カンフー映画としてのお薦め度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ジャッキー・チェン主演酔拳の師匠、蘇化子の若き日々を少林寺三十六房のリュー・チャーフィー主演で描いた青春カンフーアクション!
作品紹介
インターネット配信専用
今回ご紹介するのは、(少林寺三十六房)で有名なリュー・チャーフィー主演の酔拳を扱った作品です。
それでは、まずはあらすじから、
裕福な家庭に生まれたソウ家の兄弟(リュー・チャーフィー、ワン・ユー)は奔放な青春時代を送っていた。
兄のソウ・チャンは奔放な性格で密かに通学している学校の教師に親に止められているカンフーを習っていた。
しかし、ある日その教師の宿敵であるかつてのボスが、ソウ一家の住む町に現れ銀行の強盗計画を企てる事になり、ソウの運命は激変することになるのだった、、。
香港映画界の大手ショウブラザーズの製作作品です。
1985年製作という事で、この年ぐらいで映画製作を一旦終了してしまいますのでその直前の作品となります。
1985年の香港映画界といえば、ジャッキー・チェンの(ポリスストーリー)や(七福星)、(ファーストミッション)や、翌年にはチョウ・ユンファの(男たちの挽歌)なども公開されていますので、
世間的には現代劇中心で時代もののカンフーアクションは正直、流行りではなかった時期の作品となります。
リュー・チャーフィー、ワン・ユー、パイ・ピョウ、ワン・ロンウェイと流石の豪華カンフースターのキャストではありますが、
流行りを中途半端に意識してしまったようで前半は現代劇によくある学園コメディのような趣でサッカーの試合シーンなどがあり、カンフー映画というより、完全にコメディ映画でした。
ところが後半師匠であるパイ・ピョウの仇敵、ワン・ロンウェイが登場してくる辺りからは俄然、緊迫感がましてきます。
そこまで軽いコメディとして良い雰囲気できていたものの、上映時間残り30分ぐらいで急展開します。
楽しみが半減しますので内容は伏せますが、急転直下の急展開です。
それまで築き上げてきたドラマが台無し、ぐらいの勢いで悲劇的な事が次々と起こり、打ち切り漫画のようなラストを迎えます。
怒りを表現するのは分かりますが、少なくともラストの対決では酔拳は使って欲しかった、、。
というか酔拳自体は物語とそれほど関係ないので、酔拳立志伝にもなっていないです。
カンフー映画は物語がいまいちでもカンフーアクション自体が良ければ無問題だと思うのですが流石にここまでだと有問題です。
途中まで酔拳を習うはずの物語だったのに、
ラストでは酔拳を使わずに現代風のボクシングスタイルの大暴れ喧嘩アクションで無茶苦茶やってたら勝てた、みたいな感じです。
裕福な主人公が度重なる悲劇的な運命に会い、やがて乞食に身を落とし、最終的に乞食王となって半狂乱の末に酔拳を編み出す、
という物語自体は近年製作されたチャウ・シンチーの(キング・オブ・カンフー)やチウ・マンチクの(酔拳レジェンド・オブ・カンフー)に強く影響を及ぼしているかもしれませんが、
やはり唐突すぎて急に予算がなくなった等の製作上の何か問題があったのか、あるいは製作会社閉鎖でヤケクソになっていたのか、と思ってしまうぐらいの内容となっています。
実際ショウブラザーズ閉鎖の直前の作品なのでそういった事情があったのかもしれませんが、、。
ですがラストのアクション自体はワン・ロンウェイの力強いアクションとリュー・チャーフィーの身軽なアクションの対決が(少林寺武者房)や(ワンスアポンアタイム英雄少林拳武館激闘)などを思わせて素晴らしいので、
この対決はできれば酔拳とか蘇化子などの縛りのある物語ではなく他の作品で見たかったです。
実績のあるスターばかりが出演しているのに非常に残念な作品でした。
それでも、インターネット配信専用ですので、今のうちに鑑賞できる環境にある方は鑑賞しておきましょう。
多分、今後のDVD発売は難しいと思われますので。
作品情報
1985年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 ラウ・シーユー 脚本 バリー・ウォン
出演 リュー・チャーフィー、ワン・ユー、パイ・ピョウ、クー・フェン、ワン・ロンウェイ
スタッフ・キャスト
監督は(チャウ・シンチーのゴーストハッスル)などのラウ・シーユー。
主演の蘇化子役リューチャーフィーは当時ゴールデンハーベスト社、シネマシティ社と三大勢力として多くの名作を製作してきたショウブラザーズ社の看板俳優だった。(ワンスアポンアタイム英雄少林拳)で主演デビュー後、(少林寺三十六房)シリーズや日本・香港合作の日本原作コミックアクション(孔雀王)、ハリウッド作品(キルビル)シリーズなどで大活躍する。ラウカーリョン、ラウ・カーウィンは義理の兄弟。
兄弟役で出演のワン・ユーはラウ・カーリョン監督の(マジッククンフー神打券)や本作のリュー・チャーフィーと共演の(少林皇帝拳)、(少林寺三十六房)など多くのカンフーアクション作品で活躍する。
その他、敵役として(少林寺武者房)、(ワンスアポンアタイム英雄少林拳武館激闘)、(燃えよデブゴンお助け拳)など多くの作品で敵役としてカンフー映画で見事な技を見せてきたワン・ロンウェイが出演している。
その他の酔拳が登場する出演作品
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