禁じ手(KINJITE:FORBIDDEN SUBJECTS)98分

投稿者: | 2024年8月28日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

チャールズ・ブロンソンと(ナバロンの要塞)のJ・リートンプソン監督コンビによる、西洋人から見た独特の日本の文化を詳細に描いた、どういう方向に物語が進むのか予測が全くつかないサスペンスアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、キャノンフィルムズが製作したチャールズ・ブロンソン主演のサスペンスアクションです。

それでは、まずはあらすじから、

10代の娘を持つロス警察の刑事クローは、少女買収組織のボスデュークを憎み、付け狙っていた。

そんな時、アジア人夫婦の娘が誘拐される事件が発生し、クローが事件の担当となる。

その事件もデュークの組織の仕業だと考えたクローは、相棒と共に捜査を開始するが、、、。

監督は(ナバロンの要塞)や(必殺マグナム)(詳しくはこちら)のJ・リートンプソンで、本作が監督引退作品となっています。

主人公の刑事役は、(バトルガンMー16)や(地獄で眠れ)等、J・リートンプソン監督とのコンビ作も多いチャールズ・ブロンソンで、

本作でも低予算ながらも、後半には大掛かりなアクションも披露し、大活躍を見せています。

チャールズ・ブロンソン

で、ブロンソンの宿敵となる売春組織のボス役で、(地獄の7人)や(クロコダイルダンディー2)等のフアン・フェルナンデスが登場し、悪の限りを尽くします。

フアン・フェルナンデス

で、娘を誘拐されてしまう日本人サラリーマン役で、日本映画(ハリマオ)や(ゴーストハンターズ)等の

ジェームズ・パックスが登場し、微妙な役柄を演じています。

ジェームズ・パックス

で、ブロンソンの奥さん役で、ドラマシリーズ(ツインピークス)や(ポストマン)等のペギー・リプトンが登場し、物語に深みを与えています。

ペギー・リプトン

そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、荒くれ刑事クロー(チャールズ・ブロンソン)が、

今日も、デューク率いる少女売春組織の荒くれ捜査を進め、デュークの顧客を叩きのめしてしまうシーンから始まります。

クローには、10代の娘がいるという事もあり、人一倍売春組織を憎んでいて、中でもデュークの存在自体をゴミの様に思っていますので、

警察の権限を越えたところでもデュークを付け狙っています。

そんなある日、アメフトスタジアムで、餌食を求めて物色していたデュークは、向かい側の席で楽しく観戦しているクローと娘と娘の友人を発見します。

デューク『おっ!!』
デューク『あのデカ野郎め、、』

で、クローがホットドッグを買いに出かけたタイミングでデュークも席を外し、、、、、

デューク『年頃の娘がいるのかよ。』

、、、、、、娘を誘拐、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、

、、、、するのではなく、ホットドッグを買ったばかりのクローに忍び寄り、

正面から堂々とイヤミを言って、逆にクローにキレられて、アツアツのホットドッグを顔に擦り付けられ

相棒はひじ鉄を喰らわされる、という散々な目に合います。

娘の友達『あんたのお父さん、カッコ良いわねぇ。』   娘『もちろんよっ。』

緊張感が高まる二人ですが、湧き上がる怒りを制御できないクローは、ある夜、アジトから車に乗って出かけようとするデュークの助手席に押し入り銃を突きつける

という、法の範疇を越えた直接的な行動に出てしまいます。

勿論、その時点では犯罪の証拠も何もないので、違法捜査、というよりただの暴力ですが、ブロンソンにはそんな事関係ありませんので、

そのまま車を発車させ、人気の無い場所まで車で移動します。

で、ヤバいヤツと判断したデュークは、ティファニーの高級時計を差し出して買収しようとしますが、ブロンソンにそんな姑息な手段が通じるはずもなく、

その時計をそのまま帰すどころか、口を開けて飲み込め、と、ちょっと他の人では考えつかないような拷問でデュークを責めます。

勿論、銃を突きつけられているデュークが、抵抗できるはずもなく、ゴツイ時計を【んごっくんっ!!】と、青筋たてながら飲み込まされてしまい、

さらには車に放火されて派手に爆破される、という散々な目に合います。

しかし、それでデュークが黙っているはずもなく、後日レストランで食事しているブロンソンをマシンガンで銃撃する(店主が被弾)という大事件に発展し、

いよいよ二人は、一触即発という所まで緊張状態が悪化して行きます。

という流れの中、場所が変わって東京で、エリートサラリーマン羽田は、今日もスーツに身を包み、会社で実施している英語の授業も受け、

忙しく働き、満員電車に乗って帰宅し、着物に着替え、愛する奥さんと二人の娘に囲まれて幸せな毎日を送っています、、、、

が、、、、、

そんな真面目な羽田には、実は内面に潜む抑えられない衝動が存在します。

満員電車に揺られる毎日、ぎゅうぎゅう詰めの車内、その場から身動きできなくなった目線の先に、たまたま視界に入った女性。

羽田『今日も混んでるなぁ、、、。』
羽田『毎日、毎日特に夏場は、キツ、、、、、』
羽田『、、、いっ!?』
羽田『おおっ!!視線の先に美女!!』

しかし、まもなく、その女性は、前の座席に座っている男に足をまさぐられ、次第にその手はスカートの中へ、、、、。

さわりっ、、

しかし、気づいた羽田からは遠めの距離で助けに行く事はできない、、、、、、。

羽田『んっ!?美女の様子が、、、』

その時、羽田は、、、、、、、

、、、、、、、、、、、、

羽田『もしかして、痴、、、』

、、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、

、、、、にやり、、、

にやり

痴漢願望!!

