【推薦!カンフー映画】秘技・十八武芸拳法(十八般武藝LEGENDARY WEAPONS OF CHINA)100分

投稿者: | 2020年12月3日

カンフー映画としてのお薦め度 ★★★★★★★★☆☆

カンフー映画の名匠、ラウ・カーリョン師匠が怪しい妖術師たちの内部抗争を用いて描く、本当の武術の在り方とは!?

伝統的な十八種類の武具
主演(前半)の凄まじい身軽さシャオ・ホウ
監督主演(後半)のラウ・カーリョン師匠
一緒に並ぶと兄にそっくりな弟ラウ・カーウィン
珍しく敵役のリュー・チャーフィー
本当に動けるレディドラゴン、クララ・ウェイ
前半のコメディ担当、アレキサンダー・フーシュン

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、カンフー映画の巨匠、ラウ・カーリョン監督のカンフー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

清の時代、白蓮教は政府と結託し、妖しい妖術を使う義和団を組織した。

義和団は妖術などを用いて、修行を積めば、諸外国の扱う銃弾でさえも、跳ね返す事ができる、と信じ信者にも強要していた。

この惨状に、若者たちの将来を憂いて、指導者の立場から退いたレイ(ラウ・カーリョン)は人知れず身を隠していた。

しかし、レイが出奔した事実を知った義和団の指導者は、レイを亡き者にするために義和団から刺客を放っていた!?

妖しさ満点の義和団の儀式
宗派でズボンの色が違います
鍛えれば銃弾も跳ね返します

ラウ・カーリョン監督がその円熟期に、老舗ショウブラザーズで製作した傑作カンフー映画です。

大筋の物語としては、清の時代に諸外国の圧政に対して組織された、義和団で信じられていた怪しい妖術師の戦いをメインとして、

逆説的に武術が本来どうあるべきか、を主題として描かれています。

白蓮教が先導して組織した義和団ですが、主に3つの宗派が寄り集まった組織となっています。

それぞれ神打、茉山、術師、の3つの怪しい術を使う組織で、精神面での技の追求を主にしていて、総じて精神と肉体を鍛えれば、銃弾にも耐えられる強靭な肉体を形成できる、というとんでもない教義を掲げています。

今現在で考えるとファンタジーとしか思えないような技ばかりですが、当時はある程度は信じられていたようです。

本作で登場する神打という技は、ラウ・カーリョン監督の(マジッククンフー神打拳)という作品で詳しく描かれています。

茉山などは、ラウ・カーリョン監督リュー・チャーフィー主演の(霊幻少林拳)や、キョンシーで有名な(霊幻道士)などで詳しく描かれています。

無益な争いを好まない師匠

物語の大筋としては、ラウ・カーリョン扮するレイに送られる刺客として主人公のシャオ・ホウがまず登場します。

3つの派閥は基本的には、お互いに面識はなく、どのような技を使うのかも、はっきりは分かっていません。

ですので、術師の派閥に属しているシャオ・ホウは暗殺する相手であるレイは神打に属しているので、顔も分かりません。

というか、他の組織もレイを暗殺しに来ますが、誰も顔を知りません

手がかりは、中国古来より伝わる十八種類の武具を使いこなせる、という事のみ。

それでも、皆探し当ててしまうので、凄いですね。

まぁ、カンフー映画の魅力は基本的には物語よりも、繰り出す技の凄さと見せ方のカッコ良さが80%ぐらいなので、ある程度都合主義な物語展開は特に問題ないですね。

ただ、本作の場合主人公であるはずのシャオ・ホウラウ・カーリョン師匠の登場と共に急速に存在感を失ってしまって、いつの間にか、主役がラウ・カーリョン師匠に変わってしまいます。

一番の見せ場のラストバトルはなんと、前半登場しない、ラウ・カーリョンとラウ・カーウィンの兄弟バトルとなって終幕となります。

意外に少ない兄弟の本気バトル!主役は後ろで応援。

この十八の武器を使用した超絶バトルはカンフー映画史に残る名勝負で一瞬も目が離せない見せ場となっていますが、

主役であったはずのシャオ・ホウは横で見て応援しているだけ、という、

漫画のキン肉マンで言うところのテリーマンのような潔すぎる立ち位置に落ち着いてしまいます。

それまでの前半で大活躍して超人的な身軽さを披露していましたので、ラストももう少し活躍して欲しかったですね。

前半はフーシュンのコメデイ演技全開

そういった流れで、物語展開的には少々違和感がありますが、やはりカンフー映画の老舗ショウブラザーズ製作作品だけあって多くのカンフースターが登場します。

主演(前半の)は超絶な身軽さを誇る(レディクンフー激闘拳)などのシャオ・ホウ

共演は他のラウ・カーリョン作品でお馴染み本当に動けるレディドラゴン(レディクンフー激闘拳)やドニー・イェン主演の最近作(捜査官X)でも超絶アクションを披露していたクララ・ウェイ

珍しく悪役で登場する(少林寺三十六房)のお馴染みリュー・チャーフィー

ラウ・カーリョン師匠の実弟でサモハン作品やジミー・ウォングの(ドラゴン修行房)なんかにも出演していたラウ・カーウィン

惜しくも交通事故で若くして亡くなってしまった(嵐を呼ぶドラゴン)などの方世玉役でお馴染みアレクサンダー・フーシュン

などラウ・カーリョン作品に登場したカンフースター総出演といった感じで物語を盛り上げています。

ラウ・カーリョン作品でもここまでオールスターでそれぞれ見せ場のある作品も珍しいので、

本作の主題である武術を健全に学ぶことの大切さと、それを描くための手段である伝統的な十八の武具を使用したアクションを、

ハイレベルに表現するためには、本作のような気心の知れた実力のあるキャストが、必要不可欠なキャスティングだったのではないでしょうか。

十八の武具を使ったラストバトル!主役は後ろで応援。

という事で、本作は、ラウ・カーションアクションの一つの完成形といっても過言ではない作品となっていますので、

アクション好き、カンフー映画好きの方でしたら、十分楽しめる作品となっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

今では見れないような、本物のアクションが堪能できますよ。

前半は争いに無関係なフーシュンのコメディ全開パート
このシーンはオープンセットで奥行きあります。さすがショウブラ製作。

作品情報

1982年製作 香港製作 カンフーアクション

監督 ラウ・カーリョン 武術指導 ラウ・カーリョン、シャオ・ホウ

出演 シャオ・ホウ、ラウ・カーリョン、リュー・チャー・フィー、ラウ・カーウィン、アレクサンダー・フーシュン、クララ・ウェイ

リュー・チャーフィー得意の頭突き炸裂!
中盤の見せ場、リュー・チャーフィーVSシャオ・ホウ

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