おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
猟奇殺人事件の犯人を追う刑事にサミュエル・L・ジャクソン、その元相棒にヴァンサン・カッセルが扮して初共演した、イギリスを舞台にした良い雰囲気なサスペンスミステリー、、、、、、ながらも、後半に待ち受ける捻り展開によって、それまで積み重ねたドラマを、一気に放り投げてしまう暴投スリラー!!因みに二人とも主人公ではありません、、。


作品紹介
2025年1月24日公開
今回ご紹介する作品は、サミュエル・L・ジャクソンとヴァンサン・カッセルが共演したサスペンスミステリー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
スコットランドのハイランド地方で、ユダヤ教信者の女性が殺害される事件が発生した。
その残忍な犯行は、5年前にシカゴで発生した未解決事件と酷似していたため、かつての担当刑事であったローソン刑事にも連絡が行き、
スコッランド警察のボイド刑事の捜査協力者という形でコンビを組んで捜査が開始された。
しかし、情報が錯綜し犠牲者が増えていくなか、刑事たちは巧妙に仕掛けられた罠に引きずり込まれていくのだった。


監督は、ドラマシリーズ(ワイヤー・イン・ザ・ブラッド)や(ブレイキングバッド)等、主にテレビドラマシリーズ等で活躍しているテリー・マクドナフで、
異国情緒あふれる地方で巻き起こった異常な事件を描いています。


で、一応事件を追う主人公的なアメリカからやってきた刑事役で、(パルプフィクション)や(ダイハード3)等の
サミュエル・L・ジャクソンが登場し、いつもの調子で、陰湿な事件を追っていきます。



で、かつての相棒役で、(クリムゾンリバー)や(ジェヴォーダンの獸)等のヴァンサン・カッセルが登場し、
サミュエル・L・ジャクソンをサポートしていきます。



で、イギリス側の刑事で、実質的には主人公なボイド刑事で、(デイ・トゥ・ダイ)(詳しくはこちら)や(アウトレイジギャング)等の
ジャン二・カパルディが登場し、事件を追っていきます。



で、重要な容疑者の一人役で、(ハムナプトラ)シリーズや、(夕霧花園)等のジョン・ハナーが登場し、捜査員を翻弄して行きます。



で、ボイド刑事の奥さん役で、(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス)や(トランスフォーアー 最後の騎士王)等の
ローラ・ハドックが登場し、物語世界を掘り下げていきます。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、スコットランドのハイランド地方で、ユダヤ教の信者である若い女性が、
一人暮らしの自宅に帰宅後すぐに、何者かによって命を奪われるシーンから始まります。

でその事件の被害者はその後、遺体を切断されて、十字型のように配置される、という非常に特徴的な猟奇性を帯びた事件で、
16年前のシカゴで、同様の手口の連続殺人事件が発生していながらも迷宮入りとなった犯人が犯行を再開した可能性も考慮されて、

当時事件を担当していたシカゴ警察のダン・ローソン刑事(サミュエル・L・ジャクソン)にも連絡が入り、
捜査協力という形で、ローソン刑事はスコットランドヤード警察を訪れることになります。

で、現地警察の担当刑事であるボイド刑事(ジャン二・カパルディ)とバディを組むことになり、早速本格的な捜査が始まります。

しかし、殺害現場を訪れたローソン刑事は、現場を見るなり、その犯行の荒さから、自分が追う犯人ではなく、
その犯行を崇めた模倣犯の可能性を感じます。


一方、相棒となったボイド刑事は、実は家庭に悩みを抱えていて、1年前に夫婦間で発生した悲しい出来事を機に、
奥さんとの間にできた溝を埋めることが出来ずに、日々仕事に逃げている、という切羽詰まった状況で、
猟奇殺人事件の犯人を追うシリアスな刑事ながらも結局いつものサミュエル・L・ジャクソンぽさを残す相棒刑事ローソンにプレイべーとを気遣われて、少しづつ打ち解けていきます。




