おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
遺伝子操作により巨大化したサメが人々を襲う、という何度も観たようなサメパニックかと思いきや、後半完全に怪獣映画になる、という思い切りが潔い、中国製モンスターアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、遺伝子操作によって凶暴に巨大化したサメが暴れまわるモンスターパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
水深100メートルにある海洋深海ステーション。そこではサメの遺伝子実験が繰り返され、他の生物と掛け合わせることで、未知の生物を生み出していた。
そんなある日、その施設で実験中のサメが突如凶暴化し、施設のガラスを破って人々に襲い掛かった!!
施設の人々は応戦するが、そのサメは想定以上の能力を持っていたのだった!!
中国製作のサメパニック作品です。
このところ中国で製作される映画は、VFXを使った武侠ファンタジー作品か、中国軍が協力しているようなミリタリーアクションか、VFXを使用したモンスターパニック作品か、
この3パターンに完全に分かれたうえで、同じような内容の作品が連続で製作される傾向があります。
本作はそのうちのモンスターパニック系列の作品になります。
武侠は5本鑑賞したら当たりはそのうちの1本ぐらいの確立で、内容は大体同じ、ミリタリーは軍などが協力していて、戦闘シーンは迫力あるけれども、
その迫力にストーリーが追いついていない作品が多数で、モンスターパニックはハリウッドのB級作品で何度も観たことのあるような内容の繰り返し、
という感じで、本作もれに漏れず、どこかの作品で観たようなシーンのオンパレードとなっています。
物語も遺伝子組み換えで誕生したサメが巨大化して人々に襲い掛かる、という何度も何度も観たようなストーリーとなっています。
もう、ここまで既視感満載だと、偽どらえもんや、偽ウルトラマンのように海外で人気の作品をどうしても自国で、まるで最初に始めたかのように勝手に作り直す、
例の商法のようにも見えてきてしまいます。
それぐらいに見たことのある展開にしかならない、作品ですが、逆に言うと、人気の作品の定番のストーリーの寄せ集めともいえますので、
良い見方をすれば、良いシーンばかり集めたベスト版のような見方もできなくはない、、というとちょっと言いすぎでしょうか、、。
という感じで、サメが襲ってくる作品ですが、流石に今の時期のサメという事で、もはやそのビジュアルはサメの範疇を軽く逸脱していて、
サメパニックというより怪獣パニック作品といっても良いぐらいになっています。
そのサメのフォルムが本作の自慢のようで、通常こういうタイプのモンスターパニックは、その容姿の登場はだいたい後半ぐらいまで引っ張ったりしますが、
本作では冒頭からいきなり、その全体像をわざわざジャンプして見せてくれます。
という感じで、とりあえずサメの紹介が終わり、研究所で実際にサメが暴れだすシーンに移っていきますが、ここでも(MEG・ザ・モンスター)(詳しくはこちら)などで
見たことがあるようなシーンのオンパレードで、結局研究所のガラスを破ってサメが侵入してきます。
普通、水深100メートルのところにある大きな窓ガラスが割れれば、全員溺れてしまうと思うのですが、何故か、浸水は整理棚の高さぐらいで止まり、棚の上に乗って数名が難を逃れます。
で、着実に人数を減らしながら、『通気口から外に出られるぞ!』という事で、通気口、、、、
のシーンは飛ばして、外に出れました。
そこは、ジャングル、、、。
水深100メートルから巨大サメに襲われながら通気口を通って脱出したその施設は、ジャングルのど真ん中にあったんですね。
なかなかの強引な展開で、中国製モンスターパニックの定番の舞台、ジャングルに到着しました。
という事で、ここからはいつも通り、ジャングルの中でサメとの攻防が始まります。
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陸ですけど、、、
という事で、本作に登場するサメは水陸両用で、陸地では、地面を掘りながら進む、という力業を得意とするサメとなっています。
理由はサメとミミズの遺伝子を掛け合わせたから、だそうです。
だったら、もう少しミミズのフォルムも入れて欲しかったところですが、そこは恐らくサメパニックにこだわったという事でしょうか。
で、どんどん陸地でも攻めてきます。
ここで、嫌みキャラクターも例のごとく交じっているので、悪役ぶりを発揮します。
正義感、ヒロイン、太めの親友、嫌み、子供、とお約束のキャラクターそろい踏みで、ジャングルツアーに入りますが、
当然サメチェイスの過程で嫌みは脱落していきます。
やっとすっきりしたところで、施設の黒幕、というか遺伝操作を命じていたボスが登場。
先ほど退場した嫌みキャラの後を継ぐように外道ぶりを発揮していきます。
通常の作品ですと、こういう嫌みキャラクターは必要悪として物語に欠かせない存在ではありますが、
本作の場合その外道ぶりが度を越えていて、とにかく全面的に自分以外はどうなっても良い、というより自分以外は生きる価値無しとでも思っているかのような行動ばかりとっていきます。
最終的に小さい子供を盾にしてまで、逃げ切ろうとします。
なかなかここまで不快感を感じさせる外道キャラはモンスターパニックものには不必要ですので、登場するたびに嫌悪感を感じますが、
やっと退場したと思ったら、別人物にバトンタッチする、という徹底ぶりとなっています。
あるあるキャラの突き詰めは外道以外でもあり、幼い子供がモンスターが近づいているのに、危ない!という表現がモンスターパニック作品には良くありますが、
その登場する子供の数が通常の作品ですと1人か多くても幼い兄弟1組ぐらいですが、本作は4人ぐらい登場します。
それも全員親は別なので兄弟でもありません。
幼い子供が登場して危ない!というサスペンスも4回ぐらい続けば飽きます。
という感じでとにかく78分という短い上映時間の中に見たことのあるモンスターパニック要素だけを山盛り詰め込んだ作品となっています。
ただ、ストーリーなどはさておき、良い所取り演出なので、テンポは良く、それなりにツボも押さえていますので、モンスターパニックアクションシーンだけを観ていると意外に楽しめたりもします。
後半はいよいよ怪獣と化したサメと対決するために主人公がボートに乗っていたら、落ちそうになる、というサメとは無関係なアサスペンスアクションシーンもあり、
最終的に何故かジャンプして横っ飛びでサメめがけてショットガンを撃つ、というスポーティなシーンも登場します。
という事で、過度に期待を寄せなければ、色々とそれなりには楽しめる作品となっていますので、疲れた時の息抜きにでもご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
といいつつ、本作を観たせいで、逆に疲れてしまったらすみません、、。でも78分ですので、、。
あと、同時進行で町にサメ怪獣(別のサメ?)が押し寄せるシーンが入るのですが、そちらの物語はほったらかしのまま終わってしまい、メインのストーリーにどうつながっているのか、さっぱり分かりませんでした、、。
作品情報
2020年製作 中国製作 モンスターパニック
監督・脚本 チェン・シュー
出演 リクン・ルオ、シー・メイリ、ヨウ・ユウ、エルデ二・ナオメン
その他のモンスターパニック作品
CGと特撮の絶妙なブレンド(スタング人食い巨大蜂の襲来)はこちら
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