ラン・ベイビー・ラン (RUN BABY RUN)98分

投稿者: | 2025年2月13日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

山道をランニング中の女性ランナーが、フードを目深に被った謎の男を嫌な感じで追い抜かしたため、その後逆に突き飛ばされながら抜かし返され、さらに逆ギレして仕返ししようとすると、さらにさらに逆キレされる、スピルバーグの(激突!)のラン二ング版のような自業自得スリラー!!でも、ラストのカーチェイスは結構熱いです!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、スペインで製作された山間部を舞台にしたスリラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

いつものように、人里離れた山道を一人でランニングしていたダイアナは、前を走るフードを目深に被った男性ランナーに追い付いてしまい、イラつきながら追い抜いてしまう。

その後、また一人で走っていると、先ほどのランナーに突き飛ばされながら抜き返された事で、ダイアナはさらに腹を立て、

そのランナーを追い越し際にさらに挑発的な態度で抜き去ってしまう。

そして、引き返せなくなった二人は、命がけのランニングへと突入していくのだった!?

監督は、本作が長編映画監督デビューで、いきなり製作・脚本・編集とマルチにこなすトニ・アンドゥハーで、独特の感覚のスリラーを演出しています。

トニ・アンドゥハー

主人公の女性役は、ドラマシリーズ(Serramoura)や、(A Estiba)等のカトゥーサ・レイラが登場し、謎の男と激闘を繰り広げます。

カトゥーサ・レイラ

で、主人公が出会う怪しい男役で、(Operation Warzone)や(Night of the Witch)等のコディー・カウエルが登場し、主人公に近づきます。

コディー・カウエル

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、生まれながらにして耳の不自由な女性ダイアナ(カトゥーサ・レイラ)が、

幼少期から父親によって、現実社会で生き抜くための厳しい訓練を受けるシーンから始まります。

幼少期から癇癪持ちのようですが、そこから成長し、大人の女性となった今もトレーニングは欠かさないようで、

今日も、車に乗って山奥にある自然公園へとランニングしに出かけます。

で、その公園は、ファミリー連れの憩いの場となっているようで、広場では、それなりの人数の家族が和やかな時間を過ごしています。

ただ、広大な自然の中の一部を、公園施設として開かれているだけで、ちょっと山道に入ると、直ぐに人の気配がなくなるという公園ですので、

一人で集中してランニングするには、最適なその公園を、ダイアナは一人でランニングし始めます。

で、順調に小鳥のさえずりを聞きながら(補聴器あり)山の一本道を走り、平坦な道を走り、途中犬とじゃれ合いながら、

一本道の坂道を走っていると、前方を走るゴツい体格の黒いフードを被った男性ランナーに追い付いてしまいます。

男性ランナーは、それほどペースが早くなく、大柄という事で、道を塞がれたダイアナは、イラっとしながら、隙を突いてそのフードランナーを避けて追い抜いて走り去ります。

癇癪『邪魔っ!!』
癇癪『せいっ!!』
癇癪『爽快っ、、、、、』

で、また一人で独走状態になったダイアナは、その後自分のペースを取り戻してランニングを続けますが、それからしばらく後、、、、

ふいに、あのフードランナーが、ぶつかりながら追い抜かしていきます。

ドンッ!!
癇癪『はぁ!?』

この行為に、怒りの炎がふつふつと燃えだしたダイアナは、やり返そうと、本気で走り始めます。

癇癪『なめんとんなっ!!』
癇癪『よし、やったんどっ!!』
癇癪『せいっ!!』
タッタッタッタッタッ
タッタッタッタッタッ
タッタッタッタッタッ
タッタッタッタッタッ
タッタッタッタッタッ

で、ついにフードランナーに追い付いたダイアナは、颯爽を抜き返し、走り去る際に、、、、

タッタッタッタッタッ
タッタッタッタッタッ

中指を立てて抜き去ってしまいます。

癇癪『うっしゃぁぁぁぁぁ!!』

この行為に、(多分)キレたフードランナーは、必死で険しいけもの道を進んで近道をし、ダイアナの直後へと追い付き、

本気走りで、また抜き去る際に、今度はかなり突き飛ばして、その反動でダイアナは緩やかな斜面を転がり落ちてしまいます。

近道中
スッ
ドン!!

で、転がりきったところを、フードではない他のランナーに助けてもらったダイアナは、そのまま家族連れでにぎわう広場へと移動します。

で、広場で休憩し、身体を休めていると、何気に、フードが着ていた上着が、脱いだ状態で木に垂れ下がっているを発見します。

癇癪『あの野郎、本当にムカつく、、、』
癇癪『、、、、わ!!』
!!!!!

『あいつが、この中にいる!?』

と思ったダイアナは、家族連れをジロジロと見回しますが、その中の一人、ランチ中の男性と目が合います。

ジロり
ジロり
ジロり
ピターん
癇癪『ワレかいっ!!』

その様子に、フードだと確信したダイアナは、男性に歩み寄り、

『このクソヤロウ!!』

と口汚く罵り、男性を罵倒し続けます。

癇癪『ワレ、このクソったれが!!』
癇癪『舐めとったら、いてまうどっ!!おう、コラぁ!!!』

この行動にギョッとした周りの人々が、ダイアナを制止しますが、ダイアナは周りを無視してキレ続け、、、

ながら、ふと山道のある方向を見ると、、、、

、、、、全然違う所を、快調に走り去って行くフードを発見!!

