デスメール (IN 3 TAGEN BIST DU TOT) 96分
お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、死の予告メールが届いた高校生グループが、本当に命を落としていく、というJホラーの影響も感じられるオーストリア製作のホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
高校の卒業試験に合格し、晴れて全員卒業となった仲良しグループの男女5人組。晴れの舞台に浮かれる彼らだったが、
卒業のその日に、全員あてに【お前は3日以内に死ぬ】という死の予告メールが届く。
はじめは気にも留めていなかったが、仲間の内の一人が何者かに惨殺された姿で見つかった事で、正体不明の殺人鬼の姿に怯える事になるのだった!?
珍しいオーストリア製作のホラー作品です。
物語展開的には、邦画の(着信アリ)シリーズや、ハリウッド製作の(ラストサマー)シリーズなどに強く影響を受けているようなストーリーとなっています。
卒業を控えた高校生の男女5人組の携帯に『お前は3日以内に死ぬ』という内容のメールを受信し、実際に一人ずつ殺されていく、
という展開で、始めは、殺される理由が分からないと言っていたメンバーも、実は過去に他人に言えない共通の秘密があり、
その事が原因で、報復のために殺されていっているという、割とJホラー作品などでは良く見かける展開となります。
見せ場としては、ホラー映画ですので、勿論どのように復讐されるか?という部分になってくるのですが、この辺がお国柄なのか割とあっさり目となっているのが少し残念です。
それぞれの犠牲になるシーンは割とあっさり目ではありますが、その分、オーストリアの広大な自然の景色を存分に取り入れたカットが非常に多く、
メンバーが犠牲になるシーンやラストシーンなどの重要なシーンでは、広大な湖(?)で、の激突などもありますので、
意識的に美しく広大な自然を入れ込むシーンを多くし、そこで行われる残酷な殺人の対比を表現したかったのではないでしょうか。
そういったシーンが魅力に映るぐらいに、ハリウッド製作の作品では、あまり観れないようなシーンが満載となっています。
ただ、物語展開的に、流行っていたホラー作品以上の意外性のない、シンプルなストーリーで、さらに結構なツッコミ所もあるので、
今の時代に観返すとちょっと退屈感を覚える方もいるかもしれません。
キャストには、馴染みがありませんが、比較的全員、美男美女でキャスティングされていて、しかもしっかりと感情移入のできる実力派が揃っていますので、
キャストの好演によって本作の魅力も増していると思われます。
特に主役級の二人の好演は、それぞれが演じている役柄にもピッタリハマっていますので、寄り魅力的に映ります。
という事で、謎の殺人鬼によって5人の高校生の内、何人かが犠牲になり、何人かは生き残る、という展開で続編へと続きます。
ただ、この内容で続編を製作できるのか?という物語展開ではあるのですが、、。
作品情報
2006年製作 オーストリア製作 ホラー
監督・脚本 アンドレア・ブロチェスカ
出演 サブリナ・レイター、ジュリア・ロサ・ストックル、ローレンス・ラップ、ナジャ・ボゲール
デスメール返信なし(IN 3 TAGEN BIST DU TOT 2)
お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
日本劇場未公開
という事で、前作のその後の物語を、前作で生き残ったキャラクターを同じキャストが演じた、同じ監督の作品です。
それでは、まずはあらすじから、
悪夢の事件を生き延びたニナ(サブリナ・レイター)は、現在はウィーンのCDショップで働いていたが、ある日、同じく事件を生き延びたモナからの助けを求める電話を受ける。
モナの命の危険を案じたニナは、モナの実家を訪ねるが、既に引っ越しており、転居場所はアルプスの山奥だった。
モナを救うために雪山に向かうニナだったが、そこは想像を絶する地獄への入り口だった、、。
前作の好評を受けて2年後に同じスタッフ・キャストで製作された、前作のその後を描いた作品です。
