【シリーズ作】ヒドゥン(THE HIDDEN)シリーズ

投稿者: | 2022年9月16日

推薦! ヒドゥン (THE HIDDEN) 97分

おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆

作品紹介

1988年10月29日公開

今回ご紹介するのは、前玉エイリアンと悪玉エイリアンが地球で激突するSFアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ロス市警のベック刑事は、壮絶なカーチェイスの末に凶悪な犯人を逮捕したが、その後の調査で、犯人が、あまりに平凡な普通の常識人であることに疑念を抱く。

そんな時、FBIからやって来たギャラガー捜査官と協力し、その事件の黒幕を追う事となる。

始めはギャラガーに対して悪い印象を持っていたベック刑事だったが、捜査が進むうちに、ギャラガーには、ある秘密があることに気付いていくのだった!?

宇宙からやってきた善玉エイリアンと悪玉エイリアンが地球で死闘を繰り広げる傑作SFアクション作品です。

アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭で、当時人気だった(ロボコップ)を抑えてグランプリに輝いた作品です。

物語はシンプルで、宇宙から逃亡してきた凶悪なエイリアンを捕らえるためにやって来た善人のエイリアンが、

地球上でチェイスを展開する、という大筋となっていて、本作の前年に公開された同じくエイリアンものの傑作シリーズ(クリッター)の影響も大きく受けたような内容となっています。

ただ、(クリッター)の方は、(グレムリン)のような小動物系の凶悪エイリアンと戦う物語でしたが、

本作で負いかけるエイリアンは、寄生虫のような存在で、人間に寄生して肉体を操っていくので、外見上は普通の人間と変わらない、

という(遊星からの物体X)のようなタイプのエイリアンが敵として登場します。

追う方の善玉エイリアンは、同じく人間の身体に入り込みますが、悪玉のような醜悪な実態は持たずに、

光のような精神の塊、といった感じで、人間の肉体に乗り移るときも光だけが映ります。

というわけで善玉、悪玉、共に人間の身体に乗り移って、人間の姿でチェイスを繰り広げる事になります。

で、追う側は既にFBI捜査官の身分を拝借していて、逃げる側は、手あたり次第に乗り移りまくる、という事で、

追う側はずっと同じカイル・マクラクランが演じ、追われる側は、いろんなキャストに次々とバトンタッチしていく、

というバラエティに富んだチェイスが繰り広げられていきます。

ある時は心臓病の初老の男性、ある時は人気のストリッパー、ある時は警察官、そして、合間を繋ぐために犬にまで乗り移ったりします。

心臓病を患っていたり、性別が変わったり、動物になったり、とそれぞれのキャラクターによって特色がありますので、

逃げ方も様々で、さらにエイリアンを倒せるのは、その乗り移っている肉体が死に直面した時に、他の肉体へと乗り移ろうとする、その瞬間のみで、

特別なレーザー銃を使用しないと殺せない、という設定が加わっているためにさらにサスペンスが盛り上がるようになっています。

しかも、クライマックス近辺では、乗り移られている容疑者が大統領に立候補しようとしている議員とその秘書(演じるのは、インシディアス等の助演が有名な若き日のリン・シェイ)の二人で、

