【中国映画】レジェンド・オブ・カンフー太極拳(張三豊之太極天師TAICHI HERO)87分

投稿者: | 2021年9月26日

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

太極拳の宗師、張三豊を主人公に添えた太極拳とはほぼ無関係なVFX満載の武侠ファンタジー!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、太極拳を作り出した張三豊を主人公とした武侠ファンタジーです。

それでは、まずはあらすじから、

天下支配を目論む邪悪な集団修羅幕は、永遠の命を得られると偽り、村人たちに秘薬を飲ませ、妖怪の姿に変え操っていた。

そこで太極拳の宗師張三豊が立ち上がり、修羅幕の野望を打ち砕くために他流派の剣士たちと協力し戦いを挑む!?

まさかのカンフーではなく、VFX武侠ファンタジー

太極拳を作り出した武術家張三豊を主人公にした武侠ファンタジー作品です。

太極拳を扱った作品は、これまでも、ユエン・ウーピン監督、ジェット・リー主演の(マスター・オブ・リアル・カンフー大地無限)や、

同じくユエン・ウーピン監督でウー・ジンが主演デビューを飾った(太極神拳)(詳しくはこちら)、さらに同監督がドニー・イェンを主演デビューさせた(ドラゴン酔太極拳)(詳しくはこちら)などの傑作群や、

カーター・ワン主演、ジョセフ・クー監督の(ドラゴン太極拳)、そのままのタイトル(太極拳)などカンフー映画の中でも一つの人気ジャンルとなっています。

そんな中での本作ですが、本作は意表を突いて、まさかのVFX武侠アドベンチャーという、およそ実在の人物を主人公にした作品ではありえないような設定の作品となっています。

まさかまさかの武侠ファンタジー

ですので、基本的に主人公の名前が張三豊で、太極拳っぽい技を使うという事以外は他のどの作品とも全く共通点のない作品となっています。

何故、このような設定の作品を製作しようと企画したのかは謎ですが、原題から推察すると、本作以前にもう少し張三豊っぽい物語の作品が存在していて、

その張三豊物語の冒険編的に本作が製作されたのかもしれません。

なので元の物語からは、かなり逸脱した内容の作品が出来上がった、、、ぐらいに考えないと流石に、奔放過ぎる内容だと思うのですが、どうでしょうか。

例えるなら、坂本龍馬が空を飛んで、念力で波動拳のような技を繰り出す物語、といった感じでしょうか。

張三豊役のリュー・イーチェン。なんというか、、、スターっぽさはありませんね。

という事で、とりあえず太極拳張三豊の事は置いておいて、内容ですが、開幕早々に、まだタイトルとスタッフ・キャスト名が出ている間に、

急ぎ足で早速邪悪集団、修羅幕が村人に怪しい薬を飲ませて妖怪のように変身させて、暴れさせる、という目的の良く分からない侵略行為(?)を行っているシーンが、もう始まっています。

