おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
(カンフーヨガ)や(プロジェクトV)等の近年のジャッキー作品でお馴染みのムチミア主演によるコミックヒーローのようなSFアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
近年のジャッキー作品で大活躍のムチミア主演によるSFミュータントアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
2077年、違法な人体実験で超能力を持つミュータントを生成する悪徳企業メデューサの悪事の証拠を掴むため、
政府の捜査官ゴーストは、捜査を行っていたが、その過程で、組織に捕らえられてしまい、自身も人体実験を施されてしまう。
なんとか、脱出には成功するものの、ゴーストを亡き者にしようと組織のミュータントたちが襲い掛かるのだった!?
(カンフーヨガ)や(プロジェクトV)(詳しくはこちら)等の近年のジャッキー作品や、アーロン・クォック主演の(西遊記 孫悟空VS白骨夫人)、
チウ・マンチェクが勝手にシリーズ続行(多分)した(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ英雄復活)等、
近年レディドラゴンとして大活躍を見せているムチミヤ主演のレディースアクション作品です。
(プロジェクトV)の記事でも書かせて頂きましたが、レディドラゴンとして将来大活躍しそうな気配が溢れ出ていましたので、
本作の単独主演(といってもメインで活躍する立場の違う女性キャストは4人登場する作品ですが)をきっかけに、どんどんと人気が出ていくのではないでしょうか。
今後は(我是女特警)という、もろにレディースアクション全開な作品等も控えているようですので今後の主演作品も期待が高まります。
で、ムチミア以外に出演しているキャストですが、主人公の妹役ながらも、敵に操られ、悲しい対決を強いられることになる役柄を、
武侠作品(古墓诡棺)等に出演している、ツイ・ジェンジェンが演じ、コンクリートの破片を片腕にへばり付けて、
腕力を高めて攻撃する、という漫画チックな技で姉と激突します。
その姉妹が敵対する事になる悪徳企業側のミュータント役で、香港映画の大ヒット作のリメイク(新画皮)や、
ユン・ピョウ主演のアクション(棺山古墓)等に出演しているシェンナが、印象的な強敵として登場し、主人公を追い詰めていきます。
さらに、別のミュータントとして女学生のような雰囲気で、やたらとPSPでゲームをしながら参戦してくる刺客的な役柄で、
(绝配酥心唐)等のテレビドラマで活躍しているゼン・ユージェンが登場し、主人公と激闘を繰り広げます。
そんな4人のレディドラゴンが激突するSF世界観で、主人公をサポートする役柄を、(山河令)や(唐人街探偵)等テレビシリーズや、
映画版である(唐人街探偵東京ミッション)(詳しくはこちら)、(ムーラン美しき英雄)等で活躍しているリー・ミンシュエンが演じ、
主人公にツンデレな態度を取られながらも、次第に愛情で結ばれていく、という重要な役柄を演じています。
さらに、この主人公を追い詰めていく悪徳企業側のイケてる(風の)社長役を、エディ・ポン主演の(悟空伝)や、(魔女狂花)等のアクション作品に出演しているリウ・ベイグーが、
雰囲気たっぷりに演じ、物語を盛り上げていきます。
というレディドラゴンを中心とした話題のキャストが結集した作品となっています。
ただ、、、、
魅力的なキャストが揃っている本作ではありますが、製作者の(ブレードランナー)のような世界観を背景に、
(Xメン)のようなミュータントバトルを描きたい、というような思いは物凄く伝わるのですが、予算の都合か、上演時間の都合か、
何せ72分といういつもの配信専用中国作品のあまりに短い上映時間のために、壮大な世界観を描き切れるはずもなく、
例によっていきなり物語が始まって15分ほど経過した途中、のようなシーンから始まり、独特のSF世界の説明もほとんどなく、ポンポンを話が進んで行きますので、
登場人物達も、今初登場したばかりなのに、もう既に自分たちの事は知られている、ような感じで物語が語られていきます。
