おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
伝説の海賊の秘宝を巡ってアレクサンダー・フーシェンとその実弟チャン・ポンポン、リュー・チャーフィー、ワン・ロンウェイが激突するラウ・カーウィン監督・出演・武術指導のコメディカンフーアクション!!


作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、アレクサンダー・フーシェンとその実弟チャン・ポンポン主演のコメディカンフーアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
お宝探しの専門家執到宝は、伝説の海賊張保仔の隠し財宝の手掛かりを知る男招九積と知り合い、ある骨董商が持つ手紙に、そのヒントが隠されている事を知る。
早速、宝探しを始める二人だったが、そんな二人の前に、財宝を狙う正義の拳士莫沖が現れ、争奪戦へと発展していく!?

監督と出演、そして武術指導も兼任しているのは、(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこいちら)や、
(少林寺破戒大師伝説)、(燃えよデブゴンカエル拳対カニ拳)(詳しくはこちら)等のラウ・カーウィンで、
面白娯楽設定と、アクロバティックなアクションを演出しています。





主演の青年役には、(少林寺秘棍房)や(嵐を呼ぶドラゴン)等に主演し、自動車事故で28歳の若さで急死した薄命の貴公子アレクサンダー・フーシェンで、
本作でもイケメン且つ、身軽なアクションと明るいキャラクターというカンフー映画スターではあまり無いようなスター性を発揮し、作品世界を盛り上げています。




で、その相棒となる青年役には、アレクサンダー・フーシェンの実弟で、兄と共に(少林寺秘棍房)や(御貓三戲錦毛鼠)等のカンフー作品に出演しているチャン・チャンポンが扮し、
本作でも、その息の合った掛け合いとアクションで、名コンビぶりを披露しています。



で、その二人に絡む重要な僧侶役で、(少林寺三十六房)シリーズや、(孔雀王)(詳しくはこちら)、


(ドラゴンアームズ危険的刑事)(詳しくはこちら)等の少林寺カンフースター、リュー・チャーフィーが登場し、アクションシーンを盛り上げていきます。



で、敵役となるのは、リュー・チャーフィー監督・主演の(少林寺武者房)や、サモ・ハンの(燃えよデブゴンお助け拳)(詳しくはこちら)、


ムーン・リー主演の(天使行動)(詳しくはこちら)等、名悪役として輝きを放つワン・ロンウェイが登場し、激闘を繰り広げていきます。



で、ワン・ロンウェイの妻役で、(続少林寺三十六房)や、(チャイニーズゴーストストーリー2)、ジョイス・コウ、ユン・ピョウ主演の(レッドリベンジ)等のヤン・チンチンが登場し、
華麗でキレのあるアクションで、主人公チームを追い込んでいきます。





因みにヤン・チンチンは、武術指導家としても活躍していて、チャウ・シンチー主演の(ロイヤルトランプ)シリーズの武術指導や、
ドニー・イェンの(カンフージャングル)には副武術指導として参加している生粋のレジェンドレディドラゴンです。




で、ゲスト的な出演ですが、中盤主人公コンビと共闘して、ワン・ロンウェイと激闘繰り広げる役柄で、
(斗え!デブゴン)(詳しくはこちら)や、(老鼠街)(詳しくはこちら)等のトン・ワイセンが登場し、素晴らしいアクションを披露しています。




で、端役的な出演ですが、図書館の司書役で(プロジェクトA2)や(幻影拳ザ・マジックカンフー)(詳しくはこちら)等のラム・ウェイが登場し、コメディ演技を披露しています。




というカンフー映画でお馴染みのスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、宝探しのプロ役のアレクサンダー・フーシェンが、
伝説の海賊、張保仔の隠し財宝を求めて、その手がかりを知る男、チャン・チャンポンと出会うシーンから始まります。


で、その手がかりというのが、張保仔が友人に送った手紙が存在していて、その手紙に隠し財宝に繋がる手掛かりが記載されている、
という事で、その手紙を持つと言われてる骨董商であるラウ・カーウィンの下を訪ねる事になります。

何故そんな手紙の存在を知っているのか?何故その手紙を持っているのがラウ・カーウィンだと知っているのか?
そもそもチャン・チャンポンは裕福な家のお坊ちゃんの割には、そんなに裕福層には見えないけれど、正体は?