タッタッタッ

既に沸点に達しているダイアナは、人違いした男性なんかは無視して、後を追うとしますが、一旦冷静になろうとします。

癇癪『ああー、もうムカつくわぁ!!』

そんな時、自分を厳しく指導してきた父親の教えを思い出します。

父親『ダイアナ、諦めるな!!諦めたらそこで負けだ!!』

父親『ダイアナ、もう大人だから分かるだろ。』
父親『諦めたら、そこで負けだ。』

そして、父親の教えを思い出したダイアナは、車を停めている駐車場へは向かわずに、フードが走り去った方向へとまた走り出す、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

スペインで製作された、ちょっとハリウッド映画とは異質な雰囲気のスリラー作品です。

お国柄なのか、監督のセンスなのか、はたまた、主演女優カトゥーサ・レイラが監督のお気に入り過ぎるのか、

冒頭から、主人公のアップがやたらと多く、さらに、スローや別角度からカットを変えて、しつこいぐらいに主人公の表情を映していきます。

で、このアップの連発もそうですが、カット割りの多投やスロー撮影等、全てのシーンがハリウッド作品よりも1.5倍ぐらい長めに撮影されているイメージですので、

非常に間延び感があり、さらに、ランニング中の女性がラン二ングに関するトラブルに巻き込まれる(というよりトラブルを作っている感じですが)というシンプルな物語なので、

主人公は常に前に走っていますが、物語自体の停滞感は強く、ハムスターの回転遊具のように同じところをずっと走っている感覚に陥ります。

このなんともいえない独特の停滞感に、離脱してしまう人もいるかもしれませんが、似たようなジャンルを多く鑑賞している方でしたら、

この、意識せずに出てしまっている感覚のズレが、なんとなく同ジャンルのハリウッド作品とは違った何かを見せてくれそうな期待感もうっすら感じさせてくれます。

その期待感にプラスして、主人公のダイアナに耳が不自由というハンデがあるために、スリラー映画では既に危機に陥りやすい状況ですので、設定的にには主人公への感情移入度も高まりそうですが、

本作では、そういう状況を全て帳消しにしてしまうぐらいの、また独特な設定が加わっています。

それが、本作のひときわ際立つ設定である、主人公の癇癪です。

とにかく幼少期のシーンから、主人公の癇癪が炸裂し、父親による、周りを全て敵とみなす様な行き過ぎの指導によって、

この癇癪がさらに加速し、時には暴走することで、全て自業自得ぐらいの勢いで、見知らぬフードランナーを挑発してしまいます。

途中まではなんとか引き返せそうですが、中盤で中指立てながら抜き去る段階に至っては、それをされて平気な方がおかしいぐらいのやらかしですので、

見てる側からすると、どんどん主人公から気持ちが離れていってしまいます。

さらに、後半、フードランナーはファンタジー殺人鬼並みの不死身ぶりを発揮していき、(悪魔のいけにえ)モードにまで突入してしまいますので、

もう、結構なジャンルを飛び越えて、主人公の癇癪同様に制御がきなかい状態になっていきます。

ただ、ここまでなら感情移入できない、主人公の勢い任せスリラーという感じなのですが、物語がひと段落ついた後半、雰囲気は一変します。

結局は、恐らく監督が一番やりたかったと思われる(激突!)にオマージュを捧げたようなシンプルなカーチェイスシーンへと突入して行くのですが、

このカーチェイスが、ドローンや並走している車からの撮影等、色んな角度から撮影した映像をかなりテンポ良く繋いだ、非常に盛り上がるシーンの連続で、

ちんたら走っていた小競り合いが嘘のように緊迫感満載のカーアクションシーンとなっています。

このシーンを観るためだけにでも、本作を鑑賞しても良いぐらいの結構な完成度となっていますので、ランニング中の小競り合いに脱落仕掛けた方も、

なんとか我慢して最後まで走り抜けていただきたい作品となっています。

ほとんど怒りの表情しか見せない主人公ですが、ラストカーチェイスの段階に至っては、その怒りの表情が、

ワイルドなカーチェイスとマッチして、とことんやるところまでやってやるという主人公の心情にここまできてやっと感情移入できるのではないでしょうか。

という事で、一風変わった作品ですが、本作にしか存在しない魅力も秘めた作品ですので、レディースアクション好き、カーアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

できれば、そのハイテンションのカーチェイスだけで全編を描いて欲しかったですが、、。

作品情報

2024年製作 スペイン製作 レディースアクション

監督・製作・脚本・編集 トニ・アンドゥハー

出演 カトゥーサ・レイラ、コーディー・カウエル、ミュリエル・ハロイント、オスカル・フォロンダ

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