お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
アフリカの危険地帯を舞台に、誘拐された政治家の娘を救出するために派遣された傭兵部隊の、テロリストと猛獣の三つ巴のバトルを描いた、ミーガン・フォックス主演のミリタリーアクション!!
作品紹介
2021年5月7日公開
今回ご紹介するのは、ミーガン・フォックスがミリタリー系の作品に初主演したサバイバルアクションです。
それでは、まずはあらすじから、
南アフリカの危険地帯で、誘拐された知事の娘アシラ・ウィルソン(ジェシカ・サットン)を救出するためにサマンサ・オハラ(ミーガン・フォックス)率いる傭兵部隊が、
敵アジトに踏み込み、一緒に拉致されていた少女とともに救出に成功する。
しかし、想定外の反撃にあった傭兵部隊は、そのままアシラたちを連れてアフリカの平原を安全地帯を求めて移動を開始する。
テロリストたちの執拗な追跡の中、ある施設に辿りついた傭兵たちを待っていたのは、かつて施設で繁殖目的で飼育されていた獰猛なライオンだった!?
(トランスフォーマー)公開時の奔放な発言などで、いろいろな問題のあったミーガン・フォックス久々の主演作品です。
本作では、実力派揃いの傭兵軍団のボス、という事で、これまでの作品で演じてきた役柄とは一味違った、キャラクターで、イメージチェンジを狙ったようなハードな役柄となっています。
一癖も二癖もあるようなメンバーばかりのチームのボスですので、16歳から軍に入隊して、そのまま戦い続けている、という生粋の兵士として描かれています。
これだけのゴツイ個性的なメンバーのボスという事で、部下である隊員の中にはその実力を疑うような者も何人かいたりします。
他の作品ですとその部下と対決の末に、そのボスの強さに圧倒され、結局ボスが強いという事を身をもって知る、というような展開が多いですが、
本作の場合は、そういう部分は掘り下げることなく、右腕のような側近の部下がいつも擁護してくれているような感じでサラっと描かれています。
性格は冷酷で、お金になる人物以外の救出は、基本的には無視する、という徹底ぶりで、そんな冷酷ぶりを当然不満に思っている部下たちもいるようですが、
その辺りも、この側近が上手く取り繕っているようです。
この側近を含めて、他の傭兵部隊のメンバーも個性派ぞろいです。
物凄くチャラ男的な軽い性格の長身アメリカ人と皮肉屋の中国人のスナイパーコンビや、何故か敵テロリストのボスの命を狙う、何かの復讐に燃えるアフリカ系の黒人、
ミーガン・フォックス以外では唯一の男勝りな女性隊員、などキャラ立ちしているメンバーが多いですが、その中に誘拐されていた女子高生三人も加わります。
この女子高生も非常にキャラ立ちしていて、段々とメンバーが脱落していった後の後半からは、主演級に目立つキャラクターになっていきます。
この女子高生の内の一人、誘拐される知事の娘を演じているジェシカ・サットンは、極限の状況で、追い詰められた末に、急激に成長していくキャラクターを印象的に演じていて、
後半ではまるで主役のような見せ場の連続となっています。
冷酷というキャラクター設定ではありますが、感情表現の起伏のほとんどないミーガン・フォックスが戦うのみに特化した分、
このジェシカ・サットンがドラマ部分を引っ張っているように見受けられる展開が結構あったりします。
それも、ジェシカ・サットンの表現力の豊かさがあってこそだと思われますので、今後の活躍が期待できそうです。
調べてみると現在27歳という事に、びっくりさせられますが、女子高生と言われれば、そのようにしか見えない雰囲気を醸し出しているのも、オーラがそう見せている、という事でしょうか。
通して見て観ると、完全にイメチェン狙いのミーガン・フォックスが主演を演じている作品ではありますが、そのミーガン・フォックスを掘り下げるよりも、
周りのキャストを生き生きと描くことで、物語をしっかりと進行させているという見方ができるかもしれません。
そう考えると、ミーガン・フォックスは出ずっぱりに近く、ずっと部下に指示を出しているアグレッシブな役柄である割には、あまりその強さや人間味は前面に出ず、
どんな状況に陥っても、全くばっちりメイクは崩れない、そのいつも通りのミーガン・フォックスぶりも手伝って、それ以上深く描きようがなかった、という事になるのかもしれません。
周りの隊員が死にかけ、ぐらいのダメージを受けながらギリギリ生きて、奮闘して戦っている感じなのに対して、ミーガン・フォックス隊長は割とずっと涼しい感じで、
銃を撃てば周りの敵がバッタバッタと倒れて、格闘になんかほとんどなりません。
後半のライオンバトルでさえ、ひらりと攻撃をかわすぐらいですので、外見はさておき、やっている事はセガールとほとんど変わらないような気さえします。
そんなライオンとのバトルですが、本作では大胆にもそのほとんど(もしかしたら90%以上かもしれません)をCGで処理する、という撮影方法を取っていますので、
後半の夜間のライオンバトルなどは、暗がりにライオンのCGが浮き上がって気になってようがない、というようなシーンの連続でした。
ミーガン・フォックスがイメチェンして、アフリカでエクスペンダブルズのリーダーになって、テロリストとライオンと三つ巴のバトルを繰り広げる、という設定はB級魂に溢れていて非常に面白いですが、
実際の作品では、その面白そうな設定をフルで活かせるぐらいまでは到達しなかった、という感じでしょうか。
因みにタイトルの(ROGUE)とは、【ならず者】や、【はぐれ者】などの意味があるようで、この寄せ集めのエクスペンダブルズや、
後半登場する施設にずっと残って離れようとしない孤高のライオンを刺しているようですので、なかなか良いタイトルとなっています。
という事で、イメチェンしたミーガン・フォックスのバトルレディースアクションを期待した方にとっては、いつも通りすぎて少し消化不良感はあるかもしれませんが、
他のキャスト陣のドラマは結構熱い展開が多く涙腺の緩む、男泣きシーン展開もありますので、アクション好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに、動物虐待ともとれるシーンが登場しますが、勿論CG満載の作品ですので、そういった事実は全くなさそうです。
作品情報
2020年製作 南アフリカ・イギリス製作 サバイバルアクション
監督・脚本 M・J/バセット 脚本 イザベル・バセット
出演 ミーガン・フォックス、ジェシカ・サットン、フィリップ・ウィンチェスター
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