直前まで、どちらに乗り移っているのか分からない、というまさに(遊星からの物体X)な盛り上がるクライマックスとなっています。

このラストの銃弾を浴びながらのカイル・マクラクランの火炎放射器噴射シーンは、なかなかの名シーンとなっています。

カイル・マクラクランの美青年ぶりも最盛期といった感じで、正体不明なミステリアスな雰囲気ながらも、

悪人には決して見えない、という絶妙な善玉エイリアン感で、作品世界を盛り上げていきます。

その後のブレイクに繋がったテレビシリーズ(ツインピークス)のクーパー捜査官役は、本作のエイリアンFBI捜査官の役をそのまま発展させたような役柄ですので、

そういう意味でも本作の影響力は大きいのではないでしょうか。

クライマックスの、まるでターミネーターのような盛り上がりからのラストシーンの意味深な終わり方も、非常に良い余韻の残る名シーンで、

切なさの香る画面の雰囲気が、儚さと危うさも感じる美青年然としたカイル・マクランの人間離れした魅力と相まって、

SFアクション映画史上に残る名シーンで終幕となります。

作品情報

1987年製作 アメリカ製作 SFアクション

監督 ジャック・ショルダー

出演 カイル・マクラクラン、マイケル・ヌーリー、クリス・マルケイ、ウィリアム・ボイエット、ダニー・トレホ、リン・シェイ

若きダニー・トレホも登場

修行映画! ヒドゥン2 (THE HIDDEN2) 93分

修行度 🔥🔥●●●●●●●●

作品紹介

日本劇場未公開

という事で、まさかの続編です。

それでは、まずはあらすじから、

前作から15年、ベック刑事はその後も取り逃がしたエイリアン捜索を続けていたが、ある日ついにその住み家を見つけ対決する。

しかし、力を蓄えていたエイリアンは逆にベックを返り討ちにし、そのまま行方をくらましたのだった。

ベックからのSOSを受け取った新たな追跡者は、ベックの娘であるジュリアと協力し、今度こそエイリアンを抹殺するために捜索を開始するのだった!?

まさかの続編です。

1作目の内容的には続編もありえそうな終わり方でしたので、続編が製作される事自体は、ジャンル的にもありえる事ではありますが、

まさかの内容の、続編です。

同じ製作会社ではあるものの、前作のジャック・ショルダー監督でもなく、出演者も総入れ替え、という続編ものとしてはまず一番好ましくない形での続編製作となっています。

で、内容がさらに、まさか、という感じで、まず冒頭で、いきなり前作のクライマックスシーン10分間が、そのまま流れます。

既に観た

恐らく、ほとんどの人が、この10分間で、結構な脱力感を感じでしまうのではないでしょうか。

続編の冒頭で、前作と同じシーンを少し入れながら、続編の冒頭を描き始める、というのは他のシリーズものでもありますが、

本作は冒頭に10分以上も、同じ編集の全く同じ前作の映像が流れます。

観た観た

勿論、前作の一番盛り上がるシーンを抜き出した10分ですので、続編本編には登場しないカイル・マクラクランマイケル・ヌーリーもしっかりと映っています。

ただ、10分間も映るのに、キャストにはクレジットされていません

既に観たので、犯人も知ってます

有名なスターが出演しているシーンが10分間も画面に映るのに、キャストとして表記が無い、という謎の扱いのシーンの後に、

あっという間にいきなり15年後になって、前作のカイル・マクラクランの相棒として活躍していたマイケル・ヌーリー演じるベック刑事の娘が大人に成長し、

そこへ、48歳になった(1作目当時は35歳の設定なので、15年後の世界で48歳というのは計算が合いませんが)ベック刑事(少しだけ似ている別キャストが演じています)の、

ベック刑事は、もう、マイケル・ヌーリーではありません。

SOS信号を受け取った新人善玉エイリアンが、地球にやって来て、大人のベック刑事の娘と共に、実は生きていた15年前のエイリアンを抹殺するために

バディを組んでチェイスを再開する、という流れで、バディアクション展開へと突入していきます。

いきなりの乱暴なまさかの展開ですが、本作のまさか展開は、本題のバディチェイスに入ってからが実は真骨頂となっています。

まずはバディ二人が、お父さんの暮らしていた部屋で、悪玉エイリアンの足跡を追っていた資料を発見。

その中に悪玉エイリアンを倒した当時の会場の監視カメラの映像のVHSテープがあり、その映像を確認すると犬に乗り移っている(また!)であろう現場の決定的瞬間を発見し、

