おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ニー・クワンの人気小説をユン・ピョウ、ブリジット・リン主演、カリーナ・ラウ共演で描いた、駆け足ぎみな端折り物語が残念な武侠カンフーアクション!!



作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ユン・ピョウ主演、ブリジット・リン共演の武侠アクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
手にした者は、武術界を掌握できるとされる天魔琴を巡って、武術界で争いが巻き起こっていた。
天魔琴を守るウォン一族は、琴を狙う六大門の襲撃を受け全滅させられたかに見えたが、実は幼い姉弟が生き残っていて、
弟のロンはある武術家のもとに引き取られ、姉のサンチンは琴を持ったまま行方不明となっていた。
それから16年の月日が流れ、武術を極めたサンチンは天魔琴の音色と共に武術界に帰ってきた!!

監督・製作は(人鬼神)(詳しくはこちら)や(麻衣傳奇)等のン・ミンカンで、大河ドラマのような物語を、かなり端折りぎみでコンパクトにまとめています。


主人公の剣士役は、(幻影拳ザマジックカンフー)(詳しくはこちら)や(妖刀秘伝)(詳しくはこちら)等と同時期のユン・ピョウで、
相変わらず身軽で華麗なアクションを披露しています。



で、天魔琴を操る女帝でユン・ピョウの姉役で、(スウォーズマン女神伝説の章)や(シスター・オブ・ドラゴン)等、
武侠作品でブレイク真っ只中のブリジット・リンが登場し、圧倒的な存在感で全てを攫ってきます。



で、ユン・ピョウに密かに想いを寄せるライバル門派の門弟役で、(君さえいれば)や(008皇帝ミッション)等の
カリーナ・ラウが登場し、いじらしい展開にはなりますが、後半サクッと登場シーンが減ってしまいます。



で、その師匠役で、(チャイニーズゴーストストーリー)や(燃えよデブゴン正義への招待拳)(詳しくはこちら)等の、
ウー・マが登場し、悪役側ながらも憎めない師匠を演じています。



で、悪役側の門派の党首役で、(プロジェクトA2)や(画中仙)等のラム・ウェイが登場し、主人公達を追い込んでいきます。



で、同じく悪役側の門派の剣士役で、(愛と復讐の挽歌)や(夢翔ける人)等のチョイ・ガムコンが登場し、こちらも主人公達を追い込んでいきます。



で、同じく悪役側門派の剣士役で、(鬼打鬼)(詳しくはこちら)や(粉骷髏)(詳しくはこちら)等のチョン・ファが登場し、主人公達に迫ります。



で、ユン・ピョウの師匠役で、(マッドカンフー地獄拳)(詳しくはこちら)や(モンキーフィスト猿拳)(詳しくはこちら)等の
チャン・ロンが登場し、愛嬌たっぷりの師匠を好演しています。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、手にした者は武術界を掌握できる力を手に入れられると噂される天魔琴を巡って武術界で巻き起こった争いに巻き込まれたウォンが、
六大門の襲撃を受けて絶命し、天魔琴を持って逃げたウォンの娘サンチンと、弟のロンも命を狙われて生き別れとなる壮絶な家族の悲劇から始まります。



そして、それから16年後、ロンは立派な青年(ユン・ピョウ)となり、鏢局の局長を義父から引き継ぐことが決定し、
その実力を証明するためにある重大な品物の護送警護任務を引き受ける事になります。

それが、謎の人物からの天魔琴の護送で、その言葉を聞いただけで、護送隊の全員が逃げてしまうぐらいに物騒な品物を、
武術の腕に長けたロンは、たった一人で護送する事になります。

で、その噂を聞きつけた、かつてウォン家を襲った六大門の党首たちは、なんとかして天魔琴を奪おうと、動き始めます。

で、六大門の一人、烈火(ウー・マ)の一番弟子、月華(カリーナ・ラウ)も、行動を開始し、ロンの行動を先回りして宿屋の店主に化けてなんとか天魔琴を奪おうとしますが、
意外にガードがかたいロンには隙が無く、さらにロンの行動を常に監視している依頼人のサンチンの助け舟によって、
なんとかロンは天魔琴を、依頼通りにお届け先に配達を完了します。



しかし、実はその中身は、別の物と入れ替えられていて、本来のサンチンの目的である、天魔琴護送の噂を聞きつけて集まった六大門の党首たちへの、サンチンの復讐が始まる、、、、、
、、、、、というのが、本作の大体の大筋となっています。

ニー・クワン原作の人気長編小説の何度目かの映像化という事で、恐らくアジア圏では、お馴染みの物語なのだと思われますが、
それにしても、というぐらいに、かなり端折られた、総集編のような物語となっています。

ユン・ピョウが一応主人公ではありますが、どちらかというと、当時(スウォーズマン女神伝説の章)で大ブレイクしていた
ブリジット・リンの東方不敗っぽいキャラクターをメインのセールスポイントにし、そこにまだまだ動けるユン・ピョウと、

意外に豪華な脇役陣の物語を要約し、ユン・ピョウとカリーナ・ラウとのちょっとしたロマンス等もスパイス的にパラパラとまぶして、
ブツ切ったような物語となっています。


要するに、登場人物が多い割には、それぞれのエピソードが全て顔見世程度の触れられ方で、活躍しそうなキャラクターも簡単に術を掛けられて爆散して退場していきます。
あまりにあっけない退場の仕方なので、一瞬よそ見しただけで、さっきまで元気にブリジット・リンと戦っていたチョン・ファがいつの間にか見当たらないので、

巻き戻して確認したら、飛んだ瞬間に爆発していた、というあっさり感で、クライマックス近辺では、この爆散退場が結構な頻度で入りますので、
アガサクリスティーのミステリーのように
戦えば戦う程に、人の気配が無くなっていきます。


戦って散るシーンなんて、かなりの見せ場になるはずですが、本作においては、とにかく早く物語を進める(たいして進みませんが)事が最優先のようですので、
生き別れになった姉弟が再会するシーンも、最初は衝突していながらも、打ち解けていく展開がドラマ的な見せ場となるはずが、
衝突した次のシーンで、事情を知る師匠が、『あれは、お前の姉だぞ。』の鶴の一声で、次のシーンでは、『姉さん!』と速攻で語りかける等、




とにかく、物語を面白くしているはずのドラマ部分をバッサりカットして、ブリジット・リンとアクションだけを残した結果、
本編を紹介するためのお試し映画
のような感覚の、サクッとした、後腐れ無しの作品となっています。


ですので、面白くないという事はなく、ブリジット・リンも可憐で凛々しく、ユン・ピョウのカッコ良いアクションも観れますが、
サクサク過ぎて、後に何も残りません。

前編・後編ぐらいで、じっくり描かれていれば、もっと傑作になったような気がしますが、当時の香港映画界では、それも難しかったのかもしれません。
という事で、ちょっと物語的には薄味ですが、ブリジット・リンとユン・ピョウの魅力は感じれる作品となっていますので、
香港映画好き、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。





作品情報
1994年製作 香港製作 武侠アクション
監督・製作 ン・ミンカン 武術指導 マン・ホイ 原作 ニー・クワン
出演 ユン・ピョウ、ブリジット・リン、カリーナ・ラウ、ウー・マ、チョイ・ガムコン、ラム・ウェイ、チャン・ロン、チョン・ファ


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