おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
セガールとキオニ・ワックスマン監督の黄金コンビに、馴染みのバイロン・マンを助っ人に、ガイ・リッチー作品で有名なヴィニー・ジョーンズを敵役に迎えたいつも通りのアクション作!!
作品紹介
2015年2月21日公開
今回ご紹介する作品は、セガールがいつものようにお助けマンと共に悪漢と戦うアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ある出来事が原因で引退を決意した傭兵、アレクサンダーは、最後の任務としてCIA作戦担当のヴァン・ホーンから、
闇組織の男を暗殺するだけの簡単な任務を請け負うが、依頼を完遂後、組織に追われていた女性を助けた事で、本格的な戦いを強いられる事になるのだった!?
スティーヴン・セガールが、名コンビであるキオニ・ワックスマン監督と組んで同時期に製作した、(沈黙の処刑軍団)(詳しくはこちら)、(キリングサラザール沈黙の作戦)に次いで、
アレクサンダーを主人公としたシリーズの3作目になります。
ただ、役名がアレクサンダーというだけであって、それぞれに関連性は全くありません。
恐らく、名前の響きのカッコ良さが気に入ったのではないでしょうか。
で、3作目である本作の内容は、例によってキオニ・ワックスマンのセガールの拘束時間をできるだけ少なく、
後ろ姿は全て代役に任せる、という誤魔化し方の上手さと、セガール以外の機敏な動きのキャストのお助けシーンの多投によって、
セガール自体は、ドムドムと数歩動いているだけなのに、映画自体はテンポ良くスポーティに進む、という気軽に楽しめるB級作品となっています。
で、今回の敵役は、(スナッチ)や(ロックストック&トゥースモーキングバレルズ)等のガイ・リッチー作品出身のヴィニー・ジョーンズ(さらに同時期製作の沈黙の進撃でもセガールと共演)に、
さらに準ボスぐらいの位置に本物の格闘家でプロレスラー、第7代UFC世界ヘビー級王者で、映画作品には(マッドウォリアーズ頂上決戦)にも出演しているジョシュ・バーネットが登場し、
本格的な強敵ぶりでセガールの前に立ちはだかります。
で、セガールのお助けマンとして、実際に物語を動かしていくのは、チン・シュウトン監督の(沈黙の聖戦)(詳しくはこちら)や、
本作のキオニ・ワックスマン監督の(沈黙の鉄拳)等、セガール作品ではお馴染みとも言えるバイロン・マンが登場し、
目立ちすぎず、でも暫くは主役のように物語を牽引していく役柄で活躍していきます。
さらに、本作、バイロン・マンだけではセガールの早退をカバーしきれなかったのか、中盤以降しばらくの間、
助っ人マンの助っ人マンとして歌手、アーティストとして活動する傍ら、本作と同じキオニ・ワックスマン監督の非セガール作品(ザ・ハードウェイ)(詳しくはこちら)等にも出演している
コスミン・ドミンテが登場し、まさかのセガールそっちのけで、バイロン・マンとバディを組んで悪党組織を捜査していきます。
勿論、セガールが戻ってきたら、あっけなく退場していきますが、、、。
で、そこに、例によってセガール好みな金髪美女(セGIRLS)ヒロインとして、(ザ・ハードウェイ)にも出演している
セディーナ・ステチューが、終始全く表情に危機感を表す事なくセガールに守られていきます。
で、実際の物語ですが、これがアレクサンダー3作目にして息切れしたのか、かなり乱暴な物語展開で、
凄腕の傭兵でありながらも、引退を決意したセガールが、最後の仕事として馴染みのCIA作戦担当に、ある闇組織の男を暗殺する、という(セガールにしては)簡単な任務を依頼され、
助っ人マンのバイロン・マンと共に滞りなく任務を遂行するものの、仕事終わりに立ち寄ったバーで一人しっぽりと酒を飲んでいる所に、
たまたま同じ闇組織のボスが、趣味にしている美女の拷問ビデオ撮影中に犠牲者が逃げ出し、そのままセガールが一杯やっているテーブルに寄りかかり、
その後追ってきた組織員を、例によって想像を絶する程痛めつけたので、そのまま組織と揉める事になり、さらに、美女が保護を求めてきたので、
しょうがない感じ(実は嬉しいと思いますが)で、戦いを加熱させていく、という、、、
誰がどう見ても、行き当たりバッタリな物語となっています。
アクション映画の常として、冒頭で組織の男を殺害しているので、そこから戦いに発展する、という流れになるのが普通だと思われますが、
本作では、それはさておき、結局戦う理由は、偶然美女が困っている現場に遭遇したから、という理由なので、
だったら冒頭のバイロン・マンと20分程かけて描かれる気軽な暗殺ミッションが丸ごと必要ないような気もしますが、
おそらく、セガールの機嫌で当初の内容を変更したとか、セガールの意向で強引に美女のシーンを増やしたとか、
