おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ロー・ウェイが自身の製作会社で製作も担当し、ブレイク前のレオン・カーファイと、人気バンド【ウィナーズ】のベネット・パンを主演に招いた、本筋がブレブレなゴーストコメディ作品!!
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作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、レオン・カーファイとベネット・パンが主演を演じるゴーストコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
失敗続きの特捜班を率いる熱血刑事タン(レオン・カーファイ)は、起死回生のため、情報屋でもある探偵ホーキン(ベネット・パン)を訪ねる。
新しい情報として犯罪者タイポー(タイポー)一味の犯罪計画の情報を得るが、タイポーに恨みをかったホーキンは報復され、命を奪われてしまうのだった。
しかし、この世に未練を残すホーキンは、49日の期限を条件に、恨みを晴らすためにゴーストとなってタン刑事の前に姿を現すのだった!?
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カンフー映画の大家ロー・ウェイが、自身の製作会社で製作し、製作総指揮もスーリー・ホワが担当した現代ゴーストコメディ作品です。
監督は、後にジョイ・ウォン主演で(チャイニーズレジェンド)を監督する事になるラウ・ハンチュンですので、
異世界の住人とのドラマは既に本作で描かれていた、という事になります。
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で、本作は1984年製作という事で、1985年の(霊幻道士)以前に製作されていますので、ゴーストものながらもキョンシー等は登場せず、
また、一応刑事ものジャンルに入るものの、アクションシーンは少な目、途中で挿入される特撮(当時では、それなりの見所になったと思われます)も本筋にはそれほど関わらない、
という、これといったジャンルを特定できないような、ふわっとした作品となっています。
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しかも、途中なんとなくラブストーリー方面にも脱線してしまいますので、本当にどのジャンルのどんな本筋をメインで表現したいのか、さえ把握できないような作品となっています。
メインのストーリー(あえてメインととらえるなら、という感じですが)は、熱血刑事(というより自分勝手刑事)のレオン・カーファイが、
自身のチームの不甲斐なさにキレて、手柄を求めて都合よく使っている探偵の情報屋に連絡を取るところから始まります。
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この、探偵ホーキンを演じているのが、伝説的人気バンド(ウィナーズ)のメンバー、ベネット・パンで、割と主役っぽく登場し、探偵業を開始するものの、
あっという間に、サクッと命を落としてしまい、何の後腐れもなく、速攻でゴーストになってしまいます。
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レオン・カーファイに提供する犯罪者の犯罪計画ネタを仕入れるために殺されたのに!
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自分のせいで情報屋が命を落としているにも関わらず全く気にも留めないレオン・カーファイ刑事は、自分にだけゴーストとなったホーキンの姿が見えている理由も考えず、なんとなくコンビになります。
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で、カラッと元気なホーキンは、49日の期限内に自分を殺した犯人に恨みを晴らしたい、という事で、なんとなくコンビ生活が始まる、、、
というのがメインの展開ですが、ここまではまだなんとなくの流れがあって良いのですが、この本筋に入ってからのフラフラ感が半端なく、
一応犯人役のタイポー(役に合っているとは思えませんが、気性の荒い、ワイルドな強盗犯役)を追う、というのがメインの目的でありますが、
真剣に捜査しているシーン等は一切なく、途中なんとか逮捕できたにも関わらず、何の説明もなく、いつのまにか、また娑婆で犯罪を繰り返している、
という何か重要なシーンをごっそりカットしてしまったかのような、強引な話の展開になっていきます。
逮捕されたシーンが余計なのか、釈放されたシーンが抜けているのか、どちらか分かりませんが、どう見ても辻褄は合いません。
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さらに、中盤以降このタイポー捕物帳がどうでも良い扱いになっていき出して、
レオン・カーファイが車に乗って信号待ちしている時に、偶然隣のレーンで信号待ちしていたヒロイン、ニー・シューチュンに一目ぼれしてしまい、
そのニー・シューチュンとの恋物語が掘り下げられる、という横道の本筋化が進められてしまいます。
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ニー・シューチュンは、本作以外にも、本作のベネット・パンの所属する(ウィナーズ)のメンバーであるアラン・タム主演の(アラン・タムの怪談 魔界美女物語)や、
フランキー・チェンと共演した(ファンタジーフォックスストーリー)等、ジョイ・ウォンブレイク直前の香港映画界のゴースト系ヒロインの代名詞的な位置に少しだけいた人気のヒロインで、
ジョイ・ウォンと共通するような長髪と儚げな幸薄系の表情が人気を博していました。
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そんなヒロインに、一目ぼれしたレオン刑事は、その後街中で偶然再会した時にストーカー張りに後を付けて、
結婚衣装のモデル(?)等で活躍している会場に、刑事の相棒(ホーキンではなく人間の)を強引に連れて行き、