しかも、2077年という設定で、着ている服も独特で、その衣装もコロコロ変わる上に、SF感を増すためだと思われますが、
画面が全体的に色調を落としている、というか白くぼやけているような独特の色合いですので、誰がどういう立場で、
何のために戦っているのか?等が、把握できないままに物語がどんどん進んでしまいます。
煙の中で映画を鑑賞している感じです。
しかも、女性キャストが4人も登場しますので、やっと、どういう立場か把握できた頃に退場していく、という、これも上映時間の短さが裏目に出るようなテンポで物語が展開していきます。
流石に主人公のムチミアは、それでも長い時間を使ってアクションシーンが結構あったり、やたらと模様替えが激しかったりという感じで、
魅力的に描かれてはいますが、やはりサポートメンバーのリー・ミンシュエンとのラブロマンスエピソード等、
もっと他の作品のように落ち着いて描かれていれば、主人公の悲劇的な立場をもっと深掘りできそうな展開になるのに、期待が膨らんだところでサクッと終わる、
という感じで、それぞれの要素がかなりコンパクトにまとまってしまって薄味になってしまいます。
さらに、本作の一番の見所とも言えるミュータント同士の超能力アクションですが、これもマーベル作品、
特に中国系でマーベルものである(シャンチー テンリングスの伝説)(詳しくはこちら)等と比べる(のはちょっと作品規模的に不公平な気もしますが、、)と、
武術アクションとCGアクションが上手く融合し、武術映画としても、ヒーロー映画としてもどちらも十分楽しむ事ができた(シャンチー)に対して、
本作は、ムチミアというジャッキーが自作で二回も起用するほどに動ける俳優をキャスティングしておきながら、
いざ、ミュータントバトルに突入すると、ミュータントの常人離れした動きの素早さを表現するために、
動き出した瞬間に煙のようなCGと共に姿がパッと消えて、姿が見えたと思ったら、もう、相手にパンチを当てている、
という感じで、凄すぎる者同士が戦っているので、動きが見えない、というドラゴンボール等の漫画みたいな表現を採用してしまっていますので、
本気で戦うたびに、バトルシーンが見れなくなる、
というまさかの
作品で一番売りになるはずのシーンだけが毎回観れない、
という負のスパイラルが終わりまでずっと続きます。
ムチミアも時々、グイッとあがる得意の打点の高いハイキックを披露しますが、見れるのは蹴りが決まって相手が壁に吹っ飛んでしまってからです。
ドニー・イェンの初期の監督主演作品(ドラゴン危機一髪97)等で、物凄い早回しアクションの連続の時期がありましたが、
本作のアクションは早回しではなく、早飛ばしです。
戦っているシーンは飛ぶか、スローか、もしくはカメラを登場人物の周りをぐるぐる回るか、のいずれかのパターンで描かれます。
ですので、SFアクションを見ている感覚はずっとありますが、飛ばし飛ばしで目くらましのようなアクションの連続なので、それぞれのアクション自体がそんなには印象に残らない、
という動けるキャストの主演作品としては少々残念な作品となっています。
これも、もしかすると上映時間の短さを考慮してのことかもしれませんが、
上映時間を短くするために、見せ場を描かないのは、これ以上の本末転倒も無いのではないでしょうか。
という事で、魅力的なキャストも揃っている期待のムチミア主演作品で、容姿端麗なレディドラゴンぶりが全開に出ているとは言い難いですが、
お色直しの回数も多く、セクシーなドレスからラフな普段着、最終的にサムライみたいな恰好まで登場しますので、そういうアイドル映画的な魅力に関しては十分魅力的な作品とはなっていますので、
香港映画好きの方や、アジア映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
SF要素無しでのムチミア主演のアクション作品が見たいですね、、。
作品情報
2022年製作 中国製作 SFアクション
監督 リウ・ビンジェ
出演 ムチミア、ツイ・ジェンジェン、ゼン・ユージェン、リー・ミンシュエン、リウ・べイグー、シャンナ
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