おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
無敵刑事セガールがサイコキラーを追い詰めて、いつも以上に玩具のようにぶん投げまくる、というS度マックス過ぎて痛快を通り過ぎるサスペンスアクション!!
作品紹介
2009年2月14日公開
今回ご紹介するのは、スティーヴン・セガールがサイコキラーと戦うサペンスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
メンフィス市警の刑事ジェイコブ・キングは10歳のとき、双子の弟が殺されるのを目撃して以来、その悪夢から逃れられないでいた。
刑事となった今でも、その頃の悪夢に悩まされていたが、グリフター(流れ者)と呼ばれるサイコ連続殺人鬼が現れ、
トラウマを待つジェイコブの周りの人間を狙うのだった!?
基本はいつものセガールアクションと同じです。
しかし、本作の特徴としては珍しくサイコサスペンス寄りのストーリーになっている事と、その合間のいつものアクションの度が過ぎている、
という2点が大きな特徴となっています。
まず、サスペンスストーリーですが、10歳という誰にでもある幼少期(セガールにもあったんですね、、子役は全くセガールに似ていませんが、、)、
双子の弟が目の前で殺人鬼に殺される(多分殺人鬼です。その部分は説明がないので、、)という事件によってトラウマを抱えた少年が、
そのまま成長すると何故かセガールになった、という主人公設定です。
セガールとトラウマという設定があまりに釣り合わないですし、セガール自体はいつも通りに無法者刑事を演じていますので、
おそらくセガール本人はそんな設定知らないのではないでしょうか。
過去の映像などがフラッシュバックで挿入されていたりはするものの、演技自体はいたっていつものセガールなので、
そこは観ている側の想像力で補って下さい、という監督からのメッセージが透けて見えそうです。
で、このトラウマ設定が、意外に物語展開に絡んでいて、中盤からセガールが好みそうな女性FBI捜査官が登場しますが、
この捜査官とはバディを組まずに、それそれ独自に連続殺人犯を追いかける展開となります。
で、FBI捜査官の方が、セガールの過去のトラウマから、連続殺人事件の犯人がセガールでは?という本人以外全員はっきり間違いと分かる捜査方針を打ち出していきます。
そこを掘り下げて、もしかしたら犯人はセガールかも?という展開でしたら、サイコサスペンスとして誰が犯人か分からない展開を楽しめたと思うのですが、
本作はセガール作品ですので、そういう方面の面白みは掘り下げられません。
最初の犠牲者が出たときに、現場に駆け付けたいつものセガールがいきなり『犯人は近くで必ず見ているはずだ!』、
と言い出して突然向かいのアパートに直進してそこに住んでいる住人のおじさんを捕まえて殴る、蹴る、投げる、どつき回す、
などのジェイソン波の暴行を加えた挙句に、2階ぐらいの高さから窓を突き破って外に放り投げる、
という刑事なのに無法者としか言いようのないワイルドな捜査が展開されます。
さらに、そのおじさんが本当に犯人で、さらに証拠不十分で釈放になって、その後セガールに恨みを抱いて付け狙い、
セガールの周りの人間を攫って暴行を加えるという、いたってシンプルな善(?)と悪の戦いになっていきます。
その単純な攻防の合間にFBI捜査官のセガールが犯人かも?という勘違い捜査を見せられても、もしかしたら、、、というサスペンス自体が成り立っていません。
普通はサスペンスを成立させるためにに、ミスリードを誘うようなトラウマに悩んでいるセガールの演技(想像すらできませんが)が挿入されていたり、
犯人役のおじさんが、もっと危なそうな雰囲気を漂わせていたり、名作(セブン)のような雰囲気が少なからず存在するのですが、
そこはセガール作品なので、猟奇度も、サスペンス度も極めて低い作品となっています。
おそらく、セガールのシーンを撮影後に、セガール本人から今回はこの素材を使って猟奇サスペンス風に仕上げよ!という無理難題を押し付けられて、
追加撮影を経て、ギリギリなんちゃって猟奇サスペンスにまでこぎつけた、ぐらいの経緯ではないでしょうか。
勝手な想像ですが。
こんな形で完成までこぎつける作品はセガール作品でしかありあえませんので、そういった【何故、こうなった?】と、邪推を巡らせるのも、
セガール作品のある意味面白みではないでしょうか。
あと、本作の度が過ぎすぎているアクションですが、相変わらずカット割で何をやっているのか一つも分からないものの、
カット割のテンポとリズムとバイオレンス、そして後ろ姿で活躍しているスタントマンの頑張りで、いつもとは一味違ったやり過ぎ感が出ていますので、
なかなか特徴的なアクションとなっています。
その描写はアクションシーンというより、ジェイソンやフレディが若者を惨殺しているような、絶対的強者が、腕力に劣る者をただただしばき回しているような、
絶対に犯人の恨みをかうようなアクションとなっていますので、後半のセガール周りの犠牲者(ほとんど関係のないセガール好みなバーの女性店員含む)が、
犯人の犠牲になっていくのは、全部セガールのせい、としか言いようがありません。
それに対してセガール自身が思い悩むシーンでもあれば、それなりにサスペンスにもなったのですが、セガールは勿論何一つ気にしていないし、いつものようにピンチにすらなりません。
という事で、サスペンスっぽいですが、付け足しのようなトラウマ設定以外は、いつものセガール作品ですので、セガール好き、アクション作品好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
そういえば、本作でもちょいちょい、セガール以外の人の声でアフレコされているシーンが割とありますが、もうそれほど気にならないですね、、。
あと、音楽業界から(黒いジャガー)(シャフト)の主題歌で有名なアイザック・ヘイズと音楽家クリス・トーマス・キングが出演していてたりします。
誰かの友情出演でしょうか。誰の?
作品情報
2008年製作 アメリカ製作 サスペンスアクション
監督 ジェフ・F・キング 脚本・製作総指揮 スティーヴン・セガール
出演 スティーヴン・セガール、クリス・トーマス・キング、ホリー・エリッサ・ディグナード
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