おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
フランスのオシャレな街を舞台に、カップルの揉め事に、何気にしゃしゃり出たセガールが、彼氏をその場で射殺した事で、その父親であるマフィアに狙われつつも、さらに助けた美女の口車に乗って大金まで横取りする、セガールが出ずっぱりな正真正銘の主演犯罪アクション!!


作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、フランスを舞台にセガールがマフィアの裏金をネコババする作品です。
それではまずはあらすじから、
元麻薬取締局捜査官デッカーは、フランス・パリで、ある夜男性に暴力を振るわれている女性を救うが、男の方が銃で襲ってきたために咄嗟に射殺してしまう。
しかし、この男は、実は麻薬王の息子で、さらに男のトランクに隠されていた組織の資金をデッカーとリサが持ち逃げしたために、二人は組織から命を狙われる事になるのだった!!

監督は、(沈黙の制裁)(詳しくはこちら)や(沈黙の逆襲)(詳しくはこちら)等、セガールの出演シーンの少なさを誤魔化す術に世界一長けた、
ある意味職人監督なキオニ・ワックスマンで、本作では珍しく出演シーンの多いセガール映画を演出しています。


主演は勿論、(沈黙のアフガン)(詳しくはこちら)や(沈黙の激戦)(詳しくはこちら)と同時期のスティーヴン・セガールで、
この時期の作品の中では珍しく出演シーンも多く、時折笑顔まで見せるキャラクターを演じています。



宿敵となるマフィアのボス格の男役で、(キリングサラザール 沈黙の作戦)(詳しくはこちら)や(コッポラの胡蝶の夢)等の
フローリン・ピエルジク・Jr.が登場し、セガールと対峙して行きます。



で、セガールを惑わす美女役で、(Paris Christmas Waltz)や(ネバーランド)等のジェイド・ユエンが登場し、セガールを虜にさせて行きます。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、フランスの街を何気に車で流していたセガールが、
車を駐車したちょっとした広場で、あるカップルが揉め事を起こしている現場に直面するシーンから始まります。



勿論セガールなので、美女が暴力を受けていたら、当然シャシャリ出て行きますので、割り込んで行って、俺が家まで送ると無茶苦茶言い出します。

そうなると当然彼氏の怒りの矛先も、セガールの方に向きますので、速攻で格闘、、、、、に入るや否や、例によってセガールは、
彼氏の腕を締め上げて放り投げてしまいます。



で、これにさらにキレた彼氏は、銃を発砲し、

セガールも速攻で応戦、、、、、、、、、

、、、、、するなり、正面から銃弾を浴びせてあっという間に、1人の若者の命を奪ってしまいます、、、、。


ここまでで上映開始から4分、ここで、本作タイトルの(END OF A GUN)が表示される、というセガール作品史上最速ぐらいで、人の死と物語の発端を描く、
という非常にタイトでスポーティな導入シーンですが、この冒頭のシーンでセガール作品好きの方は直ぐにある事に気付くと思われます。

そうです、冒頭のたった4分だけで分かりますが、この作品、この時期のセガール作品としては珍しく結構な割合でセガールの登場シーンが存在します。
主演なので、本来は当たり前ですが、、、、。

その後も、出ずっぱりのセガールの登場シーンは続き、正当防衛ながらも、一旦警察に事情聴取のために連れて行かれたセガールは、
友人の刑事に調書へのサインを求められて、

『それにサインしてしまうと、潜入捜査中の自分の任務が全て台無しになってしまうので、サインはできない。』
というわがままを突き通しますが、特に上司に連絡したりすることもなく、結局なんとなく銃を没収されて、なんとなくサインしてその場を後にします。

一応、身分は元麻薬捜査局の職員で、罪を着せられて~等といつもと同じような尾ひれがついてますが、
要するに、
ワケアリの凄い(ヤバい)ヤツ
という、設定のようです。

で、アメリカ人が自分が所有している銃で、フランスでフランス人を射殺する、という大問題になりそうな大事件ながらも、なんとなく、さっさと自由になったセガールは、
明るいオープンカフェで、お茶していたら、黒いドレスを着た助けた美女リサ(ジェイド・ユエン)がやってきて、
マフィアである彼氏が車のトランクの下に隠していた、組織の資金200万ユーロのネコババ大作戦を持ちかけられます。



本来用心深い性格のようですが、美女の誘いを断る事ができないセガールは、初対面の美女のネコババ作戦にまんまと乗ってしまいます。
普通の人は、初対面の人のそんな申し出は断りますが、、、。


で、事件関係の証拠物件である車両が補完されている駐車場に夜中に忍び込むために時間が出来たセガールは、
それまでの時間を潰すために、勿論美女を自室に連れ込み、
いつものように、
美女は裸(もしくは薄着)、セガールが分厚い長そでを着込んだまま
という独特のラブシーンをこなし、いよいよネコババ大作戦を開始します。



