ノックオフ(KNOCK OFF/K.O.雷霆一擊)91分

投稿者: | 2024年11月2日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

【香港のスピルバーグ】ことツイ・ハークが、全米進出作(ダブルチーム)に続いてジャン・クロード・ヴァンダムとタッグを組んで、香港ロケで製作した、ジャッキー・チェン作品のような大掛かりなスタントアクション連続のほぼ香港映画なハリウッド製作アクション!!

作品紹介

1998年11月21日公開

今回ご紹介する作品は、ツイ・ハーク監督、ジャン・クロード・ヴァンダム主演によるハリウッド製アクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

中国返還直前の香港、元模造品の製造者レイは、模造品から足を洗い、相棒のトミーと共に、ブランドジーンズを製造販売していたが、

人力車レースに選手として参加している際に、幼馴染のエディーが何者かに誘拐されそうになっている現場に遭遇する。

友人を救うために襲撃を阻止したレイだったが、その襲撃事件を発端に、自身が製造するジーンズに関する巨大な陰謀に巻き込まれて行く!?

監督は、本作と同じ監督・主演コンビの(ダブルチーム)やニコラス・ツェー主演の(ドリフト)等と同時期の

香港のスピルバーグことツイ・ハークで、香港映画らしい大掛かりなアクションドラマを演出しています。

ツイ・ハーク

第二班監督は、(ナイスガイ)や(無問題)と同時期のサモ・ハンキンポーで、ジャッキー映画チックな街中でのアクションを演出しています。

サモ・ハンキンポー

主人公の元模造品の販売者役で、(ダブルチーム)や(ハードターゲット)、(マキシマムリスク)等、香港出身監督作品への出演の多い

ジャン・クロード・ヴァンダムが登場し、明るい香港映画っぽいヒーローを演じています。

ジャン・クロード・ヴァンダム

で、その相棒となる男役で、(80デイズ)や(アニマルマン)等のロブ・シュナイダーが登場し、ヴァンダムと丁々発止を繰り広げていきます。

ロブ・シュナイダー

で、主人公達と行動を共にするエージェント役で、(ため息つかせて)や(チェンバー凍った絆)等のレラ・ローションが登場し、大騒動に参加していきます。

レラ・ローション

で、CIAの上官役で、(グッドフェローズ)や(ロミオ+ジュリエット)等のポール・ソルヴィノが登場し、物語世界を掘り下げていきます。

ポール・ソルヴィノ

で、事件を追う香港警察の刑事役で、(皇家戦士)や(ファイアードラゴン)等のマイケル・ウォンが登場し、後半にかけて活躍していきます。

マイケル・ウォン

で、同じく香港警察の女性捜査官役で、(レジェンド・オブ・フォース激闘飛龍)(詳しくはこちら)や、

神探大戦)(詳しくはこちら)等のカルメン・リーが登場し、事件の捜査を進めていきます。

カルメン・リー

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、模造品製作会社を追う、マイケル・ウォン率いる香港警察の特捜チームは、

港から出航したロシア人模造品業者を捕らえるために出動するものの、模造品の人形を押収したのみで、犯人たちを取り逃がしてしまうシーンから始まります。

そんな中、かつて模造品を製造していたものの、今は改心してジーンズメーカー(V6)の香港支社を仕切っているレイ(ジャン・クロード・ヴァンダム)は、

今日も港での自社製品の積み込みを確認し、相棒であるトミー(ロブ・シュナイダー)と共に業務をこなしています。

そして、毎年、香港の街中で開催されている違法な人力車レースに選手として二人は参加しますが、そのレースの最中に、

レイの親友であり、黒社会のボスでもあるエディーが、謎の集団に襲撃・拉致されそうになっている所を阻止しようとしたことで、街は大混乱になってしまいます。

なんとか、エディー襲撃は阻止したものの、犯人グループと間違われたレイとトミーは、その場に居合わせた香港警察の女性刑事リン(カルメン・リー)に逮捕されてしまいます。

