【修行!香港映画】カーム・ビヨンド漂流者(THE CALM BEYOND)95分

投稿者: | 2022年9月21日

修行度 🔥🔥●●●●●●●●

大規模な水害によって、水没してしまった香港を舞台に、生き残った少数の人々のサバイバルを描いたディストピアドラマ!!物語が全然進みません!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、水没した香港を舞台にしたサバイバル生活が描かれるデストピア作品です。

それでは、まずはあらすじから、

世界を巻き込む大規模水害によって、浸水してしまった香港で、自宅のあったビルに一人隠れて暮らすその女性は、

略奪者の影におびえながら、それでも逞しく生きていた。

そんな毎日だったが、そこへ、独りの少女が漂流してくる事で、その女性の生活は一変してしまうのだった。

大洪水後の香港を舞台にしたディトピア系のサバイバルドラマです。

主演は(トップガン マーヴェリック)にも出演しているカラ・ワン(カーラ・ウォン)です。

これが、なかなかのカラ・ワン推しの作品で、基本的にはカラ・ワンの一人芝居のようなシーンの連続となっています。

ずっとカラ・ワン

完全に水没してして5年後の香港という設定ですので、緊迫感のある新たな災害が起こる事もなく、また他の地域の描写等も一切無いので、

淡々とカラ・ワンの一人暮らしをただただ見ているだけの時間が流れていきます。

ずっと見てる

同じような一人だけ生き残った(他にもそれなりに生き残りはいますが)ディストピア系の作品では、ウィル・スミス主演の(アイアム・レジェンド)のように一人の生活を描写しながらも、

色んな場所を散策したり、かつて繁栄していた街と、その後の荒れた街を対比してみたり、とその世界観を主人公と同じように体感してく、という面白さがありましたが、

本作のカラ・ワンは、大した理由も無く外に出たくない(ただただ外に出るよりは家にいた方が良い、という考え。出られないのではなく、出たくないだけ。)という強い信念の下に、元自宅のあったビルに一人で住み着いていますので、

基本的に外の世界への冒険要素も一切なく、結局ほぼこの廃墟の中だけで、カラ・ワンの一人暮らしを見続ける事になります。

ずっと見てる

ちょっとした独り言を言いながら即席ラーメンを食べ続けるシーンを何度も何度も見続ける事になります。

恐らく、料理を題材にしたような作品ではない作品で、これほど即席麺を食べるシーンが繰り返される作品も、そう無いのではないでしょうか。

ずっと見てる

で、そんな一人暮らしですが、ある少女が流れ着いてくることで、生活が一変します。

悪戯好きで、奔放、活発な少女ですが、備蓄していた即席麺を勝手に食べたり、隠しておいた私物を持ち出したり、

と、とにかく一人暮らしを引っかき回されます。

今度は、少女の奔放ぶりを見続けます

というところで、過去の回想シーンになり、水害が起こる前には、カラ・ワンには、この少女と同じ年代の妹がいた事、

自身の勝手な行動で、妹と両親を助ける事ができなかった事、等、後悔している過去の出来事が描かれていきます。

要するに、この少女との出会いが、カラ・ワンの過去の後悔を贖罪する要素として機能していきます。

少しだけ入る回想
懐かしき日々
香港が映るのは、ちょっとだけ、、、。

で、この少女が、カラ・ワンとは真逆で、人々が生き残っているであろう安全地帯を求めて、いかだを作って旅立とうとしていきます。

外の世界には何もない、ここに残って生活するべき、と主張するカラ・ワンと外に出るべきと主張する少女、果たして、、、。

普通は主人公と脇のキャラクターの主張が逆だと思われますが、、、

という感じで、今度はひきこもりたい成人女性と外に飛び出したい少女の二人暮らしを見続ける事になります。

その合間に過去の回想シーンで、妹との楽しかった日々、等の描写が入っていきます。

即席ラーメンを食べる二人をずっと見てる

で、主人公も心変わりしたようで、外の世界に気持ちが向いたところで、略奪者が登場します。

この略奪者を演じているのが、90年代から香港映画で活躍し、近年もシュー・トントン主演の(Missリベンジ)(詳しくはこちら)等に出演しているテレンス・インで、

ゲスト的な出演ですので、出番は少ないですが、5~6人の略奪者を率いるリーダー役を好演して作品世界を盛り上げています。

テレンス・イン

で、この略奪者グループに少女を人質に取られてしまったカラ・ワンが、少女救出のためにいよいよ逆襲に転じる、という感じで、

ずっと女子の一人暮らし(途中からは二人暮らし)を見続けるだけの物語が、急に舐めてた相手が実は強かった系のレディースアクションと化す、、、

と思っていたら、割と簡単に略奪者をがんがん倒していきます(しかも結構残酷に、しかも女子や、少年も含め、優しそうな人物まで容赦なく)ので、

アクション展開とまではいかないのが、本作の特徴という感じとなっています。

結構、残酷に逆襲します

期待のテレンス・インもリーダー格なのに、最後の一人ではなく、5~6人中、3人目ぐらいでやっつけられてしまいます。

どう考えても、そこまで残酷に倒されるだけの蛮行は行っていない(描写が無い)上に、普通の容姿の女子と、

主人公側の少女と同年代の男子(眼鏡着用で至って普通の外見)等も含めた略奪者チームの描写ですので、

何故そこまで(マッドマックス)や(北斗の拳)に登場するような分かりやすい悪漢扱いになっているのかがさっぱり理解できませんでした。

一応、誘拐されますが、誘拐されるだけで、特に危害は加えられません。(下手したら保護にも見えます)

とにかく全編通してカラ・ワン推しが凄く、それ以外の要素は、カラ・ワンを引き立たせるためだけに存在しているかのようですので、

大災害の中で、多くの犠牲者を出した物語の一人の生き残りの物語としては、あまりに描かれている世界観が狭すぎる描写の作品となっています。

建物が水没したせいで、見晴らしが良くなって、逆に開かれた世界を舞台にしておきながら、逆に閉塞感満載の作品という感じで、

一応、ラストでは希望的なシーンで終幕となりますが、だったら今までの閉塞感を一挙に解き放つ様な爽快感を感じさせるシーンが観たかった、という感じですが、どうでしょうか。

という事で、なかなか時間の経過が遅く感じてしまう作品ですが、(トップガン マーヴェリック)を鑑賞してカラ・ワンが気になった、

という方等、気分転換のために本作を鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに、水の中に、モンスター的な何かがいる!?という描写が2回ほどありますが、その何かが姿を現して物語を面白くする、という事は一切ありません。

だったら、要らないような、、、。

作品情報

2020年製作 香港製作 サバイバルスリラー

監督・製作・脚本 ジョシュア・ウォン

出演 カラ・ワン、サリンナ・ボックス、テレンス・イン

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