【シリーズ作】レプリコーン(LEPRECHAUN)シリーズ

投稿者: | 2022年11月2日

レプリコーン(LEPRECHAUN)91分

おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、アイルランドに伝わる妖精レプリコーンに纏わる物語を描いたファンタジーホラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

アイルランドの森深くに住む妖精レプリコーン。ある日、人間に金貨の入った大事な袋を盗まれた彼は、

激怒し、恐怖の魔法を使って人間を追い詰めていく。

それから年月は流れ、レプリコーンの眠る家屋に引っ越してきた一家に、再び悲劇が巻き起こるのだった!?

アイルランドに伝わる妖精レプリコーンをメインキャラクターとしたファンタジーホラー作品です。

演じているのは、ジョージ・ルーカス監督の名作ファンタジー(ウィロー)の主演俳優ワーウィック・デイヴィスで、

憎々しげながらも、愛嬌がある、どこか憎めないホラーキャラクターを軽妙に演じています。

その後シリーズ化され、日本では2作目までがVHS化されたものの、その後のシリーズが長らく未公開のままでしたが、配信のおかげでその後のシリーズも鑑賞できるようになっています。

シリーズは好評を博し、現在までで8作品製作される程ですので、

13日の金曜日)のジェイソン、(エルム街の悪夢)のフレディ、(ハロウィン)のマイケル・マイヤーズ、(悪魔のいけにえ)のレザーフェイスと並ぶぐらいに、

長い期間愛されるホラーキャラクターシリーズとなっています。

その始まりの物語である本作の設定は、基本的にはシンプルで、妖精レプリコーンが、自身が所有する100枚の金貨を盗まれてしまい、

それを取り戻すために殺戮を繰り返す、といった流れで、子供の悪戯的に金貨を手にする事になった主人公側と、

レプリコーンの攻防が描かれます。

とは言っても、本作はどちらかというとファンタジー寄りのホラー作品ですので、(クリッター)や(グレムリン)のような小悪魔的な表現の攻撃が多く、

グロさもそれほど伴わないので、比較的低年齢層でも楽しめるような娯楽作品となっています。

注目すべきは、その特徴的なキャラクターで、幸運を呼ぶ四つ葉のクローバーが苦手、靴職人なので、汚れた靴を投げられると、

投げられた方に向かっていって、ピカピカになるまで磨こうとしてしまう、等の分かりやすい弱点が存在しますので、

その設定を活かしたB級娯楽要素の強い物語展開となっています。

そして、本作にはそんな楽しい設定の小悪魔妖精レプリコーンを演じるワーウィック・デイヴィス以上に、

その後ブレイクして大人気となるスターが登場します。

本作製作後の1994年より開始されるテレビドラマシリーズ(フレンズ)でブレイクし、当時の史上最高額の出演料を得る(ギネスブックに掲載)程に人気の爆発したジェニファー・アニストンです。

ジェニファー・アニストン

田舎町に父親と一緒に引っ越してきた大学生ぐらいの女子として登場し、父親が主役の物語と思いきや、

どんどん活躍の場を広げていき、あっという間に主人公になる、という活発なキャラクターを演じています。

基本は上から目線のキャラクターながらも、愛嬌があって憎めない、というその後数々の作品で演じていく事になるようなキャラクターをこの本格的デビュー作で既に演じて、魅力を発揮しています。

本作においてジェニファー・アニストンが与えた印象はとても強力で、レプリコーンの面白設定との相乗効果で、

シンプルながらも、非常に楽しめる娯楽ファンタジーホラーとなっています。

ただ、レプリコーンが探していた100枚の金貨の最後の一枚が、物語上非常に重要な要素であったはずなのに、放置された状態で終幕となっていますので、

その設定は次回以降の繰り越しという事でしょうか、、、。

作品情報

1992年製作 アメリカ製作 ファンタジーホラー

監督・脚本 マーク・ジョーンズ

出演 ワーウィック・デイヴィス、ジェニファー・ア二ストン、ケン・オランド、マーク・ホルトン

レプリコーン2(LEPRECHAUN2)85分

ビデオ題 真夜中のミゼットデビル

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

作品紹介

日本劇場未公開

という事で、好評につき製作された続編となります。

それでは、まずはあらすじから、

はるか昔のアイルランドの森深く。1000歳の誕生日を迎えた妖精レプリコーンは、人間の娘を花嫁にしようと画策するが失敗してしまう。

しかし、娘には呪いをかけ、1000年に復活し、その子孫を花嫁にする事を誓うのだった。

それから1000年後の現代のロサンゼルスに復活したレプリコーンは、娘の子孫であるブリジットを妻にしようと誘拐を試みる!?

