おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
中国人民解放軍のプロパガンダ全開な英雄展開が、あまりに極端ながらも、軍が製作に大きく関与してるため、登場する銃火器やエキストラの物量がハンパない、戦闘シーンに関しては豪華すぎるペラペラストーリーのミリタリーアクション！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、中国人民解放軍が、製作に参加したミリタリーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
アフリカで行われる国連平和調停の会合を阻止するため、武装勢力がテロ活動を活発化させていた。
中国の国連平和維持軍は、調停団を護衛するために特殊部隊を編成する。
しかし、順調に行くかに見えた護衛任務だったが、ある人物の裏切りによって、部隊は絶体絶命のピンチを迎えるのだった！？
監督は、（维和步兵营）や（浴血无名川）等、同じような系列のミリタリーアクションを手掛けている二ン・ハイチアンで、本作でもプロパガンダ全開の英雄物語を演出しています。
主人公となる隊長役は、（夜袭）や（霓虹灯下新哨兵）等のシュー・ホンハオで、同じような作品への出演が続きますが、それほど強さを感じない隊長役を演じています。
で、人質を守って自らも危険な目に合う平和維持軍の兵士役で、（莫斯科离大同不远）や、TWINSのジリアン・チョン主演のドラマシリーズ（护宝联盟第一季）等に出演している
ウクライナ出身のイライザが登場し、体当たり演技で、ドラマを盛り上げていきます。
で、事件に巻き込まれる被害者ながらも後半捻りのある役柄で、同じくウクライナ出身、（战神诀）に出演しているダリアが登場し、
前半と後半で別人のような大役を演じています。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、アフリカに中国の国連平和維持軍が集結し、捕らえられていた現地の女医を含む市民を、
大規模な爆発から最小限の犠牲での救出作戦に成功するシーンから始まります。
しかし、この作戦中、爆弾を解除したと思ったものの、その十秒後に大爆発が発生する、という時間差で再起動する特殊な爆弾によって、
中国軍の兵士が犠牲になってしまいます。
この事件をきっかけに、現地はさらに緊張感が増し、近々開催される予定の国連平和調停の会合を阻止しようとする現地テロリスト（を含む色んな悪人）の動きが活発になっていきます。
で、そんな危険地帯と化しているアフリカへの中国平和維持軍の投入も益々増えていき、いよいよ平和維持軍のソフィー中尉（イライザ）に、平和調停団一行の警護任務が命じられます。
そこで、ソフィーは、以前自身の命を身をもって救ってくれた英雄兵士ドゥー・フォン（シュー・ホンハオ）を呼び寄せて、
特別警護チームを編成する事を決定します。
で、ドゥー・フォンは、腕利きの英雄達をスカウトし、最強チームを編成、まずは、先日発生した爆弾事件の詳細を調べるために現地に向かい、
生き残った女医（ダリア）に犯人たちの容姿などについて聞きますが、それほど有力な情報はつかめず、代わりに助手のビリーが爆弾に詳しいという情報を聞き出します。
で、街へ出かけているビリーをつかまえようとしますが、その街は、凄まじい無法地帯で、悪党グループが暴力、略奪等し放題の荒廃ぶりで、
ビリーは、そんな悪党グループに入ってしまった弟を心配して街にやってきていました。
で、精鋭英雄チームが街に入ると、当然のように女性が襲われていますので、勿論暴行を止めに入りますが、
一応、非戦闘地帯のため、兵士の方からは攻撃を加える事ができないため、とりあえずビリーはゲットできたのでそのまま基地へと戻ります。
しかし、ビリーからは何も情報を得る事が出来ず、むしろ抗議されるぐらいでしたので、一旦解放し、泳がせておいて手がかりを掴む作戦へと切り替えていきます。
で、戦車に戦闘服という目立つ恰好で、なんとなく後を付け、ついに誰かとホテルで待ち合わせ連絡をしている、ビリーの電話を盗み聞きした英雄戦車隊は、
そのホテルが、調停団一行が宿泊するホテルだと確認し、現地に向かいます。
