おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
テレンス・フィッシャーが監督し、ピーター・カッシング、クリストファー・リーの黄金コンビが共演し、神話に登場する妖女伝説を時代を映して描き直した、サスペンス要素たっぷりのゴシックモンスターホラー!!



作品紹介
1965年7月2日公開
今回ご紹介する作品は、ピーター・カッシングとクリストファー・リーが共演した怪奇ホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
ドイツのバンドルフにあるボルスキ城には、何百年も前から怪物の悪霊が住んでいるという噂があった。
この城の付近で、ある満月の夜、何者かによって若い男女が殺害される事件が発生した。
女性の方は石化し、男性は自身で命を絶っているという異様な事件だった。
その後裁判によって、男性が女性を殺害し、その罪を苦にして自身の命を絶ったと結論付けられた男性の父親ハイツは、
自らその事件を調べるうちに、その地方にまつわる伝説の悪霊の存在を知るのだった!!

監督は、(吸血鬼ドラキュラ)や(フランケンシュタインの逆襲)等、名優二人を起用したハマーフィルム作品を多く監督している
テレンス・フィッシャーで、本作でも息の合った名演出で、伝説の妖女を復活させています。


主人公に近い位置の医師役を演じているのは、(地底王国)(詳しくはこちら)や、(テラー博士の恐怖)等の
ピーター・カッシングで、謎をひた隠しにする医師役を圧倒的な存在感で演じています。



で、その医師と最終的に対決する教授役で、(ロード・オブ・ザ・リング)や(血のエクソシズム ドラキュラの復活)等のクリストファー・リーが登場し、ライバルと激闘を繰り広げます。



で、色んな意味のヒロイン役で、(凶人ドラキュラ)や(白夜の陰獣)等のバーバラ・シェリーが登場し、主人公達と行動を共にしていきます。



で、実質的な物語の主人公の青年役で、(呪われた森)や(Queen Victrioa 至上の恋)等のリチャード・パスコが登場し、事件に巻き込まれていきます。



そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、今世紀初頭、ドイツの片田舎の村の森で、若き男女の遺体が発見されるシーンから始まります。


で、この遺体の状態がかなり異常な状態で、女性は完全に石化してしまっていて、男性の方は、自ら死を選んだようにも見える状態で発見されます。

実は、この村では過去5年間の間に、既に7件も同様の殺人事件が発生していて、石化という異様な状況から、
神話に登場する妖女ゴーゴンの伝説の再来をささやかれますが、そんな現実を受け入れたくない村の人々は、
その連続殺人事件を、全て今回の事件の被害者男性が、自身の犯した罪を悔いて自ら死を選んだと、強引に結論つけようとします。


で、都会からそんな事件の裁判にやってきたその男性の父親ハイツは、自ら調べを進めるうちに、ゴーゴン伝説にまつわる常識ではありえない現象が起きて息子は犠牲になったと確信します。

で、そんなハイツは、まっさきに息子やその恋人の遺体を解剖した医師ナマロフ(ピーター・カッシング)に事情を聞きに訪ねますが、
ナマロフも、村人たち同様に真実を話す事は無く、美貌の助手カルラも口を閉ざしたまま、誰一人として部外者のハイツには協力してくれません。



そこで、業を煮やしたハイツは、怪物の悪霊が住んでいるという噂のあるボルスキ城を訪ねると、そこで暗闇から突然、物凄い形相の何者かが姿を現し、
それを見てしまったハルツは、だんだんと自身の体の異変に気付き始めます。


で、薄れる意識の中、もう一人の息子パウルに手紙を出し、受け取ったパウルは、恩師マイスター教授と共に現地を訪れ、
改めて二人で、妖女伝説が絡む事件を捜査し始める、、、、、、というのが大体の大筋となっています。



ドラキュラものやフランケンシュタインもの等で共演しているピーター・カッシングとクリストファー・リーの大人気黄金コンビによるホラー作品の一作で、
今回はゴーゴンそのものの恐怖シーンを軸に、連続殺人事件とゴーゴンは誰だ?的なミステリー要素も加味して、
ゴシックサスペンスホラーとでも表現すべき、意外な物語展開も楽しめる内容となっています。


当初、主人公だと思われた登場人物も、ゴーゴンの脅威によって、次々と倒れていき、次のキャストにバトンタッチしていく、
という感じで、誰が生き残るのか?という部分の意外性でも十分楽しめる物語となっています。


残念ながら、ピーター・カッシングとクリストファー・リーは、どちらも主人公ではありませんが、ピーター・カッシングは、
常に怪しい魅力が立ち込め、クリストファー・リーは、出番こそ少なめですが、後半はお助けヒーローのように登場しますので、
二人共主役ではないにも関わらず、十分目立った活躍を見せてくれます。

少しづつ確実に浮かび上がっていく、ゴーゴンの正体と、目を合わせてはいけない、という神話から語り継がれる緊迫感満載のゴーゴンルールによって、
クライマックスの緊張感は、かなり高まっていきます。


ただ、少し残念なのは、ゴーゴン自体は、他のモンスターのように動き回って襲い掛かるという事が一切なく、
ただただ目を見開いてこっちを見ているだけ、という見てはいけないルール一発に頼った脅威なため、逆に言うと究極のスキだらけなポージングでずっとそこに立っているだけですので、

何かもう少し、攻撃を加えてくれたら、そこからちょっとした攻防も描かれたと思われるのですが、どうでしょうか。
立っているだけでも、凄く怖い容姿ではありますが、、、。

とは言え、そういったアクション要素が描きにくいからこそ、ミステリー要素を加味した、という事かもしれませので、それはそれで良かったのかもしれませんが、、。

という事で、共演シーンこそ少なめですが、2人のレジェンド俳優の激突が楽しめ、雰囲気満点の怪奇ミステリーもあり、
そしてインパクト大のゴーゴンの活躍(こっち見てるだけですが)も楽しめる作品となっていますので、クラシックホラー好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。





作品情報
1964年製作 イギリス製作 モンスターホラー
監督 テレンス・フィッシャー
出演 ピーター・カッシング、クリストファー・リー、リチャード・パスコ、バーバラ・シェリー、マイケル・グッドリーフ、パトリック・トルートン、ジャック・ワトソン


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