前作から2年後に製作された続編です。

今回もレプリコーンを演じるのはワーウィック・デイヴィスが続投ですが、それ以外の出演者や、監督などスタッフも変更となっています。

イメージ的には同じような設定ではありますが、物語上は、前作との直接的な関わり合いはありませんので、

ある意味、リメイクのような2作目となています。

リセットされた事で、今回は1000年前の時代からスタート(何故1000年前なのかは分かりません)し、レプリコーンが捉えている人間の奴隷の娘を自身の花嫁にしようと画策します。

今回はこのレプリコーンの花嫁探し物語のために、魔法のような力で、意中の女性が3回くしゃみをすると自身のものになる、という新しいルールが採用されて、

この設定がこの2作目の重要な要素となっていきます。

色々とありながらも、花嫁ゲットにはとりあえず失敗し、その呪い(魔法?)は1000年後に効く、という事で、1000年後の現代で復活します。

で、現代のヒロインをどうにか花嫁にしようとまた、奮闘する、という感じで、原題を舞台にしたレプリコーンの花嫁探しが主題となっていきます。

という事で、1000年前に花嫁にし損ねた女性の子孫が標的となっていきます。

そこに、前作のように大事な金貨(でも本作では金貨だけではなく、金でできた宝飾品も含まれています)が1枚足りない、

という事で、また最後の金貨を持つ人物から取り返すための攻撃も加えていきます。

それが、花嫁候補の彼氏で、その金貨と引き換えに彼女を取り返そうと逆に戦いを仕掛けていく、という展開になっていきます。

で、前作でバトルを繰り広げる上では非常に重要だった四つ葉のクローバーが苦手、という設定はあっさりカット、

靴を投げられると、そっちにつられてしまう、という靴職人独特の弱点もカット(一応、『靴が汚れているぞ』という台詞のみあり)、

その代わりに新しく、鉄が苦手、という設定が加わって、一応、バトルに活かされていきます。

加えて、前半(1000年前)で登場した、くしゃみ3回でアウト、という設定もありますので、一応は設定を活かしたバトルがファンタジックな洞窟内(一応木の幹の中という設定だと思われます)で、

展開されていきます。

ただ、やはりジェニファー・ア二ストンの芸達者ぶりが、非常に目立っていた前作のテンポの良いドタバタホラー感は薄まってしまい、

ちょっとグロ目のまったりファンタジーホラー、ぐらいになってしまっているのが、少し残念な2作目となっています。

一応、VHS化されたときも、内容もリセットで、1000年前から始まりますので、同じシリーズではなく、別物のファンタジー作品として売り出したかったようです。

作品情報

1994年製作 アメリカ製作 ファンタジーホラー

監督 ロッドマン・フレンダー

出演 ワーウィック・デイヴィス、シェボニー・ダーキン、チャーリー・ヒース

レプリコーン3(LEPRECHAUN3) 93分

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

作品紹介

日本劇場未公開

という事で、好評(多分)につき製作されたシリーズ第三弾です。

それでは、まずはあらすじから、

苦学生のスコットは、ラスベガスでルーレットにハマってしまい、親からもらった学費を全て失ってしまう。

そこで損失を取り戻すために、近隣の質店を訪れるが、そこで、妖精レプリコーンが落とした一枚の金貨を手に入れる。

その願いを叶える金貨によってルーレットで連勝を重ねるスコットに、レプリコーンの魔の手が忍び寄るのだった!?