なんらかのセガール絡みの理由で、行き当たってバッタリな展開となっていると思われます。
という事で、本作の戦いのきっかけは、
引退を決意した傭兵、とか、最後の暗殺ミッション、とか、かつての仲間を呼び寄せての最後の戦い、、、等を全部無視して、
仕事帰りに立ち寄ったバーで、美女が悪漢に襲われていたところを助けたから、
という、単純の極みのような戦う理由となっています。
で、結局、セガールとしては、美女を襲う悪党組織を倒せ、となっていきますが、勿論細かい事はバイロン・マンとコスミン・ドミンテコンビに任せて、
自分は美女としっぽり、という感じで、要所だけ登場して悪党を再起不能にしていきます。
で、期待のジョシュ・バーネットとの激突ですが、勿論本当に強い相手とセガールが戦うはずがないので、
本気のバトル自体はバイロン・マンのそれなりに運動神経が良い、ぐらいのアクションに任せて、自身はヴィニー・ジョーンズに一方的に危害を加えていきます。
一応、ちょっとしたどんでん返し(というか最初からバレバレですが)もありながら、勿論、セガールとバイロン・マンは悪党組織を壊滅させてしまいます。
物語は当然ここで終了なので、めでたしめでたし、となるのが普通の作品ですが、本作はセガール作品ですので、ここでは終わらずに、
最後に忘れていたワンシーン、というよりセガールの意向で、おそらくどうしても付け加えたかったと予想される、エピローグが挿入されます。
自身の命の危機を救ってくれ、しかもロマンスまで芽生えた二人。
ニコニコと嬉しそうなセガール。
幸せそうな美女は煌びやかな衣服を身にまとい、熱い視線をセガールに贈りつつ、、、
妖艶なダンスを、、、
いらん、いらんっ!!!
作品情報
2015年製作 アメリカ製作 アクション
監督・脚本・製作総指揮 キオニ・ワックスマン 製作 スティーヴン・セガール
出演 スティーヴン・セガール、バイロン・マン、ヴィニー・ジョーンズ、アディーナ・ステチュー、ラウロ・チャートランド、ジョシュ・バーネット、コスミン・ドミンテ
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もうやめて~!苦しい~!笑いすぎて~!
いやあ、どこまでいくんでしょうか……このセガールぶり(セガール道)は。。。
最近、まぁくさんのセガール映画紹介を読むたびに思うのですが、なんというか、セガール自身はもう普通に映画を作ることに興味はないですよね? 映画としてメチャクチャで、ちゃんと面白く作ろうという前提条件からして崩壊してるじゃないですか。
我々2人にとっての最重要映画「ハリケーンマックス」は、まあ理解できるんですよ。あれは面白く作ろうとして明後日の方向にぶっとんでしまったんですよ(たぶんですが・・・)。
ブルース・ウィリス晩年映画もまあわかりますよ。あれは本人の意図じゃなくて、製作側がむりやり主演のようにみせかけるテクニックを楽しむ映画ですから。
でも、最近のセガール映画は、自分の都合であまりに省略化(自分の出演とアクションの省略)を目的とするあまり、もう映画を崩壊寸前まで追い込んでいますよね。というか、そこまで動きたくないならもう映画に出なくてもいいのに・・・(笑)
いや楽しんですよ。ぼくは毎回楽しみにしてますからね、まぁくさんの紹介を。(自分では観ませんけど)
それにしても、これって監督や製作者やスタッフはどう思ってるんでしょう。最後の、絶対に不要なダンスシーンも、撮影しながら「さすが、セガールさん!ダンスも最高っすよ!」「妖艶な雰囲気がたまんないっす!」とかおだてて撮影してるんでしょうか……
というかセガールよ!ダンスが出来るんなら、ちょっとは(普通の)アクションしろよ!(怒)
以上、「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原でした~!
今回も楽しかったです~!
S原さん、こんにちは、いつもありがとうございます!
今回ご紹介させて頂いたセガール作品も、かなりのセガール節で、この時期のセガール作品独特の行き当たりバッタリ感が炸裂する作品となっています。ブルース作品や一部のニコラス・ケイジ作品等、似たタイプの作品もあったりしますが、やはりセガール作品と決定的に違うのは、セガール作品は初期の作品を除いてほぼ全作セガールが製作に参加している、というボス的な立ち位置にいる点で、そのせいで商業映画なのに、誰が見ても不必要な美女のダンスをただただセガールが嬉しそうに眺めているだけのシーンが大事なエンディングで挿入されてしまうような作品が出来上がるようですね、、。
ただ、そんなセガール作品も、他では味わえない、なんとも言えない魅力を放っていますので、これからも色々とご紹介させて頂きます!