映画版のジュリアン・サンズに似た別人、という設定のようです。大人の事情ですね、、。
という事で、その後色々と展開されていった人気シリーズの第一弾で、非常に勢いのある作品となっていますので、
ホラー映画好きの方や、SFアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1989年製作 アメリカ製作 SFアクション
監督・製作 スティーブ・マイナー 製作総指揮 アーノルド・コぺルソン 脚本 デビッド・トゥーヒー 音楽 ジェリー・ゴールドスミス
出演 ジュリアン・サンズ、リチャード・E・グラント、ロリー・シンガー
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