修羅幕のリーダー。ヒーローショーの悪役並みに分かり易い悪者演技です。

そこに張三豊とヒロインっぽい女性剣士が颯爽と空を飛んで(武侠的な内功で飛んでいる感じではなくスーパーマンのようにうに飛んでいる)登場、

ゆっくり飛ぶ、張三豊

激戦を繰り広げるも苦戦を強いられ、張三豊が残って、女性剣士を逃がします。

女性剣士も自らの里に戻り、張三豊もなんとか逃げ切ります。

ヒロインとして登場の女性剣士。ちょっとヒロインにしてはお姉さんですね、、。

で、なんだかんだとしながら邪悪集団はヒロインの村にまで攻めてきます。

そこで師匠が食い止めようとしますが、敵が強すぎて虐殺されてしまいます。

それでもヒロインのみなんとか逃げ延びて張三豊に会いに行くのかと思いきや、、、

ヒロインの運命は、その後意外な方向に、、、

ここのヒロインの扱いとしては、他の作品では全く見た事が無いような展開へと発展していきます。

一方、張三豊の方は、なんとか逃げ帰り、愛する女性、青青の元に戻ります。

二人目のヒロイン青青、演じるチャン・ヤンは結構輝いています。

しかし、そこにも邪悪集団が現れ、周りの人々を虐殺、

青青は崖から落ちて行方不明になってしまいます。

そのことに絶望した張三豊も崖から飛び降り、行方不明に、、。

流石にかなりの高さの崖なので生きているはずがないのですが、前半で張三豊がスーパーマンのように空を飛ぶシーンも目撃しましたので、やはり無事だったようで、

奇跡的に崖の下に存在した河の流れに流されている所をたまたま通りがかった僧侶に助けてもらいます。

偶然の出会い。

とりあえず歩き始めた張三豊と僧侶は、途中男たち数名と一戦交えている女性剣士に出会います。

三人目のヒロイン登場です。

いきなり登場の三代目ヒロイン。初登場シーン、このポーズで静止した状態で登場。

この剣士が意外に強く、今後張三豊の相棒的な位置(僧侶は武術ができないので、一緒にいるだけです)で活躍していくことになります。

で、主人公は空を飛べるので崖から落ちても助かるのは、まだ分かりますが、武術を知らいないはずの二代目ヒロイン青青も、当然のように生きていた事がわかります。

助けたのは、あまりに強くなりすぎて、対戦相手がいなくなり、張三豊の強さの噂を聞きつけて挑戦しにやってきていた青年剣士です。

青青を助ける青年剣士。こちらもスターっぽさは薄いですね、、。

しかも、助けた青青はなんと記憶を失っていて、自身の名前も身分も、当然張三豊の事も忘れてしまっています。

とりあえず、記憶がなく、帰宅する事もできないので、青年剣士の家に泊めてもらうことになります。

ちょっとしたドラマを期待させますが、張三豊の方は、青青を探しつつも、僧侶と三代目ヒロインと共に修羅幕との戦いも過熱していきます。

で、いよいよ、というところで、三代目ヒロインがまたしても予想外の展開に突入していきます。

割と長めに主人公と共闘していたので、正直それだけはやめて欲しいような展開です。

というとことろで、ついにヒロイン不在となってしまいますが、ここで、二代目ヒロイン青青が、たまたま青年剣士と一緒に街にきていたので、再会することになります。

しかも、コケた拍子に記憶もバッチリ蘇りましたので、ヒロインに返り咲きです。

という事で、いよいよ修羅幕の統領との対決という感じになっていきます。

この後、青青はコケて記憶が復活します。

太極拳に関してはもう既にマスターしている状態なので、それ以上の事はありませんが、回想シーンで奥義開眼に繋がるような要因が急に語られ、

突然必殺技を体得して敵の統領に猛攻撃を仕掛ける!といった感じになっていきます。

奥義開眼!!急に!

振り返ってみると、どう考えてもヒロインが三人は多過ぎで、しかも退場の仕方がえげつないパターンが多いので、何故そうなるのかはよく分かりませんが、

もしかしたら、前日譚のような物語で、その辺の前振りがあったのかもしれません。

とにかく近年の中国製作武侠作品は、説明不足が当然のような作品が多いので、前作が存在するのか、ただの説明不足なのかの判断もできないので難しいところです。

あと、アクションに関しては、多くの他の中国作品のように強さの伝わらないワイヤーで吊るされてカット割りとスローでつなぐ系のアクションですが、

本作の特徴としては、スローが少ない分、アクションの合間を繋ぐようにキャストをくるくると回転させるアクションが多用されています。

とにかく、くるくるくるくる

くるくる拳!!

どのシチュエーションの、どのキャラクターもくるくるくるくるです。

始めは円の動きを元にしている太極拳の物語だからこのくるくる拳を使うのかと思っていたのですが、

結局キャラクター関係なしに、どの登場人物もくるくる回っています。

くるくるくる!!

まるで、くるくる回ってさえいれば、達人に見えると信じているかのように全員くるくる回っています。

それなりに色んな登場人物がでてくるのに、皆一様にくるくるです。

くるくるくる!!

ただ、そんなくるくる拳が横行する本作ですが、ラストの修羅幕とのバトルのみ、割と主人公も太極拳っぽい動きで戦いますので、意外に見どころのある戦いになっています。

意外に熱いラストバトル

それでも合間で、くるくる拳は多投していきますが、、、。

でも、くるくるくる!!

という事で、タイトルから想像できるようなバトルカンフー作品ではありませんが、想定外過ぎて、ある意味楽しめる作品にもなっていますので、

武侠ファンタジー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

それにしても、最近の中国作品は無理矢理にでも武侠ファンタジーにしますね、、。

くるくるくる!!
青年剣士もラストバトルに参加!!

作品情報

2020年製作 中国製作 武侠ファンタジー

監督 グオ・ユーロン

出演 リュー・イーチェン、チャン・ヤン、ガオ・ダン、リー・チョン

修羅幕のボス

その他の武侠ファンタジー作品

ユエン・ウーピン監督の伝説の名作を最新の技術でリメイクした傑作(バトル・オブ・ダンジア魔獣大戦)はこちら

↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓

人気ブログランキング

にほんブログ村

【中国映画】レジェンド・オブ・カンフー太極拳(張三豊之太極天師TAICHI HERO)87分」への2件のフィードバック

  1. 綿

    お世話になります。きのう当作品を拝見しました。
    多分原題は「張三豊2太極天師」なので、やはり第二弾なのだと推測します。
    東瀛(日本)から来た青年剣士は、柳生どうこうの因縁で回想シーンがあったので、その時につくった場面よりは前作なのでしょうか

    返信
    1. まぁく 投稿作成者

      綿さん、コメントありがとうございます!やっぱり前作がありそうな内容ですよね!説明が足早いのは最近の中国作品に共通していますが、それを踏まえても、本作の流れは、説明不足というより、足りない部分は既に説明済、というような表現にも見えますよね!最近未公開の中国作品が頻繁にリリースされて嬉しい限りですが、シリーズ作が、途中からのみリリースされてしまったり、途中でリリースされなくなってしまうのはやはり残念ですね!

      返信

綿 へ返信するコメントをキャンセル