お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
水に触れたら超即死!!誘拐拉致した女性を溺死させる殺人鬼の霊に取り憑かれた主人公に襲い掛かる未体験の恐怖!!ほんの少しの水溜まりからでも奴は来る!!
作品紹介
2018年1月9日公開
今回ご紹介するのは、誘拐した女性を溺死させる殺人鬼の霊に取り憑かれた女性の決死の戦いを描いたホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
女性を誘拐拉致監禁して溺死させる殺人鬼(の霊)を描いたホラー作品です。
殺人鬼であり、霊、というのが本作のポイントとなっています。
物語は冒頭で、誘拐してきた女性の反撃を受けて殺人鬼であるセバスチャン・ドナーが絶命するところから物語が始まります。
しかし、この事件はその後有名になり、生き残った被害者は精神病院に収監されたけれども、肝心のセバスチャン・ドナー自体の遺体は見つかっていないために、既に伝説化し始めている、
というのが、本作の物語の出だし、となっています。
それから月日が経って、ある日、不注意で湖に落ちてしまった主人公が、その日以来、水辺から襲ってくる溺殺魔の幻を見るようになり、
水恐怖症に陥ってしまい、それを克服するために友人たちと戦いを挑む、という大筋となっています。
この作品のメインとなる時代で、殺人鬼は既に死んでいて(遺体は見つかっていないままですが、、)、霊となっているという設定がありますので、結構なんでもありな展開となっています。
例えるなら(エルム街の悪夢)のフレディのように、存在しているのかどうかもわからない伝説的な殺人鬼(の霊)なので、
現実的に生きている人間に危害を加えるけれども、そこにはっきりと存在しないし、しているかもしれない、というファンタジックな存在として描かれています。
ただ、本作の場合、フレディとは違い、溺死させる、という部分にこだわっている殺人鬼(の霊)ですので、
基本的に被害者全員溺死という事で、(悪魔のいけにえ)のレザーフェイスのようなチェーンソーや、ジェイソンのナタ、ジェイソンのカギ爪のような分かり易く痛そうな武器での殺戮はなく、
水槽で溺れさせたり、風呂に引きずり込まれたり、などのかなり地味な殺戮となっています。
ホラー映画での見せ場を設定の段階で一つ失っているような気もしますが、逆に言うと、殺人鬼と戦う物語のわりにはグロい表現が極めて少ない作品ですので、
そういった表現が苦手な人でも鑑賞し易い作品にはなっているのではないでしょうか。
さらに、ジェイソンやレザーフェイスのような現実的な殺人鬼ではなく、フレディのように霊的な殺人鬼設定になっている事で、
ちょっとした水溜まりのような物理的に殺人鬼が隠れる事ができないような場所からでも、いつでも襲ってくる、という現実的にはありえないサスペンス描写も可能になりますので、
【水】を中心に、登場人物が水辺に近づくたびに何らかのサスペンスが発生する、という設定を活かしたシチュエーションでの恐怖描写がメインとなっていきます。
この設定で思い出されるのは、(ファイナルデスティネーション)シリーズで、本作は【水】に絞っていますが、登場人物は危険が迫っている事に気づいていないけれども、観客側は気づいている
という、思わず『危ない!』と、声を上げてしまいそうになるシーンの連続となっています。
このちょっとファンタジックな溺殺魔(の霊)の設定がありますので、その溺殺魔に取り憑かれた主人公が、生命の源である水を口から飲むことさえできない、という極端な水恐怖症の設定も、割と自然に物語に深みを与える要素となっています。
水を口から接種できないという事は、そのままの状態だと、命の危険にも関わってくるために、その恐怖症にはいずれ立ち向かわないといけない、となってきます。
という流れから、水恐怖症の克服=殺人鬼の幻影の克服となるわけで、主人公は友人たちの協力のもとに殺人鬼と対決していきます。
その友人たちの中に、霊媒師が混じっていたり、基本的には友人たちは殺人鬼の存在を信じていなかったり、とホラー映画のあるあるネタを混ぜつつ、
友人たちが一人、また一人と犠牲になっていきます。
そして、いよいよセバスチャン・ドナーを以前に倒した生存者に、撃退法を教わるために会いに行って、そこで主人公が自身に纏わる驚愕の事実を知ります。
この辺はちょっとご都合主義ではありますが、設定的には(ハロウィン)っぽい展開にもなっていますので、(エルム街の悪夢)もそうですが、監督のホラー映画愛が前面に溢れ出す展開となっています。
根本的なとろこでは、何故殺人を犯すのか?何故溺死させるのか?何故一旦監禁するのか?など疑問を挙げだしたらキリがないぐらいの作品はありますが、
その設定を活かしたサスペンス表現とホラー映画愛に溢れた展開で、
殺人鬼(の霊)と戦うヒロインを描いたB級作品としては十分楽しめる作品とはなっていますので、
ホラー好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、本作の美女率は現実感が薄まるぐらいに極めて高いですね。
作品情報
2014年製作 カナダ製作 ホラー
監督・製作・脚本 チャド・アーチボルド
出演 ミッチェル・マイレットマディソン、キャロライン・パーマーハナ、ジェンマ・バード・マセソン、シドニー・コンドルース、クレア・バステーブル
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