等、色んな説明を端折っていますが、そこは説明不足というより、本作ではそういう部分は重要視しせずに、
他のワクワクする場面をどんどんメインで見せていく、という構成になっています。

で、ラウ・カーウィン自体はちょっと抜けたカンフーのできる老人、といった感じのキャラクターで、ひょうきんな受け答えで、2人と丁々発止を繰り広げていきます。

で、その手紙によると、その張保仔の宝の手掛かりとなる重要な事柄は、(広東海賊誌)という書物に全てまとめられている、
という事が分かり、その書物を読むために、公立の図書館(この時代にもあったんですね、、、)に向かい、
そこで図書館司書役の若きラム・ウェイに、静かにしろと怒られ、大騒動になりながら、(広東海賊誌)をゲットします。


で、その書物から法華寺、というお寺に財宝が隠されているかもしれない、という重要な手掛かりをつかみます。
で、その頃、同時に、そのお宝を狙う者(何故、皆一斉に故人の隠し財産を狙い出すのか?等のきっかけも端折ります)がいて、
画面には映りませんが、張保仔隠し財宝の存在自体が、巷で話題になっている事が分かります。

その中の一人が既に法華寺が怪しい(と何故知っていたか?も端折ります)と睨んでいた正義の武術家のふりをしたワン・ロンウェイとその妻ヤン・チンチンで、
少林寺から法華寺に出向いてきている高名な僧侶であるリュー・チャーフィーを付け狙い、
リュー・チャーフィーが接する者を手にかけ、その罪をリュー・チャーフィーに着せてどんどん追い込んでいきます。


で、最終的に主要メンバーが、法華寺に結集し、大乱闘に発展していく、というのが大筋となっています。


ですので、日本盤DVDジャケットからはリュー・チャーフィー完全主演作品、のようなイメージを連想しますが、
実際はリュー・チャーフィーは主人公ではなく、ゲスト出演的な、主人公二人組の物語を、面白くするために存在している役柄ですので、出番もそれなりに少な目となっています。

演じているキャラクターも、人間的には(少林寺三十六房)のサンダ和尚と変わりませんが、弟弟子たち(なので師匠ではありません)に、自身が乗る神輿を担がせて移動し、
誰かと争いになった時は、戦闘後に白いハンカチーフで手をぬぐい、そのままそのハンカチーフをその辺にポイ捨てする、
という、どう捉えて良いのか判断に困るキャラクターを演じています。



そのハンカチ坊主を、陥れようとするワン・ロンウェイは、いつものように見ただけで、悪者とわかりながらも、それほど不快感のない、
いつも通りの悪役キャラクターを、いつも通りの腕まくりで痛快に演じています。


で、注目したいのは、そのワン・ロンウェイの妻役のヤン・チンチンで、今に至る香港映画のアクションを影で支え続けているだけあって、
その全てのアクションが、そのまま見所と言っても良いぐらいに、素晴らしいキレの超絶アクションを、
周りのカンフー映画の熟練男性スター達の中で、全く見劣りする事無く演じ切っています。



二刀流の刀を振り回しながら、キレのある動きと、超人的なバネと柔らかさで、アレクサンダー・フーシェンやトン・ワイセン、リュー・チャーフィーを圧倒していきます。

一人で戦う時も強敵感満載ですが、クライマックスで、アレクサンダー・フーシェンのとりもち作戦で、二刀流をふさがれ、
さらにそのとりもちによって、衣服がビリリと破けた時の乙女感と、そこから夫であるワン・ロンウェイが自身の服をヤン・チンチンに着せ、
そのままコンビカンフーとして主人公達に立ち向かって逆襲していくシーンは本作の中でも見逃せないシーンとなっています。








さらに、そのクライマックスバトルで、主人公コンビが、ワン・ロンウェイを打倒するために、その寺でのカンフー訓練用に常備されている木人を操って、
二人羽織りの要領で、本当の木人拳のような攻撃法で打倒していく、という娯楽性にも溢れていますので、
本格派のカンフー技も、ちょっと奇天烈な展開も楽しめるカンフー映画史に残るような名勝負となっています。


という事で、邦題や原題からは、洞窟や森に分け入って、お宝探しを繰り広げる内容をイメージしますが、
実際は、色んなシチュエーションでのお笑い展開や、カンフーアクション展開をメインとした違う意味でのカンフーアドベンチャーとなっていますので、
カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。




作品情報
1981年製作 香港製作 カンフーアクション
監督・武術指導 ラウ・カーウィン
出演 アレクサンダー・フーシェン、リュー・チャーフィー、チャン・チャンポン、ワン・ロンウェイ、ヤン・チンチン、ラウ・カーウィン、トン・ワイセン、ラム・ウェイ、トウ・シウミン、シャオ・ホウ、チュン・ウォン


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