で、
ロングコートみたいな変な丈のスーツに、リュックサック
という、独特のミッション衣装を着こんだセガールは、


結局作戦自体は、計画も実行もセガール一人でこなしますので、侵入経路を事前に調べて侵入、
ゆっくり、のそのそと歩きながら


途中扉を施錠している南京錠を、ゴツいチェーンカッターでバキッと切り、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、

結局、警備員に見つかってしまったので、正面から襲い掛かって投げ飛ばして気絶させていきます。

で、結局ほぼ正面突破で、車のトランクの大金をゲットします。


一方、息子を亡き者にされたマフィアのボスは勿論激怒し、一番の部下であるゲージ(フローリン・ピエルジク・Jr.)に指示を出し、
息子の命を奪った犯人の捜索と、行方不明になった大金の回収を命じます。

で、セガールの存在を突き止めたゲージですが、同時に大金も奪われている事も発覚し、一緒に行動しているリサの痕跡から後を追跡します。

で、大金を手にしたセガールは、勝手に取り分を折半と決めつけて半分を自分のバッグに入れて朝ごはんを買いに出かけます。

で、カフェで恐らくサンドイッチ的な食べ物を購入したセガールは、リサの待つホテルへと帰ると、怪しい男たちを発見したので速攻で一人を射殺、
他の男たちにも致命傷を与えて、リーダーであるゲージもそのまま射殺しようとしますが、残念ながらゲージの逃げ足の方が一歩早く、リサを人質に取られたまま逃がしてしまいます。



で、リサと引き換えに大金の返還を求められたセガールは、かつての友人刑事と共にゲージ相手に戦いを挑む、、、、、というのが、大体の大筋となっています。


セガールが、お抱え監督であるキオニ・ワックスマンの(沈黙の激戦)(キリングサラザール沈黙の作戦)に次ぐ最後の三連作となった一作です。
もう、これが最後のコラボレーションという事が決定していたのか、本作ではいつものような主人公となる相棒キャラクターに物語を進めさせておいて
自分は大して画面に登場せずに良い所取りな活躍を見せるなんちゃって主役での出演ではなく、本当に出ずっぱり(当たり前ですが)の主演映画となっています。
そうは言っても、後ろ姿などは相変わらずスタントダブルが多いですが、、、。

セガールも機嫌が良かったのか、共演者のジェイド・ユエンの愛想が良かったのか、時折おどけた表情も見せるリラックスさも感じさせつつフランスを舞台にした軽い犯罪ドラマを描いています。

恐らく本来は、映像やオシャレっぽいBGMで、イケてる男女の軽い騙し合いの犯罪ドラマ、ぐらいのイメージの世界観になるはずが
セガールがいつも以上に、どっしりとした存在感をど真ん中で発揮しているために、強引にセガールの進みたい方向に進められてしまう
軽いのか重いのか、イマイチ中途半端な犯罪アクションとなっています。

軽さやオシャレを求めるならセガールの出ずっぱりが、逆効果になってしまっていますし、重厚な犯罪ドラマを求めるなら、
ジェイド・ユエンのしたたかさが逆に過剰にも見えてしまいます。

要するにこの時期の威圧感MAXなセガールには、オシャレで軽い犯罪アクションの世界観は不釣り合い過ぎてイマイチ乗り切れない世界観となっています。



この世界観のぐらつきは、後半加速していき、クライマックス近辺のセガールの独白シーンで最高潮を迎えます。
セ『君のために危険を冒した。分かって欲しかったんだ。』
セ『世の中には悪人じゃない者もいる。まっとうな人間も。』

セ『金なんか欲しいわけじゃない。大事なのは名誉。』
セ『それは君にも伝わったはずだ。』
セ『人生で大切なのは、無条件で愛してくれる人の存在だ。』

という、美女への永遠の愛の告白に、その美女の返答は、

美女『来世で会いましょ。』
と一言だけ返して銃をセガールに向ける、というセガールの謎の独白と、美女のシビアな返しに、観ている側も、

『ん?永遠の愛とか、そういう物語だったかな?』
と感じる間もなく、エンディングで、
潜入捜査の事なんかすっかり忘れて大金持って国外逃亡するセガール

と、重症を負いながらも命がけでセガールを守ってくれた親友刑事との予想外に男だけの終幕のラストシーン、そして
美女ではない同乗者を見るセガールの不機嫌そうな表情
に、セガール作品のすったもんだ感が伺える作品となっています。

という事で、いつも以上にセガールの出演シーンは多いですが、かといって作品内容は結局ほとんど変わらない、ある意味安定感のあるセガール作品となっていますので、
セガール好きの方や、B級アクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。




作品情報
2016年製作 アメリカ製作 アクション
監督・脚本・製作総指揮 キオニ・ワックスマン 製作 スティーヴン・セガール
出演 スティーヴン・セガール、フローリン・ピエルジク・Jr、ジェイド・ユエン、ジョナサン・ローゼンタール、クラウディウ・ブレオント




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