今回は、前作で生き残ったニナとモナを中心とした物語で、前作以降、故郷から離れて暮らしていたニナが、ある日モナからの『助けて、、!』という電話を受けて、
実家を訪れるが、既に引っ越しており、引っ越し先を辿って行くと、アルプスの雪山にある寂れたホステルにたどり着き、
そこでモナを探しつつ、地獄のような目に合う、という物語となっています。
という事で分かるように、前作の登場人物のその後を描いた物語ではありますが、デスメールを送られて、仲間が次々に死んでいく、
という基本の物語からは、かなりかけ離れた流れの作品となっていますので、続編というより、同じ登場人物のスピンオフ、ぐらいに捕らえた方が良いかもしれません。
それぐらいに90度ぐらい方向性を変えた第2弾となっています。
前作は、(ラストサマー)のような展開の物語でしたが、今回は(悪魔のいけにえ)などの、田舎町の狂気の一家を描いた物語がメインとなっています。
そこに、監禁ホラー的な要素も加えつつ、モナの生死の謎と、前作から再登場の警察官の活躍、なども織り交ぜながら、ラストの落ちへと進んで行きます。
かなり大胆な路線変更ですが、その間に主演のサブリナ・レイターの人気が急上昇したのか、前作の多くの出演者の中の一人、という位置づけではなく、
完全にモナを探し求めるニナの物語、の主人公として一本立ちを果たしています。
ホラー作品にありがちな、ちょっと危機感が薄いために、どんどんと危険な状況に陥っていく主人公を好演しています。
で、今回も広大な大自然を舞台に、今度は雪山の中で、ヒロインが怖い目に合っていくわけですが、探し求めているモナ自体が、
ほとんど登場しないので、ホラーもので必要不可欠な犠牲者の数が少なく、基本的にはニナ一人の物語となっています。
ですので、敵である狂人一家は4人とその仲間1人なのに対して、犠牲者側が主人公一人ですので、後半になるまでなかなかホラー的な見せ場が少ないのが、少し残念です。
中盤までは、ホラーではなく行方不明者を探すミステリー、と考える事もできますが、前作で完全なホラー展開を見せたあとの本作ですので、
後半になるまで見せ場が少ない展開は、退屈と感じる人もいるのではないでしょうか。
という感じで、いよいよ後半になって監禁状態にあったニナの逆襲が始まりますが、これが、屈強な男ばかりに対して小柄な女性一人という圧倒的不利な場であるにもかかわらず、
男たちが、やたらと弱弱しく散っていきます。
しかも、ニナは倍返し的に過度の攻撃を加えていきますので、加害者の方が、逆に被害者ぐらいにやられていきます。
そんなに加害者側の悪行を見せるシーンも前半に挿入されていませんので、正直見ていてちょっとかわいそうになるぐらいのやられっぷりです。
しかも、勝手に事故で自滅する敵もいますので、結果的に狂人一家全滅まで追い込んでいきます。
要するに、本作には被害者の人数が絶対的に少ないために、逆に加害者の方が酷い目に合うシーンがメインとして描かれている、という通常のホラー作品としては逆の描き方になっています。
そのために鑑賞し終わった後の爽快感もなんとなく薄く、しかもあまり後味の良くないオチも最後にありますので、正直軌道修正するための続編をもう一本ぐらい見たい感覚に襲われますが、
本作以降に続編は製作されていないようなので、結果的に消化不良のまま物語は終了してしまいました。
という感じで、本作は物語の繋がっているちゃんとしたシリーズ作品ではありますが、両作とも別作品ぐらいの内容の作品ですので、
どちらかというと1作目の方が完成度が高くなっているのではないでしょうか。
逆に2作目は、続編などの括りではなく、全く関係のない雪山監禁ホラーとして製作した方が、寄り楽しめたような気がします。
そうは言っても、ヒットした前作の続編という大前提が無ければ鑑賞していない人も多いとも思われますので、難しいところですね。
作品情報
2008年製作 オーストリア製作 ホラー
監督・脚本 アンドレア・ブロチェスカ
出演 サブリナ・レイター、アンナ・ロット、アンドレア・キエンドル、フィリップ・ルディグ
その他のティーンホラー作品
過去の過ちを原因とした復讐によって、ティーンが命を落とすという本作との共通点の多い(ゲームオーバー)はこちら
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