という事で、第三弾です。

前作で、絶対に続きが描きようのない終わり方をしていますので、例によって前二作の設定や物語は全てリセットされて、

ワーウィック・デイヴィスと、いくつかの設定だけは継承して、似たような違う物語が描かれていきます。

今回の舞台はまさかのラスベガス、という事で、カジノ近辺での、ぬる目の金貨争奪戦が描かれていきます。

今回の主役は苦学生スコットで、ラスベガスでマジシャンの助手として働くタミーと共に、レプリコーンとバトルを繰り広げていきます。

で、ラスベガスが舞台という事で、勿論カジノが舞台とはなるのですが、肝心のレプリコーンの物語は別のパートで描かれていきます。

まずは質店に銅像かフィギュアのような動かない像として登場します。

勿論、何故そのような姿になっていたのか?の説明はありません。

で、胸には赤く光る宝石を有したメダリオンがぶら下げられていて、そのメダリオン付きの銅像(か等身大フィギュア)が、ラスベガスのはずれにある質屋に持ち込まれるところから始まります。

勿論、そのメダリオンは外されてしまうので、そこで簡単にレプリコーン復活、となります。

で、このメダリオンが今回のレプリコーンの弱点となります。

1作目は四葉のクローバー、2作目は鉄、で3作目ではメダリオンです

他にも金貨は一枚につき一つの願いが叶う、というルールや、金貨はレプリコーンの魔力の源なので、金貨を大事にしている、というマイナールールが加わっています。

で、主人公は、道路で車がエンストして立ち往生しているヒロインと出会い、そのままギンギンの眼差しで、ガッツいてラスベガスまでつきまといます。

ガッツき中
サイコアイズ

で、本来未成年は立ち入り禁止だけれども、絶対に賭け事はしない、というヒロインとの約束の下に、ガッツいて特別にカジノに入れてもらいます。

で、助手の仕事があるのでヒロインが出番に向かっている最中に、両親から預かった大事な学費の小切手を

速攻で換金して、速攻で、全額すってしまって自暴自棄になります。

自暴自棄になりますが自業自得

で、さらに負けを取り返そうとするものの、手持ちが全くないので、近くの質店に時計を持ち込みにいきます。

で、そこでレプリコーンと出会ってしまい、偶然金貨を手に入れて、負けを取り返していく、という物語展開になっていきます。

観る人にもよるかとは思われますが、個人的にこの、登場するなり、まるでサイコパスのような目つきの主人公が、

やることなす事、間違った選択肢を選びまくってのレプリコーン登場、という流れが、どうにも感情移入しにくく、

しかも後悔や反省等も一切描かれないままに、レプリコーンが登場し、いろんな悪さをしでかす展開になっていきますので、

善VS悪の存在ではなく、悪VS悪にしか見えず、さらに主人公も、魔法にかけられて暴走するヒロインも、

コントのようなやり取りが、結構長い間続きますので、まるで感情移入できるキャラクターが存在しない、混沌とした状態が後半まで続きます。

しかし、このあまり感情が表に出てこないサイコ主人公が、何故この楽しそうなコントの中に入っているのか?その理由が後半になってやっと判明します。

本作の新しい設定として、レプリコーンに噛まれると、噛まれた人もレプリコーンになる、というゾンビ映画のような設定が採用されているのですが、

後半のドタバタに紛れて、サイコアイズ主人公が、レプリコーンに噛まれてしまいます

で、だんだんと毛深くなり、歯並びが変わり、目つき、、はそのままで、、、話し方、、、、、

そうです、話し方が、レプリコーンを演じている時のワーウィック・デイビスとそっくりなんですね。

という事で、物語は、まさかのレプリコーンVSレプリコーンという熱い展開になるはずですが、

結局話し方が似ている、という事以上の盛り上がりはなく、

敵の弱点となるはずのメダリオンが、主人公自身も苦手になる、という面白くなりそうな展開も少しはありますが、そういう部分は、あまり掘り下げられませんので、

割とあっさり勝負がついてしまいます。

監督が毎回変わりますが、今回は(ゴーストマーダー)や、(ブレードチェイサー)等のB級作品を多数製作しているブライアン・トレンチャード・スミスに変わっていますので、

特殊効果等の面白要素は盛りだくさんになっていますが、終始漂うコント感が、かなり際立っていますので、

特殊効果シーン以外の楽しみどころが少ないのがいまいち乗り切れない、という続編になっています。

しかし、このブライアン・トレンチャード・スミス監督、好評だったのか、続く第4弾の監督も続投になります。

舞台はまさかの、、、、

作品情報

1995年製作 アメリカ製作 ファンタジーホラー

監督 ブライアン・トレンチャード・スミス

出演 ワーウィック・デイヴィス、ジョン・ゲイティンズ、リー・アームストロング、キャロライン・ウィリアムズ

レプリコーン4(LEPRECHAUN4 IN SPACE)95分

おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

作品紹介

日本劇場未公開

次々と製作される人気シリーズ第4弾です。

それでは、まずはらすじから、

異星人の姫を誘拐し、惑星を乗っ取ろうと目論むレプリコーンだったが、人間の乗る宇宙船に捉えられてしまう。

しかし、野望を阻止しようとする人間たちに、レプリコーンの魔の手が忍び寄るのだった!?

