カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
非道な悪人道場に雇われた様々な流派の武道家たちとの戦いで、片腕を奪われたジミー・ウォングが、残った左腕を極限まで鍛え上げて再び挑む、ツッコミどころ満載の娯楽カンフーアクション!!
作品紹介
1974年2月8日公開
今回ご紹介する作品は、ジミー・ウォングが監督・脚本・主演した娯楽カンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
正徳武館の弟子であるチェンロンは、食堂で他の食事客に絡む悪行道場、鉄鉤門の門弟たちを制止し、大乱闘となってしまう。
その後、門弟から報告を受けた鉄鉤門の師匠チャオは、弟子達を率いて正徳武館に仕返しのために殴り込みをかけるが、正徳武館館長ハンによって、返り討ちに合う。
自分達では正徳武館にかなわないと悟ったハンは、外国から名うての武術家を招集し、正徳武館を再び襲撃する。
その助っ人のあまりの強さに、正徳武館の門弟たちは次々と打ち倒され、チェンロンは右手を切り落とされてしまう。
その後、親切な親子に救われ、なんとか生き延びたチェンロンは、復讐を誓い、残った腕を極限まで鍛える訓練を開始するのだった!?
監督・製作総指揮・脚本、そして主演とマルチに活躍しているのは、(片腕必殺剣)や(ドラゴン修行房)(詳しくはこちら)等の
大スター、ジミー・ウォングで、続編も製作された人気のキャラクターを演じています。
で、ライバル道場に雇われる沖縄空手家役で、(女少林寺)(詳しくはこちら)や(ドラゴン太極拳)(詳しくはこちら)等の
ルン・フェイが登場し、ジミーさんに襲い掛かります。
で、ジミーさんの師匠役で、(成龍拳)や(キラードラゴン流星拳)等のマー・チーが登場し、主人公と共に悪人と激闘を繰り広げていきます。
で、主人公を救うヒロイン役で、ブリジット・リン出演の(成功嶺上)や、(大災難)等のタン・シンが登場し、可憐な魅力を放っていきます。
で、ライバル道場主役で、(マグナムサンダーボルト)や(九月鷹飛)等のティン・イエが登場し、悪の限りを尽くします。
で、悪人に雇われるムエタイ戦士役で、(激突!魔拳塾)(詳しくはこちら)や(スパルタンX)等のブラッキー・コーが登場し、得意の蹴り技を披露しています。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、アヘンの密輸や、街での暴行など、悪逆の限りを尽くす悪の道場鉄鉤門の門弟が、
今日も食堂で非道な行いをしている所を、偶然居合わせた正義の道場正徳武館の一番弟子ティエンロン(ジミー・ウォング)が、速攻で叩きのめし、
さらに、裏山での決闘に他の弟子達を連れていき、大乱闘を繰り広げるシーンから始まります。
で、勿論道場に帰ってから、ジミーさんは師匠にこっぴどく怒られてしまいますが、意外に優しい師匠は、
ジミーさんへの罰は、3日間の掃除とゴツ目の棒で行う、お尻ペンペンで許す、という寛大な所を見せていると、
門弟を傷つけられた鉄鉤門の師匠が、大勢の弟子達を連れて、仕返しにやってきます。
しかし、ジミーさんは、調度ペンペンも終わり、奥の間で反省中だったため、責任者である師匠が応対します。
で、弟子達と一緒に仕返しの喧嘩を始める鉄鉤門の師匠ですが、弟子も弟子なら師匠も師匠、という感じで、
卑怯な隠し武器を使って正徳武館の師匠を傷つけようとしますが、勿論そんな卑怯な武器にやられる正義師匠ではありませんので、
卑怯者を懲らしめるためにも、あえてその武器を使って傷を負わせます。
で、実力の差を痛感した卑怯者は、恨み節を残して、正徳武館を後にします。
その後、道場に戻った卑怯師匠は、自分達では敵わないと判断し、復讐を果たすために各国の武道家達を招集します。
そのメンバーは、日本から沖縄空手の大家とその二人の弟子、同じく日本から柔術家、タイからは二人のムエタイ兄弟、
インドからはヨガ拳法の達人、韓国からはテコンドーの達人、そしてチベット密教の僧侶二人、という感じで、バラエティに富んだメンバーが集まります。
で、凄腕が集まった卑怯者たちは、早速正徳武館が経営しているレンガ工場と、染色工場を襲い、門弟であり従業員でもある若者達を亡き者にしていきます。