そんな中、(今回の事件での)第二の犠牲者が出てしまい、その現場に急行すると、壁に怪しい印が書かれていて、
遺体の配置なども含めて、地元の危険なカルト教団の存在が浮かび上がり、事件の闇が益々深まって行きます。



で、ローソン刑事は、事件に関する参考意見を聞くために、現在は警備会社を経営しているかつての相棒、ウォーカー(ヴァンサン・カッセル)を呼び出して、
ローソン、ボイド、ウォーカーが協力して事件解決に動き出す、、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

ザ・アメリカンなサミュエル・L・ジャクソンとザ・ヨーロピアンなヴァンサン・カッセルという二人の大物が初共演したサスペンスミステリー作品です。


(ザ・チェイサー追撃者)という邦題や日本版のポスターデザイン、そして
【2つの正義が激突するノンストップアクションスリラー!】
という宣伝文句から、

二大俳優が激突するサスペンス要素のあるアクション映画
を連想させますが、まず、
残念ながら、アクション要素はほとんどありません。

次に、
大物二人は、どちらも主人公ではありません。

実際の主人公は、スコットランド警察の刑事ボイド刑事を演じているジャン二・カパルディで、ボイド刑事を軸に物語は進んでいきます。

ただ、ボイド刑事を中心に物語は進むものの、名推理を披露したり、場を引っ張って行くような要素を持っているのはローソン刑事の方なので、
見せ場を攫うのは全てローソン刑事で、ボイド刑事はその場にいて行動を起こしながらも、なんとなく事件に翻弄される役目を全て担つて行く事になります。


ですので、出ずっぱりではないにも関わらず、常にローソン刑事の方には、やり手のイメージが付いています。

さらに、そこに中盤以降、ヴァンサン・カッセル演じる親友助っ人元刑事、ウオーカーまで登場し、サミュエル・L・ジャクソンと同じように、
名推理を披露して、捜査方針がそれによって変わるぐらいに影響力を見せつけていきますので、さらにボイド刑事の翻弄役は強まり、
結果的に奥さんとの溝は埋まるどころか、どんどん深まってしまいます。


しかも、色男イメージの強いカッセルの登場によって、主人公夫婦は別の意味で溝が深まって行きそうになっていきますが、
容疑者は複数登場するものの、それぞれ決定打に欠け、事件は迷宮入りになりそうな雰囲気に満ちて行きますが、、、、、、

後半全てを覆すような、大展開によって、異国情緒あふれるロケ地で、雰囲気たっぷりに描かれた恐ろしい猟奇ミステリーが、
ザ・アメリカンB級娯楽映画
的な、
それまで積み重ねたドラマを、思いっきりちゃぶ台返しされるような大胆なクライマックスへと突入していきます。

詳しくは、割愛させて頂きますが、
犯人が白状する、事件の重要なポイントだった被害者の遺体を十字型に並べる理由が、
サスペンス映画史上に残るアホみたいな理由
に、開いた口がふさがりません。

物語が終わってから振り返ってみると、確かに上手く伏線を回収していたり、上手くミスリードを誘ったりと、
真実が判明した時に感じる映画的な面白さも存在はしますが、それ以上に存在する『んな、アホな』感は、それをはるかに上回ります。

と言うことで、肝心の要素を詳しく書けないのは歯がゆいですが、捻りのある物語が好きな方にとっては、結構楽しめる作品(好きな人ほど、直ぐにオチが読めてしまいそうですが、、)
ではあると思いますので、サスペンス好き、どんでん返し物語好きの方等、ご鑑賞れてみてはいかがでしょうか。






作品情報
2024年製作 アメリカ・イギリス製作 サスペンス
監督 テリー・マクドナフ
出演 サミュエル・L・ジャクソン、ヴァンサン・カッセル、ジャン二・カパルディ、ローラ・ハドック、ジョン・ハナー、ケイト・ディッキー、ブライアン・マッカーディー


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