ついに舞台が宇宙になる、というまさかの展開を見せるシリーズ第4作目です。

ホラーシリーズで、舞台が宇宙、という事で、少々突飛な感じがしますが、10作目にして宇宙が舞台になった(ジェイソンX)を有する(13日の金曜日)シリーズ、

4作目にして宇宙が舞台になったピンヘッドが活躍する(ヘルレイザー)シリーズ等、意外とこの時期の人気ホラーシリーズでは、宇宙が舞台になるのは、ある意味定番の流れの一つで、

長く続いてマンネリ化してしまいがちなシリーズのテコ入れ的な要素もあるかと思われます。

そんな宇宙が舞台の4回目のレプリコーンの活躍ですが、3作目まで鑑賞するとお分かりのように、毎回物語を継承することなく、

設定がリセットされますので、今回も例に漏れず、今までの設定はほとんど捨て去り、ワーウィック・デヴィスが同じ系列の衣装でレプリコーンを演じている、

という共通点以外は、形を変えたリメイク、といっても良いぐらいに新しいルールが設定されています。

しかも、今回は宇宙(というより宇宙船内)が舞台という事で、基本的には(エイリアン)シリーズのように宇宙船内で外敵と戦う、

というバトル展開のみが、メインで描かれていきます。

という事で、今回のレプリコーンは、役柄的にはレプリコーンを名乗ってはいても、他の惑星で、花嫁にしようとしていたどこかの星の女王と共に、

人間の宇宙船に捉えられて、そこから姫(と金貨は今回は、ついで要素)を取り戻すために、バトルを繰り広げる、

という感じで、エイリアンバトル展開へと突入していきます。

宇宙人、、、宇宙妖精レプリコーン

ですので、レプリコーンというファンタジーホラー物語の4作目、というより無関係のB級エイリアンアクションで、

エイリアンをレプリコーンに挿げ替えただけ、という雰囲気の作品となっています。

ここまで、変わると流石に好き嫌いが分かれてしまいそうですが、、、。

という事で、靴が気になる職人設定や、3つの願い事、金貨の争奪、四葉のクローバーや鉄、メダリオン等の弱点等の作品を面白くしていた要素は、

魔法のように全部消えて無くなってしまいました。

ただ、そのコント感の漂うぬる目のバトルは、いつも通りではありますので、何も考えずに、背景(セット)も気にしなければ、いつも通りのレプリコーン作品として楽しむことはできます。

さらに監督が前作のブライアン・トレンチャード・スミス続投となっていますので、前作同様に特殊メイクアップ等の効果シーンは後半になるどほど豊富で、

観ていて楽しくなるような、着ぐるみモンスターが登場していきます。

ただ、後半になって着ぐるみも登場しだして、盛り上がりかけてくると同時に、何故かコント感もヒートアップし、

どんどんと悪ノリ(悪すべり)が極まっていって、良い感じの特殊効果も、一つの寒い要因になっていってしまうのが少々残念です。

とは言え、4作目までくると、この寒さが、逆に本シリーズの一つの魅力なのか、とも思えてくるのですが、どうでしょうか。

という事で、今回も完全に続編を製作できないような終わり方になっていますが、やはり5作目が製作されます。

さらにその後に6作目も製作されるのですが、残念ながら5と6に関してはDVD化どころか、配信も今現在でされていません。

ですので、ジャケットイメージからの想像でしかありませんが、どうも5作目と6作目は珍しく続きもののようで、

黒人ラッパーとバトルを繰り広げる展開のようです。

また設定が変更されていそうですね。

5作目
6作目

さらに、シリーズはこの後、リメイクシリーズへと突入していきます。

という事で、1作目から4作目まで、毎回設定などもリセットされてしまうシリーズですので、特に1作目から鑑賞する必要はありませんし、

途中からでも全く問題ありませんが、個人的にはやはりジェニファー・アニストンが魅力を全開に発揮している1作目のご鑑賞をお勧めします。

その内容や世界観が、十分楽しめた、という事でしたら続いて2作目以降も鑑賞する、という軽い感じが良いかと思われます。

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