戦車や装甲車で。
で、現地に着くと、調度食事に来ていたダリアと再会する一行ですが、そんな時に、あの街で一触即発になった悪党グループが、
武装占拠しようと攻撃を開始します。
しかも、子供に見覚えのある爆弾を仕掛ける、という馴染みのパターンで、英雄戦車隊は反撃に出ますが、
食事をしていたダリアの子供を人質に取り、そのまま激しい戦闘をしながら逃げてしまいます。
で、一方、調停団をホテルへとバスを運転して送っていたソフィーは、道中で、悪党グループのボスに捕まってしまい、
悪党グループの秘密基地へと調停団と共に連れて行かれてしまいます。
で、ホテル奇襲組と調停団拉致組が合流した大悪党グループに捕らえられた人質グループを救出するため、
英雄戦車隊は、少ない人員で決死の作戦を開始する！？、、、、、、
、、、、というのが大体の大筋となっています。
という事で、中国人民解放軍が製作に大きく参加したプロパガンダ映画です。
兵士の英雄的な活躍を見せる、という事が一番の製作目的の作品ですので、ミリタリー作品ジャンルも沢山ありますが、
ハリウッド映画などの良い部分を真似つつ、完全な娯楽映画とは少しズレた感覚の内容となっています。
まずは、兵士の英雄ぶりをメインで描く作品ですので、個人の個性等はほとんど描かれません。
個人の幸せよりも、仲間のため、軍のため、国のために、どんな目に合おうと任務を遂行する英雄達を描いた作品だからです。
ですので、ズッコケ兵士や、弱虫兵士、兵士内の裏切り者、自分勝手な兵士、等、普通のドラマでは物語を展開させそうなキャラクターは一人も登場しません。
しかも、全員私服にさえならずに、ずっとゴツイ戦闘服にブルーヘルメットに重武装という格好ですので、
正面を向いていないと、誰が誰かも分かりません。
そんな状況では、物語が展開しようもないのですが、そこを外国人キャストであるイライザとダリアの二人が全てカバーしていきます。
隊を率いて、調停団を先導し、悪党グループに捕まって、危ない目に合って、主人公達と合流して再び戦闘に参加する、
という本来主人公や、準主役がやりそうな率先した行動は、全てイライザが行いますし、前半翻弄される被害者として登場し、
後半にかけて一挙に目立つ役柄になっていくダリアも、初登場時では考えられないような活躍を見せていきます。
二人共、全く主役達から離れた立ち位置にいますが、、、。
で、英雄主人公達は何をやっているか？というと、、、、、
物語が展開した後の英雄的な戦闘シーンを長々と繰り広げていきます。
次に、誰かが物語を展開させてくれるまで、、、、。
そういう構成ですので、非常にアンバランスな作品で、物語が展開するような重要なシーンはササっと終わり、
かなりの時間が割かれている英雄戦闘シーンにしか印象に残らないために、ずっと何も発生せずに、ずっと英雄戦闘だけが続いているような感覚に陥ってしまいます。
要するに飽きます。
軍が製作に関与していますので、銃火器やエキストラの数など、作品の規模には合わないぐらいに投入されているのですが、
物語にメリハリが無いので、本当に銃火器を使用する映像を集めた生粋のプロパガンダ？と思えるシーンも少なくありません。
自軍にも敵軍にも格闘のできる人員がいたり、意外にしっかりと敵軍のボスの正体に関する大どんでん返しが合ったり（誤魔化し方が上手いです）、
という感じで、もっと娯楽に寄せていれば面白くなりそうな要素も存在するのですが、それを上回る英雄要素のために、娯楽度が極めて薄い印象を受ける作品となっています。
ただ、やはり銃火器の登場数は相当なものですので、ミリタリー関係好きの方等はかなり楽しめるのではないでしょうか。
という事で、プロパガンダ全開作品ですが、アクションシーン等は、それなりに楽しめる作品となっていますので、
戦争映画好き、アクション映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2018年製作 中国製作 ミリタリーアクション
監督 二ン・ハイチアン
出演 シュー・ホンハオ、イーロン、ポン・シーデン、二エ・ユエン、イライザ、ダリア
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