羽田は、痴漢を止めるために行動するどころか、痴漢されて顔を伏せている女性を見てほくそ笑む、という

真面目そうに見えて実は、

AVファンタジー世界の住人的な妄想癖のあるムッツリ野郎

だった事が分かります。

で、その夜帰宅したAV男優志望エリート社員ハダは、ムラムラしたのか奥さんと熱い夜を過ごす事になります。

で、そんなAV男優ハダに転機が訪れます。

ロサンゼルス支店への転勤、出世です。

で、家族と共にロサンゼルスに引っ越したAVハダは、順調に生活をスタートさせて3か月がたち、今日も疲れてへとへとになった帰りに通勤バスに乗り込みます。

で、ウトウトとしながら自分が座っている座席の前を見ると、10代の少女が楽しそうに会話しています。

しかし、非常に距離が近い。

AVは仕事で疲れている上に一杯ひっかけている。

転勤3か月という事で、そろそろ生活にも慣れて来て少しは余裕ができてきている。

眠気と酒気で判断能力が鈍っている。

少女が近い。

そこで、かつての痴漢電車での女性の表情を思い浮かべてしまったことでAVはついに一線を越えてしまいます。

にやり、、、

にやり

さわり、、、、

さわり、、、

【やってしまった!!】

しかし、その瞬間、

『ギャーッ!!!!』

文化の違うアメリカでは痴漢事情も違う(?)のか、泣き寝入りなんてことは全く無く、少女は大声を張り上げ、バスは緊急停車する事になります。

少女『なんか、きっしょいオッサンに触られたっ!!』
先生『どいつなのっ!?私の生徒をさわったやつは!?』

しかし、どさくさ紛れにさっさとバスを降りたAVは、人込みにまぎれ、正義感の強い偽チャック・ノリスの野獣捜査線も切り抜けて闇に消えていきます。

通りすがりの偽ノリス『何っ!?お前が少女を触ったのか?』  男性『違う違う。』
AV『やべぇ、、、。』

で、痴漢被害にあった少女は、、、、、

、、、父親であるブロンソンにその事件の事を告げて、日頃から人種差別気味のブロンソンに火を付けます。

ブロンソン『くそう、アジア野郎。』

ブロンソン『ムッツリのアジア野郎めっ。』

荒くれブロンソンは誰も止めれませんので、道路を塞ぐ日本人に、車から降りて行って罵声を浴びせますし、

上司からアジア人少女の行方不明事件を捜査しろ、と言われても一旦断ったりします。

ブロンソン『アメリカに来てえらそうにするんじゃねぇ。』

ただ、

『人種を選んで捜査するつもりか!』

の鶴の一声で、とりあえず捜査を開始する事になったブロンソンは、その事件もにっくきデュークによる売春目的の少女誘拐だと目星をつけデューク周りを調べ始めます。

で、調べを進めていくうちにアジア人少女の目撃証言等もあり、アジトらしきホテルを特定し、乗り込む事になりますが、デューク自身は寸前のところで姿をくらまし、

右腕の部下だけはなんとか取り押さえる事が出来ます。

で、デュークと少女の居場所を聞き出そうと、刑事ものでありがちな、ベランダから逆さづりにして足だけ持って脅して自白させる、

という軽妙なバディ刑事ものだけに許させる危険な方法を使ってゴツイ野郎を吐かせようとします。

ブロンソンバディ『おい!居場所をはけっ!!』 悪党『し、、、知らんっ!!』

しかし、以外にゴツイ悪党の口が堅く、なかなか自白しない中、それでも強引に自白を迫っていると、、、

ブロンソンバディ『子の高さから下のプールに落ちたら死ぬぞっ!!』 悪党『や、、やめろ!!』
悪党『お、、俺は知らんっ!!』

、、、、、、、、、、、、、、

ブロンソンバディ『吐かねえなら、ここから落と、、、、』

、、、、、、、、、、、、、

【するりっ】

ブロンソンバディ『あっ、、、、』

