おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
（大空港）や（大地震）、（ポセイドンアドベンチャー）等、当時大流行していたディザスターパニック作品に、クスッと笑えるギャグをバランス良く注入したテンポの良いパロディアクション！！
作品紹介
1976年12月4日公開
今回ご紹介する作品は、ディザスター作品を縮小パロディ化したコメディアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
全長50メートル、重量75トン、32個の巨大なタイヤをはいた世界最初の原子力バス『サイクロプス号』が、ニューヨークからデンバーに向けて発車した。
しかし、原子力を商売上の脅威とみなした国際的な石油会社グループは、その処女走行を阻止するために、破壊工作として社内に時限爆弾をしかけるのだった！？
監督は、テレビシリーズの（刑事コロンボ）や（ヤングスーパーマン）等、多くの作品を監督しているジェームズ・フローリーで、
規模が大きそうで小さめなパニックコメディを演出しています。
因みに、本作（刑事コロンボ）で見かけるキャストが結構登場しますので、コロンボファンの方にはキャスティングを見るだけでも結構楽しめてしまいます。
主人公のバス運運転手役は、（アリゲーター2）や（ウーマン・イン・レッド）等のジョセフ・ボローニャで、過去の出来事で、皆に白い目で見られている実力派の運転手を演じています。
で、主人王の元カノで、ジェットバスの設計者でもあるヒロイン役で、（グリース）や（名探偵再登場）等の、
ストッカード・チャニングが登場し、主人公を旅に誘います。
で、主人公の相棒運転手となる男役で、（スリーパー）や（ローラーボール）等のジョン・ベックが登場し、笑いを誘います。
で、バス運営会社の本部の管理者役で、（大陸横断超特急）や（エクソシスト2）等のネッド・ビーティが登場し、旅には参加しませんが本部でズッコケます。
で、乗客の神父役で、（パトリオット）や（キングコング）等のルネ・オーベルジョノワが登場し、車内で笑いを振りまいていきます。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、原子力エンジンを積んだジェットバスがついに完成し、
そのお披露目となる記者発表の席で、ジェットエンジンの研究施設が、何者かによる工作で爆破されてしまうシーンから始まります。
ただ、既に完成していたジェットバス（サイクロプス号）は無傷ですので、破壊工作にもめげずに予定通りに運行はスタートする事になります。
しかし、爆破によって特殊なバスの運転手を失ってしまい、代役も社内にいない、、、、、いや、しかし、、、あいつなら、、、、、
、、、、という事で、凄腕バス運転手であるジョセフ・ボローニャが招集される事になります。
しかし、ボローニャは、そのバスの設計者で、おそらく運営会社の幹部でもあるヒロインのストッカード・チャニングとは、元婚約者という関係ですが、
色々あって婚約破棄となってしまい、関係が修復していない状態のままで数年が経っていますので、
チャニングとしては関わりたくないながらも、父親のたっての希望という事で、ボローニャが運転手を務める事になります。
で、個性的な乗客180名を乗せたサイクロプス号は、ニューヨークからデンバーに向けて発車しますが、原子力を脅威に感じている石油会社の悪徳社長による破壊工作は続き、
サイクロプス号の内部に時限爆弾がしかけられたまま、猛スピードで走り始める！？、、、、
、、、、というのが、大体の大筋となっています。
本作は、冒頭のナレーションで、（大地震）や（大空港）、（ポセイドンアドベンチャー）、（タワーリングインフェルノ）のような作品のパロディだという事を、いきなり自ら語ってしまうように、
当時大流行していたディザスターパニック作品を基に、クスッと笑えるギャグを多数注入した完全なコメディ作品となっています。
ですので、色んな事件が起こりますが、ノンストップという事にこだわって、決してバスの走行は止めなかったり、
走行中にタイヤがパンクしてもそのまま取り換える装置が作動したり、走行中に洗車できたり、という感じで、
ノンストップで走り続ける事にこだわるがために、逆に色んな危機を呼んでいきます。
全部止まると逃げ切れる危機ですが、、。
さらにこのジェットバス、こう見えても車内にはボウリング場や、プールまで完備している、という面白仕様で、
バーには、ピアノの弾き語り歌手まで常駐していたりします。
要するに、実は、（ポセイドンアドベンチャー）や（大陸横断超特急）のような豪華な施設を、バスなのに完備している、
という事で、そういう施設を活かした展開（大体ギャグシーンですが）等もあったりして、スケールの小さいディザスターパニック要素は、一応完備しているバス設定となっています。
ですので、『バス走行でディザスター？』という感じではありますが、しっかりと走行しながらタイヤの調子が悪くなりますし、
その不具合を修理するために走行中のバスの屋根までよじ登ったり、その際に爆弾を見つけてしまって、爆弾処理サスペンスが展開されたり、
付近を走行中のトラックが事故を起こして飛んできて、バスに突き刺さったり、ブレーキが故障したり、
ついに停車したと思ったら、断崖絶壁のギリギリ間際だったり、そこからバランスを取るために、バス前方に設置されている飲料を後方の調理室に排出したら、
そこにチャンイングがいて閉じ込められて溺れそうになったり、、、
、、、という感じで、ギャグ要素を前面に出しながらもしっかりとディザスターものの見せ場は描いていく、
という良く考えられたバランスのパロディ作品となっています。
登場するギャグは、人によって感じ方は違うかもしれませんが、大笑いでは無くても、クスッと笑ってしまう系統のギャグが多く、
少々ブラック目のギャグもありますが、終始楽しい雰囲気に包まれた作品世界となっています。
という事で、ツッコミ所は満載ですが、本作は、そのツッコミ所こそが、面白味となている笑えるコメディ作品となっていますので、
ディザスター作品好きの方や、コメディ作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
結構笑えますよ。
作品情報
1976年製作 アメリカ製作 パニックコメディアクション
監督 ジェームズ・フローリー
出演 ジョセフ・ボローニャ、ストッカード・チャニング、ジョン・ベック、ルネ・オーベルジョノワ、ネッド・ビーティ
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