【カンフー映画】イップマン 宗師【葉門宗師IP MAN KUNG FU MASTER)83分

投稿者: | 2021年2月14日

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

デニス・トー主演版の最新作は、どこかで見た事のある展開が続出するオリジナルイップマン物語!!後半ブラックマスクになります!!

作品紹介

2020年12月11日公開

今回ご紹介するのは、イップマンをドニー・イェンではなく、(誕生)のデニス・トーが再び演じたカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

警察官として勤務しているイップマン(デニス・トー)は、あるマフィアの殺害の濡れ衣を着せられて、

その娘に復讐の標的にされるが、正義を貫こうとしない警察の姿勢に職を辞する決心をする。

そんな時、中国侵略のため、日本軍が佛山に進行してくる。

日本軍は警察と結託し、圧政を強いるが、これに立ち向かうため、日本人が催す日本中国武術交流試合に参加する事を決意するのだった!?

デニス・トーのイップマン再び

ドニー・イェン主演の正統(イップマン)シリーズは残念ながら終了しましたので、

本作は本家シリーズとは全く関係のないデニス・トー主演の(イップマン)作品となっています。

デニス・トーハーマン・ヤウ監督版の(イップマン誕生)で主役のイップ・マンを演じていましたので、

一応、本作はデニス・トー版(イップマン)の第二弾という事になります。

ですが、ハーマン・ヤウ監督版は(誕生)のあと、アンソニー・ウォン主演で晩年のイップマンを描いた(最終章)へと続いていきますので、

ややこしいですが、本作は、ハーマン・ヤウや、その製作会社とは関係のない、独立した作品となっています。

ハーマン・ヤウ監督版も亜流といえば、亜流ですが、正統シリーズに出演していたサモ・ハンファン・シウオン、さらにユン・ピョウなども出てくる豪華な顔ぶれで、キャスト・スタッフ共に本家に引けを取らない出来栄えでした。

それに続く(最終章)もアンソニー・ウォンを筆頭に、エリック・ツァンアニタ・ユンジリアン・チョンジョーダン・チャンなどこちらも豪華な顔ぶれで亜流という言葉で済ませられないような豪華な作品となっていました。

というところで、本作ですが、完全な香港映画だった本家とハーマン・ヤウ監督版とは違い、

本作は主演のデニス・トーこそ続投していますが、それ以外は、完全に中国側で製作された作品で、

スタッフ・キャストなどもゲスト的なマイケル・ウォン以外は香港らしさ、イップマンらしさは感じられません。

マイケル・ウォンも出てます。こういうゲスト出演多いですね

主演が同じ続編で、これほど変わってしまうのか、というぐらいにまるで違う雰囲気の作品となっています。

ですので、それまでの作品との繋がりはほとんどなく、デニス・トー主演の新たな(イップマン)作品となっています。

簡単に言ってしまうと、(イップマン)の亜流作品のさらに亜流作品、といったところでしょうか。

製作陣が変わることで、内容も今までとは趣が違っています。

まず、アクションに関しては、デニス・トーのアクション自体は実際に詠春拳の使い手というだけあってキレのあるアクションが展開されるのですが、

それを見せる側が今までような多くの有名カンフー映画で経験を積んでいるアクション監督や、スタントマンではなくなっているために、

いまいち凡庸なアクションに見えてしまい、ハーマン・ヤウ監督版のころのような怒涛のアクションの連続にはなっていませんでした。

それと、アクションシーンのほとんどがどこかで観たような設定ばかりで、オマージュというほどはリスペクトを感じませんでしたので、

単純に良いとこ取りの結果、継ぎはぎ作品のような展開の連続の作品となったのではないでしょうか。

少々例を挙げると、まず、前半にはチャウ・シンチーの(カンフーハッスル)に登場したギャング団が登場しますし、

お酒を酌み交わしながら、師匠が弟子にカンフーの型を見せて、手ほどきしていく様は、あまりに有名過ぎるジャッキーの(酔拳)ですし、

ジャッキーの(酔拳)の師匠と親交を深めるシーンに似てます

雨の中で黒い中国服、白い帽子を被って戦う姿は、完全にトニー・レオン版イップマンである(グランドマスター)ですし、

雨の中で戦うのも良く見かけます

日本人と公衆の面前でリングで戦うシーンは、もう他の多くの作品で何回も観ました

ラストのお約束、公衆の面前で日本人とバトル

さらに後半では何を思ったのか、完全に黒いマスクを被って(ブラックマスク)になってしまいます。

まさかのブラックマスク登場

それをやっていたのはブルース・リーで、イップマンはその師匠なので別人なんですけどね、、。

さらに、さらに、何故か、イップマンを慕う周りの人々が、自分たちも黒いマスクを被ってブラックマスクになって日本人と戦う、

という、何故、そうなるのか、はっきり良くわからない展開へと突入していきます。

女子もブラックマスクに
太めのおじさんもブラックマスクに

なかなかのトンデモぶりですが、もうイップマン作品とはいえないような展開になってしまっているので、

もし、次回作があれば、完全にブラックマスク映画になるのではないでしょうか。

ツイ・ハーク監督の(ブラックマスク)も2まで製作されていますので、次回作は(イップブラックマスク3)ぐらいになってもおかしくないぐらいです。

それにしても、香港から始まったシリーズをほぼ中国側だけで製作した続編やリメイクで、成功している作品がほとんどない、

と感じているのはわたしだけでしょうか、、、。

という事で、本作はイップマン作品ではありますが、今までのイップマンのイメージは完全に捨ててしまってのご鑑賞をお勧めします。

作品情報

2019年製作 中国製作 カンフーアクション

監督・脚本 リ・リーミン

出演 デニス・トー、マイケル・ウォン

警察ものになるかと思いきや、あっさり辞職。

その他のイップマン作品

本家、ドニー・イェン伝説のカンフーアクション(イップマン)シリーズはこちら

イップマンシリーズの堂々完結編はラストバトルにスコットアドキンスも登場の(イップマン完結)はこちら

マックス・チャン主演のイップマンシリーズ正統な外伝(イップマン外伝 マスターZ)はこちら

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