【ぼちゃんっ!!】

ブロンソンバディ『、、、、、、、、。』

【やってしまった!!】

こういうシーンは良く見ますが、靴が脱げて本当に落ちてしまう、という

ちょっと他のシリアス作品では、あまり見かけない完全な殺人を犯した刑事二人は、、、、その部屋に隠れていた少女を救出できた事で、何故か完全犯罪はおとがめなしになり、

誘拐事件に関しては一旦解決を見ることになります。

とりあえず少女誘拐事件は一旦解決

で、後日娘を助けてもらった両親が、お礼のためにブロンソン宅を訪れます。

ブロンソン娘『被害者のご両親が、お礼に見えたよ。』

しかし、、、、、、

、、、そこで緊張感が走ります。

両親『いやぁ、先日は娘を助けて頂きありがとうございました。』
ブロンソン『いやいや、なんのなんの。』

、、、、、、、、、その両親の父親を見たブロンソンの娘は思い出します。

、、、、、あの胸につけているバッチ、、、、、あれは、、、、。

ブロンソン娘『わ、、私は、、、、』
ブロンソン娘『この男を知っている。』

、、、という流れが他大体の大筋となっています。

1989年に製作された作品という事で、バブル期の日本の企業に対する不安感や反発感等が根底に存在する作品で、

それを、ブロンソン流の勧善懲悪ビジランテアクションに落とし込む、という、なかなか難しい題材を扱った内容となっています。

ただ、その二つの要素が上手く物語展開に溶け込んでいるのか、と言われると全くそうではなく、ブロンソン自体はいつも通りで予想が付く展開ですが、

日本人側の痴漢物語が、準主役級に詳細に描かれる割には、微妙に本筋と無関係で、はっきり言って東京痴漢物語編をまるまる失くしてしまっても全然物語は成立してしまいます。

これが、まだ、助けた相手が実は最低な性犯罪者だったとかサイコ野郎だった、とかでしたら、後半にかけて盛り上がりそうですが、

結局、ブロンソンの娘も、羽田が痴漢バスの犯人だと確信を得るような表情のカットはあっても、それを父親であるブロンソンには一言も告げる事なく、

その後結局デュークとの直接対決へと移ってしまいますので、結局積み上げた痴漢物語の全てが本筋には関わらない、という残念な物語展開となっています。

恐らく、本作の企画の考案者が日本の当時のAV等を見て製作を決定したのだと思われますが、やはり西洋人目線で描かれているために、

お約束の奇妙な日本文化の表現含めて、見世物的な表現にしかなっていないのが残念です。

ブロンソンの娘が狙われると思いきや、別人が誘拐され、しかもその誘拐された娘の両親が、自身の娘を痴漢した相手だった、

なんて、結構ドラマ的な盛り上がりを期待できそうな設定ですが、良さそうな要素がイマイチかみ合ってない、というのが、B級アクションで有名なキャノンフィルムらしい作品となっています。

という事で、物語展開は微妙ですが、痴漢物語はスルーしても、ブロンソンの無双ぶりや、クライマックスの意外に大掛かりなアクション等、

見所は沢山ある作品となっていますので、B級アクションファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1989年製作 アメリカ製作 サスペンスアクション

監督 J・リートンプソン 製作 メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス

出演 チャールズ・ブロンソン、フアン・フェルナンデス、サイ・リチャードソン、ジェームズ・パックス、ペギー・リプトン、ペリー・ロペス、ダニー・トレホ

トレホも出てます

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