【カンフー映画】セブン・ウォリアーズ戦神灘 (戦神灘BEACH OF THE WAR GODS)96分

投稿者: | 2021年8月29日

カンフー映画としてのお薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

中国を侵略していた倭寇を倒すため、選りすぐりの剣士たが、立ち上がる!ジミー・ウォング監督・脚本・主演による香港版、(七人の侍)!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、伝説のスター、ジミー・ウォング監督・脚本・主演による武侠作品です。

それでは、まずはあらすじから、

明朝の時代、沿岸地帯では倭寇によって侵略が進み、各地で暮らす人々の生活が貧窮していた。

そんなある日、広州の知事を叔父に持つ剣客シャオ・フォン’(ジミー・ウォング)がやって来る。

数々の横暴を見にしたシャオ・フォンは、その地域の村人たちを救うため、腕に覚えのある剣客たちを集めて、倭寇討伐作戦を開始する!?

ジミー・ウォングお得意の剣客役!!
ラスボスは、ジミー作品ではお馴染みのロン・フェイ

ゴールデンハーベスト製作の、ジミー・ウォング監督・脚本・主演のよる武侠大作です。

今回は、倭寇の侵略の進む沿岸地区に住む人々を救うために、ジミー・ウォングが名うての剣客をスカウトして倭寇討伐作戦を行う、

という日本の(七人の侍)にオマージュを捧げたような内容となっています。

倭寇側のボスの役名が橋本忍という事で、(七人の侍)の名脚本家の名前をそのまま使用するという部分にも、オマージュの感じられる作品となっています。

というところから逆算して命名された邦題(セブンウォリアーズ戦神灘)だと思われますが、この物語で実際助っ人として登場するのは、何度数えても5人なので、

ファイブウォリアーズというタイトルが本当は正しいと思うのですが、、。原題にも表記されていませんし、、。

という事で5人の剣客とその部下の兵士たちと倭寇の戦いを描いた物語となっています。

5人!!2人足りない!!

物語展開としては、仲間を集めて倭寇と戦う、という部分に集約されているので、他に細かい設定などはないのですが、

逆に言うと、96分という短めの物語の後半半分近くが合戦のシーンとなっていて、観ている間中ほとんど戦っているシーンが続く、というある意味潔い作品となっています。

勿論、合戦シーンが本作最大の見せ場なのですが、一応メリハリをつけるためにも、助っ人キャラクターは、個性的な面々になっています。

まずは、刀鍛冶屋の店主で、刀を握させると右に出る者がいない、刀の達人。

刀の達人をスカウト。やってやるぜ!!

そして、物凄く身軽で、進出気没、どっちつかずっぽいけれども、結局力を貸してくれる投げナイフの達人。

そのホルダーでは、ナイフの先がむき出し過ぎるので、危ない、、。

そして、いがみ合っていた槍の達人とその部下たちと、珍しい盾を武器にして使う達人とその部下たち(ここで人数を多めに確保)の集団を一時休戦させてまとめてスカウト、

珍しい盾を武器にして、敵を挟む、という力技。しかも両手。
こちらも槍を両手に持って戦う珍しい武器

という感じで、ジミー入れて主要メンバー5人で倭寇に立ち向かいます。

勿論こういった流れの作品で、全員無事に生還できる事もまずありませんので、後半は英雄の散り際がメインとなっていきます。

さらに、こういった複数の仲間が活躍する作品では、それぞれの個性が魅力となる反面、主人公の存在感が薄くなりますが、

本作も例に漏れず、ジミーは主役でありながらも、そんなにアクションは多くなく、ほとんどのシーンが仲間たちと倭寇の合戦シーンに割かれています。

長く続く大合戦!!

で、中盤以降のほとんどのシーンが合戦シーンですので、そのままの流れで終わるのかと思いきや、残り10分というところで、合戦は一時中断されます。

物語的には、戦況不利という判断なのか、倭寇が一時撤退します。まだまだ兵力は残っていそうですが、謎の一時撤退です。

ジミー側も、戦況が有利ならそのまま戦えば良いのに、少し夜まで休憩しよう、と言い出します。

休憩しながら戦う、というまるでスポーツのような合戦ですが、要するにラストのバトルに関しては、やはりジミー・ウォングロン・フェイの一騎打ちで描きたかったようで、

合戦が再会された際には、お互いのボスが一騎打ちで戦うのを皆で見守る、という何かの大会の決勝戦のようなラストバトルとなっていきます。

ラストバトルは一騎打ち!!

そこで、いよいよジミーも本領発揮の大バトルとなっていくのですが、ジミーロン・フェイの戦いは激しいながらも、力量的にはほとんど同格のような闘いとなっていますが、

ロン・フェイが必殺技的に繰り出すのは、所持している二本の刀を十字にかざすと、光が反射して、相手に目くらましを食らわして、その隙に攻撃を加える、

という、ある意味卑怯な戦法で、皆が静かに観ている前で、その技を連発します。

おりゃ!と必殺十字反射!!

この奇をてらったような技に怯むジミーも、かなり苦戦を強いられますが、なんとか少しづつ善戦し、

なんとかスキをついて、ロン・フェイの二本の刀のうち一方を取り上げて、十字反射をできないように封じ、

いよいよ、ジミーの逆転必殺技が炸裂、その技とは、、、!?

やられたらやり返す!!

奪った刀と自分の刀を十字にかざして、掟破りの逆十字反射!!!

怯んだロン・フェイをぶった切って、倭寇に大打撃を与えたのでした、、、。

ジミー・ウォング主演作品は、王道の展開ながらも、どこかちょっと個性的で、今観返すとツッコミ所となる箇所が何か所か存在します。

本作のロン・フェイジミーが繰り出す十字反射攻撃も、冷静になると、夜の暗闇の浜辺、という状況なので、光の反射を使う攻撃自体がありえないのですが、

それでも、ジミーのバトル中にその攻撃が繰り出されると、そこはもう有無を言わせぬ説得感で満たされてしまいます。

他にも、町に侵略してくる倭寇の兵士たちに、ジミー側の兵士が最初にお見舞いした攻撃は、屋根の上から通りを歩ている兵士に熱湯をかける

という、命のやり取りをしている合戦では、まず見かける事のないようなイタズラみたいな攻撃でした。

熱湯をかけられた倭寇たちは、かけられたときは『ぎゃああああ!』と叫びますが、その後すぐに起き上がって進軍を再開しています。

熱湯かけ作戦。ずっと温めてたんでしょうか、、、。

というように、ジミー・ウォングの、特に監督など製作側にも参加しているような作品には、そういった表現が多く、なかなか別な意味でも楽しめる作品が多く存在します。

それでも、ジミー作品には、有無を言わせぬ迫力もありますので、その辺も含めて作品の魅力と言っても良いのではないでしょうか。

古めの作品でDVDなども多少レアな作品ですので、鑑賞までのハードルは少し高めですが、配信なども突然開始される事もあるかもしれませんので、

機会がありましたら、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

ジミーさんの、そんなに強そうには見えないのに、とりあえず有無を言わせない迫力は、どの作品でも伝わってきますよ。

進軍する倭寇。皆、自分の苗字を旗に記名してます。分かり易いですね。
(スパルタンX)などのブラッキー・コー発見!!本当に一瞬ですけど、、。

作品情報

1973年製作 香港製作 武侠アクション

監督・脚本 ジミー・ウォング 制作 レイモンド・チョウ

出演 ジミー・ウォング、ロン・フェイ、サン・マオ、シュエ・ハン、ティエン・ヤン

後半40分続く合戦!!
ずーっと戦ってます!!

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