カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
リュー・チャーフィーが監督・主演し、ラウ・カーリョンが製作・武術指導を担当した少林寺派と武當派の争いを描いた、（少林寺三十六房）に似た展開のカンフーアクション！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、リュー・チャーフィーが監督・主演し、ラウ・カーリョンが製作・武術指導を担当したカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
少林寺派と武當派は激しく対立していたが、両派の奥義を会得しようと画策する清の長官によって両派は試合をすることになり、
親友同士だった少林寺派の弟子ユンキと武當派の弟子ファンウーは、命がけの戦いを繰り広げる事になるのだった！？
監督と主演、両方こなしているのは、（少林寺三十六房）や（孔雀王）（詳しくはこちら）等の少林寺カンフースター、リュー・チャーフィーで、
本作でもお得意の少林寺僧役を力強く演じています。
で、製作と武術指導を担当しているのは、リュー・チャーフィーの義理の兄で、（阿羅漢）や（醉拳3）（詳しくはこちら）等多くのカンフー映画を監督している巨匠ラウ・カーリョンで、
アクロバティックで力強いアクション満載で作品世界を描いています。
で、もう一人の主演とも言えるリュー・チャーフィーの親友役で、（天空の剣）や（カンフーキッズ恋する少林寺）（詳しくはこちら）等の
アダム・チェンが登場し、得意の剣劇アクションを披露しています。
で、主人公達を罠にハメる清の長官役で、（燃えよデブゴン お助け拳）（詳しくはこちら）や（カンフートレジャー龍虎少林拳）（詳しくはこちら）等の
名悪役、ワン・ロンウェイが登場し、主人公達の前に立ちはだかります。
で、主人公達と関わっていく事になる女性役で、（流星胡蝶剣）や（多情剣客無情剣 ）等のチン・リーが登場し、
二つの流派に深く関わる謎の女性を好演しています。
で、リュー・チャーフィーの妹で、アダム・チェンを想い続ける役柄で、（オン・ザ・ラン）や（カジノレイダース）（詳しくはこちら）等の
アイダ・チャンが登場し、カンフーも披露してお転婆娘を好演しています。
で、少林寺の僧侶役で、（少林寺三十六房）でも同じような役柄を演じ、（ガッツフィスト魔宮拳）（詳しくはこちら）や
（燃えよデブゴン7）（詳しくはこちら）等の、多くのカンフー作品に出演しているリー・ホイサンが登場し、本作でもリュー・チャーフィーと激闘を繰り広げます。
で、アダム・チェンの師匠役で、（プロジェクトA）シリーズや、（妖獣大戦）（詳しくはこちら）等のクワン・ホイサンが登場し、
アダム・チェンが追われる身となる事件に遭遇します。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、犬猿の仲のリュー・チャーフィーが所属する少林寺派の道場とアダム・チェンが所属する武當派の道場が火花散らす中、
その地域を統括する清の長官ワン・ロンウェイが、両派の奥義を会得するために、まずは少林寺派の道場主を宴席に迎えるシーンから始まります。
しかし、拳術で最高と言われる少林寺派の武術を、なんとか指導してくれるように頼むワンですが、速攻で断られます。
即抹殺を指示する単細胞なワンですが、戦略家の部下によって、とりあえず揉め事は一旦避けて、そのまま帰し、今度は、武當派の道場主であるクワン・ホイサンを呼びよせます。
で、弟子のアダム・チェンと一緒にやって来たクワンは、ワンと一緒に将棋を指し始めますが、その最中に出された酒に実は毒が入っていて、奥義書を差し出すように強要されます。
※↓ここからは物語展開に触れていますので、ご注意下さい↓※
しかし、頑なに断り、アダムに剣術の奥義を伝授すると見せかけてアダムの剣に自ら貫かれ自害してしまいます。
で、その意思がなくとも自らが持つ剣で師匠の命を奪ってしまったアダムは、そのまま投獄されてしまいます。
で、遠くからその様子を見ていたリュー・チャーフィーの妹アイダ・チャンは、その出来事を兄に伝えます。
一方、何故か精神不安定な女囚ばかりが投獄されている特別過ぎる牢獄に投獄されたアダムは、そこでアダム自身も精神的に追い詰められ、
さらに、身体的にもなんらかの病にかかって体の自由が利かなくなっていきます。
そんな絶望的な状況の中、看守の一人に成りすましたリュー・チャーフィーが食事の配膳係として姿を現します。
で、その牢屋にアダムと一緒に投獄されている女囚の一人、チン・リーを引き寄せ、少林寺派の奥義の一つ金剛拳によるツボの突き方を少しづつ教えます。
