【中国映画】孫悟空 ザ・ボルケーノキング (齊天大聖之火焰山MONKEY KING:THE VOLCANO)86分

投稿者: | 2024年8月31日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆

中国で人気のベニー・チャンが孫悟空役を演じ、(少林サッカー)等のラム・ジーチョンが猪八戒役を演じたシリーズの二作目となる西遊記アドベンチャー!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、2018年から三年連続で中国で配信されたベニー・チャン主演版の西遊記シリーズ三部作の第二弾となるファンタジーアクション作品です。

(齊天大聖·萬妖之城)2018年製作
本作(孫悟空 ザ・ボルケーノキング)2019年製作
(西遊記 孫悟空VSスパイダーウーマン)    (詳しくはこちら)2020年製作

シリーズ作とは言え、孫悟空役のベニー・チャンと猪八戒役のラム・ジーチョン以外のキャスティングは毎回変わり、

物語もほとんど継承していませんので、特に前作を鑑賞していなくても、どの作品からでも物語は理解できるようになっています。

それでは、まずはあらすじから、

取経のために天竺へと旅を続ける三蔵法師とその弟子の孫悟空、猪八戒、沙悟浄の一行は、旅の道中、火山の影響で大変な被害に合っている村を通りかかった。

村を救うために立ちあがる悟空達だったが、その火山の炎は、かつて孫悟空が天界で斉天大聖と名乗っていた時代に巻き起こした大騒動に深く関係するものだった!?

監督は、(スノーモンスター)(詳しくはこちら)やリメイク版(チャイニーズゴーストストーリー)(詳しくはこちら)等の

リン・チェンザオで、中国映画界の中でも香港映画寄りな、娯楽志向の高い作品群を製作しています。

主人公の孫悟空役は前作に引き続き、(太極拳戦士)(詳しくはこちら)や(ザ・デーモンハンター)(詳しくはこちら)等の

ベニー・チャンで、中盤以降シリアスな演技を披露して行きます。

ベニー・チャン

で、孫悟空の弟弟子、猪八戒役で、こちらも前作に引き続き(少林サッカー)や(カンフーハッスル)(詳しくはこちら)等の

ラム・ジーチョンが登場し、お笑い部分を掘り下げていきます。

ラム・ジーチョン

で、三番弟子の沙悟浄役で、(シンジョーズ)(詳しくはこちら)や(モンスターハント)(詳しくはこちら)等の

エルデニ・ナオメンが登場し、今回はひ弱なお笑い部分を担当しています。

エルデニ・ナオメン

で、師匠である三蔵法師役で、(搜神记:南海美人鲛)や(守墓人之海昏侯迷踪)等のツァオ・ジールオが登場し、弟子達を導いていきます。

ツァオ・ジールオ

で、ヒロイン役で、(リスタートアース)(詳しくはこちら)や(追你而来)等のミー・ルオが登場し、主人公に想いを寄せていきます。

ミー・ルオ

で、ゲスト出演ながらも、印象深い如来菩薩様役で、(神探大戦)(詳しくはこちら)のカルメン・リーや、

カルメン・リー

チーズとハム)(詳しくはこちら)等のエリック・ツァンが登場し、物語の世界観を掘り下げていきます。

エリック・ツァン

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、天界で仙人に対する恨みで大暴れしている斉天大聖(後の孫悟空)が、