ここまでされて黙っている正徳武館の師匠ではなく、完全に徹底交戦に入り、道場までやってきた卑怯者の助っ人たちと一人づつ対戦していく事になります。
しかし、助っ人たちの実力は凄まじく、弟子達は、一人、また一人と散っていき、ついにティエンロンも参戦しますが、
日本人武道家の必殺拳によって、片腕を切り落とされる、という重症を負って戦線離脱してしまいます。
その後、戦いは大乱闘になり、正徳武館の師匠、門弟全員犠牲になってしまい、片腕を失ったティエンロンだけがなんとか這って逃げ出したところを、
心優しい親子に助けてもらい、九死に一生を得る事になります。
で、それから数か月、親子の必死の看病によってティエンロンの身体は回復し、ついに復讐のために、残った方の腕を極限まで鍛え上げ、
全ての決着をつけるために、再び鉄鉤門に戦いを挑む、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。
ジミーさん主演の過去の大ヒット作品(片腕必殺剣)を、ゴールデンハーベスト社製作で、打撃カンフー映画の設定に置き換えて製作し直した大ヒットカンフー作品です。
ジミーさんが、監督・脚本・製作・主演という事で、完全にコントロールしていますので、独特の感性が節々に光る作品で、
バラエティに富んだキャラクターの奇妙な技の数々や、リアル感よりも強敵感を優先したようなラスボス、ルン・フェイの悪魔のような容姿等、
凡人なら、ばかばかしいと思ってしまいそうな要素を積極的に取り入れた作品となっています。
ツッコミどころ満載なちょっと凡人とはズレた世界観に、主人公であるヒーロー、ジミーさんは、至って真面目に対処していきますので、
真面目とズレの絶妙なバランスが、なんとも唯一無二の世界観を構築する、という他の作品では味わえないような魅力を持つ作品となっています。
物語展開自体は、この時期の王道とも言える、ライバル道場同士の小競り合いを扱った内容ですので、新鮮味はありませんが、
前半の小競り合い展開のクライマックスで、かなりの時間を掛けて異種格闘技戦を描いた後の後半は、あっさりと前半の流れを断ち切って(ジミーさん以外全滅)、
その後丁寧にリベンジ展開を描いていくのかと思いきや、助けてもらった親子との生活で、体力が回復して行くリベンジに向けての大事な過程は、
まさかの
9枚の静止画のスライドショーで済ませる
という、後半に向けての助走とも言うべき、復活のドラマを映像で描かない、という他の作品では絶対に見ないような表現で、
とにかく喧嘩アクションシーンをメインで挿入していきます。
画像写真を観て想像するに、しっかりと復活のドラマも映像で撮影されていそうな画像ではありますが、
恐らくなんらかのトラブルか、上映時間の都合等でカットしたと思われます。
結構な見せ場の一つだと思われますが、、、流石、ジミーさん、という感じでしょうか、、、。
普通は撮影しているなら少しでも映像を使うか、初めから撮影しない、という判断に成りそうですが、、、、。
で、後半になってやっと登場するヒロインの活躍の場もほとんどなく、速攻でリベンジ展開に突入したジミーさんは、
強豪たちを順調に倒していき、
その後半では宿敵である卑怯者師匠による、
爆弾投げ攻撃
という、カンフー映画でそれをやっちゃあお終いよ、という攻撃にも、
投げてきた爆弾をジミーさんが素手でキャッチして、そのまま投げ返して爆死させる
という、神業を使って悪の根源を簡単に退治してしまいます。
その後、本作の大ヒットによって、製作会社を変えて続編が製作されていきますが、予算や物語展開など、
やはりカンフー映画としてのバランスは、本作が一番優れた作品となっていますので、カンフー映画好き、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
監督・脚本・製作総指揮 ジミー・ウォング 製作 レイモンド・チョウ
1972年製作 香港製作 カンフーアクション
出演 ジミー・ウォング、タン・シン、ティン・イエ、マー・チー、サン・マオ、ウ・ミンサイ、ブラッキー・コー、ルン・フェイ
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