その後追跡を開始、手がかりを辿っていきながら、ディスコや路地裏等で捜査を進めていき、だんだんと悪玉エイリアンに近づいていく、

という二人の捜査がメインになっていくのですが、

これがとにかく単調で、悪玉の暗躍や、周りの状況の変化等も一切描かれずに、ただただ二人の捜査だけがずっと描かれていきます。

また、犬!それも観た。

しかも淡々とした感じで、何故かBGMも微かに向こうの方で聞こえる、ぐらいの音量で、盛り上がりに欠け、

ずっと二人のやり取りだけを傍観者のように見続ける事になります。

あまりの静けさに、多くの方が眠気に襲われると思われますが、何故か銃撃音だけは物凄く大きく、またディスコのシーンだけは音量が凄まじく大きい、

という音量の調節を間違っているとしか思えないような効果で、寝るにも寝れない、ような状態が続きます。

本筋には関係ない事ではありますが、あまりに単調で静かに、大して何も起きない作品ですので、余計にそんな事が気になる、、、

というより、あまりに単調過ぎて、そんな事しか気になりません

その割に、主演の二人は恋仲になる、という他人と関わらない二人だけの物語に関しては、熱心に深掘りされていきます。

という事で、何故製作されたのかも疑問な、全く熱さを感じさせない内容の続編となっていますので、これは無かった事として1作目だけのご鑑賞をお勧めします。

ただ、90年代の緩いアクションを堪能する、という事だけで言えば、結構楽しめる作品、、、、、

、、、、という事でもないですね、、、流石に、、、。

作品情報

1993年製作 アメリカ製作 SFアクション

監督 セス・ピンスカー

出演 ケイト・ホッジ、ラファエル・スパージ、マイケル・ウェルドン

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【シリーズ作】ヒドゥン(THE HIDDEN)シリーズ」への4件のフィードバック

  1. S原

    まぁくさん、こんにちは。「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原です

    「ヒドゥン」は、確かに面白いですね。当時は、よく「隠れた傑作」と紹介されていました。なんというかB級のノリを上手に演出した映画だと思います。確かにこの頃のカイル・マクラクランが一番良いかも、です。しばらくして「ショーガール」に出演して、キャリアが終わりましたからね。

    そして、「ヒドゥン2」・・・!
    まさか、これを取り上げるとは。これ、未見でずっと気になっていたんですよ。今回、詳しく紹介してもらってよかったです。わざわざ観なくても良い映画だと、よく理解できたので(笑)それにしても、今回はツッコミどころもあまりなくて、本当に面白くなさそうですね…

    そういえば、個人的に気になりながら、まだ観ていないパート2映画があるんですよ。
    まぁくさんは、きっと観ていると思うので、今回みたいなシリーズもので、いつか取り上げてくださいませ~!以下、リクエストです。

    ・「メタルブルー」「エイセス」
    ・「フライトナイト2」
    ・「ポセイドンアドベンチャー2」
    ・「バックドラフト2」
    ・「ベスト・キッド4」

    個人的には「バトルロワイアル2」と「スピード2」が、印象に残っています。もちろん悪い意味で(苦笑)

    これもすごかったですよ。拙ブログです。
      ↓
      ↓
    ちょっと疲れてきた頃の続編映画を観る!「ホーム・アローン4」(2002)の巻 – あなたの知らないワゴンセールの世界 (hatenablog.com)

    返信
    1. まぁく 投稿作成者

      S原さんこんにちは!いつもコメントありがとうございます!(ヒドゥン)は続編がなかなかの緩さで、ずっと夢の中にいるような作品でした!振り返ってみると無理矢理挿入されている前作のクライマックスシーンが一番面白い、という何故創った!?というフランケンシュタインのような作品でした。アイアンイーグルも良いですよね!確か(アイアンイーグル4)までありましたよね!また、観てみたいと思います!続編は、やはり勢いで製作してみたものの、パッとしない作品も多いですよね!(ホームアローン)シリーズは2までで断念してしまいましたので、またトライしてみたいと思います!(ベストキッド)で言えば、配信シリーズになった続編の(コブラ会)も気になりますよね!(トップガン)もそうですが、長い期間を開けての続編シリーズも面白いですよね!

      返信
  2. 異邦人

    まぁくさん、こんばんは。まぁくさんのこの映画愛に満ちたブログが、もう楽しくて、楽しくて、失いかけた映画への情熱を取り戻しています。
    今回、大好きな映画で、もう何十回と観ている「ヒドゥン」の紹介をされていますので、コメントしたいと思います。

    この映画「ヒドゥン」は、悪玉エイリアンを追うFBI捜査官とロス市警特捜班の息詰まる死闘を描いた、第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞の今やカルト的な人気を誇る作品ですね。

    ロサンゼルスで普通の人間が銀行強盗をしたり、人を殺す事件が続発する。
    ロス市警のベック刑事(マイケル・ヌーリー)は、FBIの捜査官ギャラガー(カイル・マクラクレン)と共に、捜査に当たることになる。

    次々と人間をボデイ・スナッチし、残虐な行為を重ねるエイリアンと、それを追う刑事。
    そして、やはり人間を装いFBI捜査官として”悪玉エイリアン”を追う、善玉エイリアン——–。