そのあまりの怒りの強さゆえに、炎が燃え盛り、その炎が地上界にも降り注ぐシーンから始まります。

エリック・ツァンは仙人役

で、そこから500年後、なんだかんだで騒動があった後に、三蔵法師とその弟子孫悟空、猪八戒、沙悟浄の三人は天竺への旅に出ていますが、

その道中で立ち寄った村で、火山による被害と、台風のような大風による嵐による被害で、村人たちが困り果てている現場に遭遇します。

しかし、大風嵐に関しては、妖怪の仕業で、村人の一人である触れれば火傷する不思議な女性炎灵児の協力もあり、

孫悟空が得意の神通力で、ササっと圧倒してしまいます。

しかし、火山被害に関しては、どしようもない自然の災害で、村人を救うには、火山の火を消してしまえるお宝アイテム芭蕉扇を、

かつて義兄弟の契りを結んだ牛魔王の妻、鉄扇公主に借りに行くしか方法が無いという事が分かります。

しかし、この流れには、実は牛魔王の計略が絡んでいて、孫悟空が芭蕉扇を借りるために出歩いている間に、三蔵法師と(ついでに沙悟浄)が捕らえられてしまいます。

さらに、その火山の炎は、500年前に、孫悟空が斉天大聖時代に天界で大暴れした時の炎が落下してできた火山で、

その炎が500年間も地上の人々を苦しめ、自身の仲間達が住む花果山の猿の仲間達も、恨みの炎によって命を落としていってしまった事実を知ります。

自身の愚かな行動によって、多くの尊い命を犠牲にしてしまった孫悟空は、あまりのショックで神通力も失い、生きる希望さえも失ってしまいます。

そんな絶望の淵に落ちた孫悟空に、炎灵児が近づき、かつて、自身が孫悟空に受けた恩や、菩薩如来が、

何故大罪を犯した孫悟空に、天竺へ経典を受け取るための旅に参加させたのか、その真意を助言します。

そして、己の使命に目覚めた悟空は、再び如意棒を手に取り、師匠達を救うために牛魔王との戦いに再び挑む、、、、というのが、大体の大筋となっています。

お馴染み、西遊記を題材とした内容で、お馴染みゆえに結構端折り気味で物語が展開していきますので、

冒頭の大暴れ斉天大聖と、本編突入後の500年後の孫悟空とをつなぐ重要な物語も描かれず、結果的に冒頭と本編の容姿とキャラクターが全く一致しないまま、お馴染みの物語が始まっていきます。

この端折り展開に関しては、牛魔王との関係等も含めて、特に前作でその端折り部分が補完されているわけでもなさそうですので、

恐らく、何度も何度も色んなメディアで語られている展開は、既に観客側で知っている事を前提として、大胆に端折る、という配信系の中国映画独特の判断が下された構成となっています。

ですので、孫悟空や猪八戒がかつて天界に棲んでいて、色々あって妖怪となって三蔵法師の弟子になって旅をしている、

というそこに至る物語は、あえてカットされてしまっています。

本来は、そこが一番ドラマチックで、これからの展開に期待のかかる重要な見せ場だと思われますが、、、。

冒頭の雰囲気だと
如来様にも恨みを抱いていそうですが、、、、
満面の笑み。

で、物語上の必要なシーンを飛ばして、本作で強調されるのは、大罪を犯した孫悟空が、一旦廃人(廃猿?)のような状態になってしまう苦悩と、

そんな孫悟空を慕う健気な女性のちょっとした切ないロマンスで、そこにラム・ジーチョンのお笑いギャグ要素を加える、

という主人公周りのドラマをメインとした物語展開となっています。

ですので、沙悟浄や三蔵法師のレギュラーメンバーの存在感は極めて薄く、人質以外の役割はほとんど果たしません。

で、そのメインとなる孫悟空の苦悩と女性とのロマンス展開ですが、一応ドラマチックではあるのですが、

絶望の淵から復活するまでのきっかけが非常に薄く、

砂漠で一人でへこんでいたら、女子に励まされて、なんとなくふっきれた

という印象で、どの言葉が孫悟空の心に刺さったのか、はっきりとしたきっかけが描かれないままに、復活覚醒し、ラストバトルへと入ってしまいますので、

それ以外のドラマを端折ってまで描かれている部分だけに残念な展開となっています。

猿と豚でしょんぼり

という事で、配信専用作品という事で、独特の端折り展開に気楽感を感じてしまいますが、それなりにCGでの特撮やアクションも描かれている作品となっていますので、

中国映画好き、西遊記好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

監督 リン・ツェンザオ

出演 ベニー・チャン、ラム・ジーチョン、エリック・ツァン、カルメン・リー、ミー・ルオ、ツァオ・ジールオ、エルデ二・ナオメン

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