その後、なんとか誤解が溶け、解放される事になった二人ですが、そこへ(V6)の本社から、幹部カレン(レラ・ローション)がやってきて、

香港から輸出されているジーンズに模造品が交じっている事を指摘し、翌日ジーンズの製造工場へと出向く事になります。

実際に行ってみると、レイの把握していないところで、エディーがジーンスに模造品を混ぜていて、さらにその作業にはエディーを襲った謎の集団が絡んでいる事が分かります。

で、そんな中、エディーが、謎の集団についに命を奪われてしまい、その罪を着せられたレイとトミーが、黒社会組織のエディーの部下達に追われる身となる中、

相棒のトミーが、実はCIAのエージェントだと分かり、模造品製造販売会社と謎の集団による巨大な陰謀が明らかなになる、、、、、、というのが大体の大筋となっています。

大ブレイクを果たしたジャン・クロード・ヴァンダムの人気が、落ち着き始めた時期に主演した作品で、

1996年は、ヴァンダム自身の初監督・主演作品(クエスト)とリンゴ・ラム監督の(マキシマム・リスク)、1997年は、ツイ・ハーク監督の(ダブルチーム)、

そして本作が製作された1998年は、前年と同じくツイ・ハークと再びタッグを組み、その後(ランボー3)のピーター・マクドナルド監督の(レジョネア)に主演、

翌年には(ユニバーサルソルジャー ザ・リターン)に主演する、という、内容よりも、色んな監督とのコラボレーション作品に、活路を求めていた時期の作品となっています。

前作がアメリカで、相手役にデニス・ロッドマンミッキー・ロークがキャスティングされるコロンビアピクチャーズの大作気味の作品だったのに対して、

本作では、完全な香港ロケで、ツイ・ハーク監督によるジャッキー映画の様な雰囲気の作品に主演する、という、それまでのヴァンダム作品とは一風変わった内容で、

いつもの渋い、あるいは優しいヒーローを演じていたヴァンダムが、ジャッキー・チェンが普段演じてるような明るく、陽気な、コメディ寄りのキャラクターを演じている珍しい作品となっています。

ヴァンダムは、いつもよりコメディチックなキャラクター

元模造品の製造者で、今現在は改心して真面目になろうとしているが、結局トラブルに巻き込まれてしまう、

という巻き込まれ型のヒーローで、香港の街中を舞台に、ジャッキー映画のような大掛かりなスタントアクションや、

悪党組織の強敵と激闘を繰り広げる格闘アクションも要所で登場する、まさに香港映画のような痛快アクションとなっています。

観ている間の爽快感も、実に香港映画のノリで、マイケル・ウォンや、カルメン・リー等の香港キャストも大活躍して、香港映画チックな娯楽要素を盛り上げています。

全体を通して、派手で楽しいアクションも多く、香港映画やジャッキー映画を観ているような楽しさに溢れているのですが、

本作がイマイチ、大ヒットには至らず、ヴァンダム作品の中でも、それほどの評価を受けていない理由は、恐らく、ヴァンダムの持ち味によるものかと思われます。

非常に明るく楽しい雰囲気で、ヴァンダムもしっかりと主演として活躍し、アクションの見せ場もしっかりと用意されているのですが、

何故か、ヴァンダム自身の持ち味と作品の雰囲気が合っていないのか、作品全体を通してヴァンダムの印象が、なんとなく薄く感じられてしまいます。

ジャッキー映画の様な役柄と、アクションが満載ながらも、ジャッキーのように弾けた存在に成り切れていないのは、

恐らくヴァンダムジャッキーのような、ずば抜けた個性を持っていないせいで、逆にジャッキー作品に似た作品となっているために、

ヴァンダムの個性の薄さが強調されてしまう結果となってしまっています。

演出側も、ヴァンダムだけでは作品の娯楽度が薄くなると判断したのか、コメディ要素の強いロブ・シュナイダーが相棒として登場し、

さらには、アクション的にも、ドラマ的にも盛り上がる後半にかけてのクライマックスバトルシーンでは、

相棒だけではなく、ヒロイン役のレラ・ローションや、それまでそんなに活躍していないマイケル・ウォンまでバトルに参加する

という、見せ場を分担してやっと、一番の盛り上がりを演出する、というジャッキー作品ではありえないような、

一番の見せ場を、格闘系ではない他のキャストと同じバランスで分担してしまう、

という、ヒーローが活躍するアクション映画としては、少々残念なクライマックスとなっています。

ただ、ヴァンダム映画としては、出ずっぱりな割に消化不良感が残りますが、アクション映画、香港映画として鑑賞すると、

見せ場満載で、非常に楽しい作品となっていますので、香港映画好き、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

あと、1997年の香港の中国返還当時のちょっとした貴重な記録映像等も収録されていて、色んな意味で結構楽しめますよ。

作品情報

1998年製作 アメリカ・香港製作 アクション

監督 ツイ・ハーク 脚本 スティーブン・E・デスーザ 第二班監督 サモ・ハンキンポー 

武術指導 ユエン・ブン

出演 ジャン・クロード・ヴァンダム、ロブ・シュナイダー、マイケル・ウォン、カルメン・リー、レラ・ローション、ポール・ソルヴィノ、チャン・ホー、キム・マリーペン、マイク・ミラー、ジェフ・ウォルフ

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