レオン『今から彼女にアタックするから協力しろ。』
と、強引に協力させ、
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レオン『心配するな、俺は警察の権力や特権を使って女をモノにすることはない、俺自身の魅力で落とすんだ。』
と、引くような事を言いながら、相棒(悪役っぽい外見のホン・イーサンが演じています)に手錠をかけて扉に拘束し、
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その後ヒロインに近寄って、彼氏(演じるのはポリスストーリーでジャッキーに眼鏡を割られていたチャーリー・チョー)を騙して遠ざけて、
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レオン『俺は刑事で、あそこに凶悪犯がいるから、彼氏に家まで送るように言われたんだ。』
という、姑息を極めたような下劣な手段で、権力を全開に使用してヒロインと親しくなっていきます。
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この後も、自宅まで花を一輪持っていきなり押しかけるなどのストーカー行為を働いた上に、
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ディスコでチャーリー・チョーと楽しく踊っているニー・シューチュンに対して、
ゴーストであるホーキンに頼み込んでチャーリー・チョーに憑依させ、体を操って周りにいる女性の尻に触れさせて無理矢理痴漢させ、
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ヒロインに『あんな人だと思わなかった』
と言わせて、そそくさと歩み寄って心の油断に付け入る、という、ここまで来ると姑息というより卑怯な作戦で、ヒロインをモノにしていきます。
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で、その後、何食わぬ顔で、(偽善)ヒーローとヒロインのラブラブ展開に突入していきます、、、。
、、、、、
、、、、、
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いや、どう見ても主人公が姑息過ぎる!!
彼氏役がチャーリー・チョーなので、意地悪なヤツっぽく演じてるけど!!
普通の人!!
いや、むしろ刑事の姑息さによって、いつもより善人に見える!!
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これが、実は主人公達全員が忘れている存在、タイポーと裏でつながって犯罪に手を染めていた、とかなら強引ながらも理解できますし、
レオン刑事の姑息なスケコマし展開も、なんとなく、正義の行動にもつながらなくもないですが、
とにかく、本作は物語を進めていく上での重要なシーンが抜け落ちているパターンが多く、色んな重要な要素が排除されてしまった結果、
ただただ、レオン刑事が自分勝手なヤツという印象しか受けないような描き方となってしまっています。
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で、ブレにブレたゴースト物語は、普通に犯人を追う事もなく、いよいよ49日目を迎えてしまいます。
で、もう期限が迫っているので、最後にお別れパーティをしたいとホーキンは言い出しますが、レオン刑事は勿論自分の事しか考えていないので、その大事な台詞は、ほとんど聞いていません。
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デートの事ばかり考えていますので、ホーキンの事やタイポーの事などの重要な事は何一つ気にも留めていません。
で、しょうがないので、レオン抜きでゴースト仲間と集まってレオンの自宅(ホーキンは居候中。でも朝食はずっとホーキンに作らせるというレオンらしい亭主関白)でパーティを開催します。
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で、騒いでいたら近所の住民に怒られて、レオンもキレてしまい簡単に友情にひびが入ります。
しかも、この時のレオンのキレ方がまた半端なく、高い位置に安置していたホーキンの遺灰が入った骨壺を持ち上げて、落として割ってしまう、
という、ここまで行くと外道に足を踏み入れそうなぐらいの蛮行を行ってしまいます。
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で、そのままの流れで仲違いしたタイミングで、一人になったヒロインに、物陰から登場人物と観客側も、皆が忘れていたタイポーが現れてヒロインを攫っていきます。
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で、取ってつけたようなヒロイン救出アクションへとクライマックスの舞台を移していく事になります。
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頑張れっ!!レオンっ!!
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負けるなっ!!レオンっ!!
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、、、て、なったのか!?当時の香港の観客は!?
ずっと最初から最後まで嫌なヤツでしたけど!?
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作品情報
1984年製作 香港製作 ゴーストコメディ
監督 ラウ・ハンチュン 製作 ロー・ウェイ 製作総指揮 スー・リーホア
出演 レオン・カーファイ、ベネット・パン、ニー・シューチュン、タイポー、リー・ホイサン、ビリー・ロウ、ホン・イーサン、チャーリー・チョー
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