    この三者の壮絶な戦いが、ロサンゼルスの街を舞台に、超ハードなバイオレンス・タッチで描かれていきますね。

    この悪玉エイリアンは、会計士、ストリッパー、犬、上院議員、警官、そして最後には何と大統領候補にとり憑くが、ベック刑事とギャラガー捜査官の必死の活躍で退治されることになるのだが——–。

    悪玉エイリアンが、ハードロック好きでスピード狂、非道の限りをつくすという設定や、撃たれても簡単には死なず、ボロボロの体で立ち向かってくる不気味さなどに、ジャック・ショルダー監督のセンスの良さが光っていると思います。

    冒頭のカー・チェイス、次々と宿主を変えていく悪玉エイリアンを追跡していく様が、テンポよく描かれ、この次々に姿を変える犯人の特性が、ストーリーに捻りとスピード感を与えていて、実に小気味いいんですね。

    善悪両方のエイリアンが、地球の人間に対して、全く正反対の接し方をしており、特に善側のギャラガー捜査官が、ベック刑事との間に友情を育む点がセンチメンタルではあるが、ジーンときてしまいました。

    とにかく、よく出来たB級映画の典型的な作品で、映画好きの私のツボを押さえた、本当に楽しくて、面白い映画のお手本のような作品で、小品ながら、監督、製作クルー、俳優たちの映画愛に満ちた職人芸を堪能出来ますね。

    この作品での素晴らしいSFXは、「エルム街の悪夢2」でも、ジャック・ショルダー監督とコンビを組んだケヴィン・イェーガーで、この人はあの「チャイルド・プレイ」の人形のチャッキーも手掛けていることで有名な人ですね。

    そして、脚本のボブ・ハントというのは、「張り込み」の脚本も書いているジム・コウフの別名で、「若い僕のような脚本家がホラーを書くと、それしか注文が来なくなるのを恐れて、別名にした」というエピソードが残っていますね。

    また、監督のジャック・ショルダーはこの脚本を読んで、「ユーモア、創造性、緩みのないペース、良いキャラクターがいっぱい」と一目で惚れ込んだということです。

    この作品はまた、エイリアンが登場する一連の作品の走りでもあり、その後もゾンビ、サイボーグ、殺人狂などへと変わった警官の登場する映画が、続々と作られていますね。

    返信
    1. まぁく 投稿作成者

      異邦人さん、こんにちは!コメントありがとうございます!大変嬉しいです!
      ブログの記事をお読み頂いて、少しでも大好きだった映画の事や、感動した作品、お腹がよじれるほど笑った作品等、色々と思い出して頂けるきっかけにでもしていただけると、凄く嬉しいです!
      (ヒドゥン)は確かに傑作ですね!流石、何十回とご鑑賞されているだけあって、物凄くお詳しいですね!恐らく台詞も結構覚えられているのではないでしょうか。
      内容は比較的シンプルなのに、演出力と絶妙なキャスティングと名演技で、低予算をものともしない勢いに満ちた物語展開に目が釘付けにされてしまいます!
      あの次から次へと宿主を変えていく悪玉エイリアンが、姿を変える度に違う状況のサスペンスへと移っていくスリリングな展開や、あえて、おじさん、美女、動物、というタイプの違うキャラクターへ移り変わり、
      演じている役柄は悪玉エイリアンと共通していながらも、それを演じるキャストがコロコロと変わっていく状況は、後の(フェイスオフ)や(ジュマンジウェルカムトゥジャングル)等にも通じるようで、
      何度も観返してもワクワクしながら観てしまいます。
      同じエイリアンもので、誰に宿っているか分からない、という事で言えば(遊星からの物体X)にも通じるところがあるかもしれません。
      しかも、それを追うカイル・マクラクランの透明感は、他のキャストでは絶対にその良さは出ていなかったと思われるぐらいの唯一無二の名演技でした!
      あの、善玉ではあるけれども、未知の部分を残している透明感が絶妙でした!
      こういう作品こそ、今の技術で、あまりCGに頼り過ぎる事なくリメイクして欲しいですよね!
      あと、ブルーレイも発売してクリアな画像で見てみたいですね!
      因みに、ジャック・ショルダー監督作品では(エルム街の悪夢2)も大好きでしたが、(タイムアクセル)と(アラクニッド)が凄く大好きです!
      これからも、80年代の名作B級作品等もご紹介させて頂きますので、引き続き宜しくお願い致します!

      返信

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