で、チン・リーがどんどんと金剛拳を習得して行くに連れて、ツボを押されまくったアダムの病も回復して行き、ほとんど以前と変わらないような力を取り戻していきます。
で、満を持して、忍者姿のお転婆アイダ・チャンが騒動を起こしている内にアダムとチン・リーは脱獄に成功します。
で、再会を喜ぶリューとアダムですが、ワンの策略によって、師匠に毒をもったのは少林寺派だと思い込んでいるアダムと、リューの間に微妙な空気が流れますが、
調度そんな時に清の兵が攻め入って来て、追われる身となります。
で、そんな戦闘の中、アダムは恩人チン・リーに逃げ延びるための剣術を教えます。
金剛拳もそうですが、ちょっと指導されただけで、あっという間に達人レベルにまで腕を上げるチン・リーは、
今教えてもらった技で兵たちを圧倒していきます。
ですが、流石に多勢に無勢で、チン・リーは捕らえられてしまいます。
一方、アダムは武當派の総本山の師匠達に、師匠殺しの罪で囚われてしまいます。
その時一緒にいたリューの妹アイダ・チャンは、、、、、
で、アダムが連れ去られた後、取り返しがつかない出来事に遭遇したリューは、問題を引き起こした武當派打倒に執念の炎を燃やし、その足で、少林寺の総本山へと向かいます。
そこで、数々の僧に引き返すように言われながらも食い下がり、館長の温情によって弟子入りが認められ、少林寺打倒に執念を燃やし、修行の日々に突入します。
一方、同じく少林寺派の打倒目指すアダムも、本格的な弟子入りが認められ、修行の日々に突入し、やがて激突する時を迎える、、、、というのが大体の大筋となっています。
1983年製作作品という事で、（少林寺三十六房）や（少林拳対武当拳）等の名作カンフー映画は既に公開済みで、
本作の内容も、そのようなヒット作品にあやかったような物語展開が多く見受けられる内容ではありますが、
既視感満載ながらも、リュー・チャーフィーやアダム・チェン、ワン・ロンウェイのアクションはやはり素晴らしく、
またラウ・カーリョン武術指導のきっちりと型を決めつつアクロバティックなアクションも随所に入れて行くスピーディなアクションの数々は、
観ていて飽きる、という事が一切無く、ドラマチックなドラマ部分としっかり融合して作品世界を盛り上げていきます。
勿論お約束の修行シーンも豊富で、身体全体を鍛える少林寺カンフーに対して、手首の訓練に重きを置いている剣術メインの武當派の訓練と、
それぞれの技に合わせた訓練方法も多彩で、クライマックスへ向けて盛り上げていきます。
ただ、結構ドラマチックな物語が、90分程にコンパクトにまとめられているがゆえに、ワン・ロンウェイが、部下や妹の言いなりのように簡単に考え方を変えたり、
チン・リーが両派の奥義をあっという間に習得したり、深掘りできそうなキャラクターがあっさりと離脱してしまったり、と色々と端折っているような展開が目立ち、
その究極系として、
クライマックスバトルの終わり方が、まるでジャンプの打ち切り漫画並みに、終幕残り数秒で強引に全部収める、
という感じのブツ切りでエンディングを迎えてしまい、
最終的に
ズコッ！！ちゃんちゃん！！
的にコメディ風に終わってしまいますので、その点は非常に残念なエンディングとなっています。
ただ、こういう、ズッコケブツ切りエディングは当時の香港映画では、普通に沢山の作品で観かけましたので、
ある意味、旧正月映画の皆登場しての挨拶や、ジャッキー映画のNG集ぐらいにお馴染みのエンディングとも言えますので、これはこれでありではないでしょうか。
という事で、少々展開が早い作品ではありますが、素晴らしいアクションと少林寺映画で観たいシーンが沢山登場する、
人気作品の良い所取りのような作品となっていますので、カンフー映画好き、香港映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
あと、本作個人的には昔から何度も鑑賞し直して台詞を覚えてしまうぐらいに観返した作品ですが、その中でも、
強烈に印象に残っているワン・ロンウェイの台詞を最後にご紹介させて頂きます。
チン・リー『何故、この人達を殺そうとするの？』
チン・リー『こんなところでも、お互いの技を尊重し合うなんてすばらしい事じゃないの。』
チン・リー『二人を行かせてあげて。』
ワン『、、、、、、、、』
ワン『、、、、、、、』
ワン『やだぁーー！！』
駄々っ子かいっ！！
作品情報
1983年製作 香港製作 カンフーアクション
監督 リュー・チャーフィー 製作・武術指導 ラウ・カーリョン
出演 リュー・チャーフィー、アダム・チェン、ワン・ロンウェイ、アイダ・チャン、クワン・ホイサン、リー・ホイサン、チョイ・ガムコン、ラム・ハックミン
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