おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
スティーヴン・セガール記念すべき映画初出演でまさかの主演デビューという大物ぶりを見せる痛快刑事アクション!!
作品紹介
1988年10月8日公開
今回ご紹介するのは、スティーヴン・セガールの記念すべき初主演作品です。
それでは、まずはあらすじから、
日本で武術を習い、その後CIAエージェントとして活躍したニコ・トスカー二は、現地での残虐な拷問に嫌気がさし、CIAを辞職した。
その後シカゴで、刑事となったニコは、得意の武術と戦闘能力を活かした捜査で犯罪者を検挙していくが、
麻薬の密売人を追い詰めるうちに、大きな陰謀に巻き込まれていくのだった!?
スチーブン・セガール(スティーヴン・セガール)の第一回主演作品です。
初出演で初主演、初原案、初製作、初脚本という物凄いデビュー作品です。
デビュー作品にも関わらず、すでにセガール節全開の作品となっています。
映画初出演という事は、つまりこの作品に関わっているほとんどのスタッフ・キャストがほぼ全員セガールの先輩です。
醸し出す雰囲気が、既に頂きから他者を余裕で見下ろしているような態度なので、惑わされがちですが、完全なルーキー、新人です。
恐らく、演じるニコ刑事役も、自然体というか、ほぼセガールそのままなのではないでしょうか。
そんなセガールの人となりをいきなり垣間見てしまうような、いきなりセガール無双がフルスロットルで炸裂する作品となっています。
監督は後のセガールの出世作(沈黙の戦艦)や、(逃亡者)等、アクション映画の監督としてヒット作を連発していく事になるアンドリュー・デイビス監督ですので、
しっかりとしたアクションと適度なドラマの融合が小気味良く、作品全体を盛り上げていきます。
そのドラマに答えるように今とは別人すぎる細身セガールの破壊力のあるアクションが炸裂しまくります。
80年代当時の格闘系のアクションと言えば、ジャン・クロード・ヴァンダム、ドルフ・ラングレンと共にアクション御三家として人気を博しましたが、
華麗な回し蹴りをキメ技に、見栄えの良いアクションを繰り出すヴァンダム、本物の空手家でモデル経験もある恵まれた体型から破壊力のある技を繰り出すハンサム、ドルフに対して、
合気道を中心とした本物のアクションを有無を言わせぬ迫力で押し切る、セガールという感じで、他の二人に比べて本物志向を売りにしていた時期の作品となります。
この時期は、良く走り、良く動き、よく笑う、という感じでアクションヒーローとしては申し分なく、また他の二人にはないような本気度のような魅力も兼ね備えていましたので、
悪党の腕をねじ上げて、そのまま『バキっ!』と骨を折ってしまうまで、やり過ぎるセガールの過剰な攻撃が、他のアクションヒーローでは味わえないような爽快感を与えてくれました。
後年、その自分で行うアクションは、ほとんど見れなくなり、ちょっと腕を回せば、敵が勝手に吹っ飛んでくれる、というエコアクションに様変わりしていまいましたので、
その容姿も含めたアクションの違いに衝撃を受けるデビュー作となっています。
因みに容姿で言えば細さもさることながら、ヘアスタイルがデビュー作にして一番寂しい、という後の特殊効果のようなヘアスタイルとはかなり印象が違っていて、
アクション(特に車の屋根にへばり付いてしばらく蛇行運転されるというアクション)シーンごとにオールバックのヘアスタイルの後ろにへばり付けている部分が、
ハラハラと乱れてきますので、観ている側もハラハラしてしまいます。
で、そんなセガール、ニコ刑事が、麻薬密売組織の陰謀に巻き込まれて、相棒の刑事の強力を得ながら巨悪に単身立ち向かっていくのですが、
俺様的な態度ではあっても、まだまだ相棒の存在も必要な時期ですので、セガールの世話係というか、猛獣管理人的な相棒としてブラックスプロイテーション作品で人気のパム・グリアが登場します。
パム・グリアも相当な無双ぶりで人気を博しましたが、そんなパム・グリアがサポート側に回って意外とセガールとの名コンビぶりを発揮しています。
いつも暴走しまくるセガールをちょっと引いたところから、ちゃんと見守っている、という感じです。
できれば、パム・グリアの無双アクションも見てみたかったところですが、本作に関しては徹底してサポート側を演じています。
で、さらに暴走しがちな猛獣セガールを、諫める立場の奥さん役で、(氷の微笑)でブレイクする前のシャロン・ストーンが登場してか弱い女性を演じています。
出番は多くはありませんが、その後演じた役柄のイメージで、常に強い女性を演じる事が多くなってしまいましたので、
本作のような普通のか弱い女性役は、今となっては貴重ではないでしょうか。
で、悪役には名優ヘンリー・シルバ、そしてバーでセガールに絡んで着る端役で、マイケル・ルーカー(声が特徴的なのですぐ分かります)等も登場する、
という、振り返ってみると後にブレイクする実力派キャストとスタッフが揃った作品となっています。
クライマックス近辺のアクションで、それほどセガールの無双ぶりが堪能できないのは少し残念ですが、
全体を通してテンポ良く、勢いの良い刑事アクションとなっていますので、セガールファンの方や、刑事アクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
やはりこの時期のセガールアクションは一味違いますね。(色々な意味で)
作品情報
1988年製作 アメリカ製作 刑事アクション
監督・製作・脚本 アンドリュー・デイビス 原案・製作・脚本 スティーヴン・セガール
出演 スティーヴン・セガール、パム・グリア、シャロン・ストーン、ヘンリー・シルバ、マイケル・ルーカー
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